女優三吉彩花さん
女優とモデル業を両立する多忙なスケジュールの中で、合間に読書を楽しむ。これが三吉彩花さんの本との付き合い方。手ぶらで近所に出掛ける時も、ポケットには愛読書。移動中などの僅かな時間を有効活用して、本の世界に浸る。読書を通じて培った知識や考え方が、“人にものを伝える”という彼女の表現にも大きな影響を与えている。

「今では当たり前になった読書ですが、10代の頃はとにかく活字が苦手でした。手に取るのは、漫画ばかりで。ただ、20歳をきっかけに物事への興味が広がって、“本”が知識の源泉であることに気付いてから手放せないものになりました。移動中や待ち時間など、少しでも暇があれば本を取り出す。自分にとって必要なものと感じた時に、はじめて“愉しみ”に変わってくると思います。何事も“やらされる環境”では習慣化しないのは当然です。昔の私のように活字が苦手な人でも、焦らずに、自分にとって必要な言葉が綴られた本に出会うのを待つ。それで良いと思います。私なりのお気に入りの本の見つけ方としては、普段の生活の中でメディアや友人が話題にしていた本を書店で試しに手に取り、最初の数行を読んでみる。それを数冊、数十冊と繰り返すと、著者のワード選びやストーリー展開に惹かれて次のページが気になるものが出てきます。そうやって熟考して選んだ本でも途中で離脱することもありますが、最後まで読み切らなくても得られることはあるんです。だから、読書ってなかなか付き合い方が難しいものだと思いながら、自分と相性の良い一冊を探しています」

「今、惹かれているのは“生き方の実用”が書かれた自己啓発本やビジネス書ですね。どういう伝え方をすればまわりの人たちが興味を持つか、どういうワードが人を惹き付けるか、また起承転結のある話し方など、女優、モデルとして必要な表現力に繋がるヒントがあります。まだ読み始めたばかりですが、『プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界』(著・エベン・アレグザンダー)のような自叙伝にも、自己啓発的な側面がたくさんあるんです。ジャンルは違いますが、私が主演する映画『犬鳴村』の小説(著・久田樹生)も、ホラー作品なのに生き方や日々の過ごし方を考えさせられる内容になっています」

「一方で、沖縄のカフェが舞台になった『太陽の棘』(著・原田マハ)のように、聖地巡りをしたいと思うような、楽しみ方に広がりのある作品も好きですね。情景を思い浮かべる中で色々な物事に興味が派生していくのが、本との良い関係性だと思っています。読み終わった本は、“もう返ってこなくて良い”という気持ちで友人に貸すことも。本を通じて、友人と価値観や趣味嗜好を共有する。そんなことができるのも、本の魅力です」
おすすめの4冊はポイント10倍!

プルーフ・オブ・ヘヴン
脳神経外科医が見た死後の世界
著:エべン・アレグザンダー/訳:白川貴子
ニューヨーク・タイムズ誌でも紹介された世界的ベストセラー。「生死の境をさまよったアメリカの脳神経外科医の実体験に基づく作品なのですが、描かれた死後の世界は現代を生きる私たちが考えさせられることも多かったです。当たり前のことが、当たり前じゃない。そんな“気づき”のある一冊です」


犬鳴村
脚本:保坂大輔、清水崇/著:久田樹生
日本最凶の心霊スポットと言われる福岡県の旧犬鳴トンネルの先に位置するとされる犬鳴村を題材にした作品。「いわゆる狂気的なホラー作品とは違い、人の心を動かす問いかけがあるので、年齢によって感じ方が変わってくると思います。2月に公開する私の主演映画は、エンドロールが終わるまで見逃せません!」


太陽の棘
原田マハ
「大好きな作家のひとり、原田マハさんのデビュー作です。原田さんが美術関係の仕事に携わっていた頃の出来事が物語の本筋で、舞台となった沖縄のカフェは実在するとか。カルチャー的な背景のある、文化女子好みのストーリー展開なので、読了後は聖地巡りに出掛けたくなるかも!?」


ORIGINALS
誰もが「人と違うこと」ができる時代
著:アダム・グラント/監訳:楠木建
「独創性を持った人=ORIGINALSはどのような特徴があるのか、心理学の視点をベースに考察されていて、新たな時代に向かう我々の“人生の参考書”となる一冊です。特殊な職種の人に限らず、すべての同世代に読んでほしいと思います」

最凶スポット 犬鳴村 × 最恐監督 清水 崇 × 最叫ヒロイン 三吉彩花映画「犬鳴村」2月7日全国公開

九州に実在する最恐の心霊スポット・旧犬鳴トンネル。その近くには日本政府の統治が及ばない集落“犬鳴村”があり、そこに立ち入った者は決して戻れないという、都市伝説がある。
書き込みサイトやSNSには村周辺を訪れた恐怖体験が数多く寄せられている。
犬鳴村は、旧犬鳴トンネルの先にあると言われているが、現在はダムが建設され、日本地図にその痕跡は残っていない。これは単なる都市伝説なのか、真実なのか…!?
決して触れてはいけない“犬鳴村”が、ホラー映画の第一人者・清水崇によって禁断の映画化!身も凍る恐怖と戦慄、古より続く血の祝祭からあなたは逃げられない。
公式サイト:http://www.inunaki-movie.jp/
(C)2020 「犬鳴村」製作委員会

三吉彩花さん
1996年、埼玉県生まれ。Seventeenのトップモデルとして人気を誇り、“女子高生のカリスマ”とも呼ばれた。2017年、惜しまれながら同誌を卒業した後は、25ans、ELLE japonでモデルを務めるほか、女優として数々のドラマ、映画に出演。映画『ダンスウィズミー』(’19)では500人の応募者の中からヒロインに抜擢された。
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