バックナンバー
『J-WAVE』MORNING CLASSICを深堀する!! EVERY MONDAY - THURSDAY 08:05 - 08:10
2017年の振り返り
田中 泰 氏 コメント
様々な音楽シーンに出会った2017年。中でも最も印象に残ったコンサートは、16年ぶりに来日公演を行ったアメリカの歌姫キャスリーン・バトル。アンコールに歌われたプッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」のアリア「私のお父さん」は心に沁みることこの上なし。続いて最も印象的なアルバムは、テオドール・クルレンツィス指揮、ムジカ・エテルナ最新録音によるチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。手垢の付いた名曲が全く違う姿で目の前に洗われる感動をぜひご体験あれ。続いて最も印象的だった作曲家は、生誕120年&没後60年を迎えたエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト。いよいよ彼の時代の幕開けだ。代表作のオペラ「死の都」から「マリエッタのワルツ」の美しさはまさに破格。そして最後はやはりこの曲ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」で締めくくり。「第九」から得られるエネルギーは本当に凄まじい。来年も良い年になりますように。
~パーティ宴会特集~
田中 泰 氏 コメント
忘年会シーズン真っ只中の今週は、宴会のBGMにぴったりのクラシックを特集します。クラシック音楽は本来食事のBGMがその起源。素敵なメロディにのって飲みすぎないようにご注意を。
まずはデンマークの作曲家ロンビーの「シャンパンポルカ」をご紹介。“デンマークのシュトラウス“と呼ばれて人気を博した彼の作品は楽しさの極み。
続いてはメキシコの作曲家レブエルタスの「マヤ族の夜」から「どんちゃん騒ぎの夜」。これは陽気なラテンのダンスをイメージしたレブエルタスの代表作。まさに宴会にはぴったりでしょう。
続いてはフィギュアスケートの浅田真央ちゃんが使用して一躍有名になったハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」から「ワルツ」。このリズムに乗って飲んでいたら大変なことになりそうです。
そして最後はこれぞ宴会、ヨハン・シュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり」から「今夜の夜会がウィンクしてる」。なにはともあれ楽しいお酒になりそうです。
浅田真央 ベスト・オブ・スケーティング・ミュージック
3,000円 (税込 3,240円)
クリスマスにまつわるクラシック
田中 泰 氏 コメント
クラシック音楽が一年で一番光輝く季節がクリスマス。ぜひ素敵な音楽に触れてみてください。
まずはモーツァルトのヴェスプレ「すべての国々よ、主を讃えたまえ」。カトリック教会のミサで夕暮れ時に歌われるヴェスプレは心に沁みること間違い無し。
続いてはバッハの教会カンタータ「心と口と行いと生活」から「主よ人の望みの喜びよ」。これはバッハの中でも最も愛されているメロディの1つで、ジャズやポップスなどさまざまなアレンジが存在する超名曲です。聞いたらきっと反応するはず。
続く黒人霊歌「すべては主の御手に」は、ゴスペルやスピリチュアルと呼ばれる魂の歌。アメリカの黒人奴隷たちの間に口頭で伝わってきたこの音楽はまさに感動的。
そして最後はオペラ歌手が歌うクリスマスメドレー。家族や友人たちと楽しむクリスマスパーティのBGMにいかがでしょう?
J.S.バッハ:カンタータ 第140番・第147番(SACD)
4,300円 (税込 4,644円)
冬にまつわるクラシック
田中 泰 氏 コメント
朝晩の寒さが身にしみる季節となった今週は、冬にまつわるクラシックの名曲をご紹介。
まずは季節を描いた音楽の中でも最も有名なヴィヴァルディの「四季」から「冬のラルゴ」。この愛らしい曲を初めて知ったのはラジオの深夜放送でした。まさに心暖まる名曲です。
続いては、子供心で描かれたドビュッシーのピアノ曲集「子供の領分」から「雪は踊っている」。摩訶不思議な音の動きが雪をイメージさる瞬間をご体験あれ。
次は20世紀ロシアの作曲家スヴィリドフの音楽的イラストレーション「吹雪」から「トロイカ」。これは、ロシアの広大な大地に展開される過酷な冬のイメージが濃厚に伝わる名曲です。
そして最後は、地球の裏側アルゼンチンの冬を描いたピアソラの「ブエノスアイレスの冬」。ヨーロッパの冬とは一味違う雰囲気をお楽しみください。
12月のコンサートで楽しめるクラシック
田中 泰 氏 コメント
まずは冒頭のピアノの和音が印象的なラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」。「交響曲第1番」の失敗による精神的ショックから立ち直るきっかけになったこの名曲は、全ての人に希望を与えてくれそう。
続いては将棋界のレジェンド“ひふみん”や佐藤天彦名人を魅了するメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」。天才のひらめきに触れてみたい。
そしてブラームスの「ピアノ・ソナタ第3番」は、若きブラームスの情熱が迸る傑作だ。
最後は「第九」と並ぶ年末の風物詩ヘンデルのオラトリオ「メサイア」。キリストの誕生から受難、そして復活までが描かれたこの作品は、クリスマスシーズンに世界中で演奏される名曲だ。
一年の締めくくりにクラシックの傑作を楽しむのはいかが?
『JAL機内クラシックチャンネル』で聴けるおすすめクラシック音楽
JAL機内クラシックチャンネル 12月のテーマは「合唱の喜び」
主よ人の望みの喜びよ~
J.S.バッハ:カンタータ第80番&第147番
田中 泰 氏 コメント
「コラール」とも呼ばれる合唱は、人の声を重ね合わせて作られる最も身近な音楽のひとつ。それだけに誰にでもわかりやすく感動的です。
バッハの作品の中心を成す教会カンタータはまさにその合唱の宝庫。特に名高いコラール「主よ人の望みの喜びよ」は、ドラマやCMでもおなじみの名曲。年末の慌ただしさを癒やすのにピッタリの作品です。
そしてモーツァルト未完の大作と言えば「レクイエム」。映画「アマデウス」の最後を彩ったシーンは涙なくして見られません。
最後は年末の風物詩ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。「第九」の名前で愛されるこの曲を聴かないとどうも年末の気分が盛り上がらないという方も多いのでは?
今回は歴史的な名演奏を聴いて一年の締めくくりを!
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ベートーヴェン:交響曲 第9番 「合唱付き」(ハイブリッドCD)
3,143円 (税込 3,394円)
君はグレン・グールドを聴いたか(その9)
バッハ:リトル・バッハ・ブック
クリスマスシーズンを迎えた今月は、クリスマスプレゼントにピッタリの素敵なアルバムをご紹介。
グールドのデビュー曲として名高い「ゴールドベルク変奏曲」のアリアから、ピアノ学習者ならば必ず練習した「2声のインベンション」や「メヌエット」に「フランス組曲」などなど。グールドが愛したバッハ作品の中から誰にでも親しめる名曲ばかりをグールド自身がセレクトしたこのアルバムは、まさにグールドからの素敵なプレゼント。
バッハに親しみたいと思っていた方や、初めてグールドを体験する方にもお薦めの1枚です。僕自身このアルバムを何度プレゼントに使ったことか。
アルバムジャケットには、ピアノに向かう幼いグールドの写真が使われているのも魅力的だ。
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