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企画展示「映画を塗る仕事」展の様子をご紹介!
高畑勲、宮崎駿 両監督が目指した作品作りを、彩色の面から紐解く展示に
1Fの展示室へ
入口に立て掛けられたポスターには、時間の経過とともに色が変わっていくネコバスのセル画が使われていました。
今回の企画展示では、映画の"色"に注目し、色彩設計の仕事が紹介されています。
これまで多くのジブリ作品で色彩設計を担当された故・保田道世さんの仕事について、詳しく知られたい方には、書籍「アニメーションの色職人」(徳間書店)もおすすめです。
お腹に街灯があたるトトロ
高畑勲、宮崎駿両監督は、映画の制作にあたって「登場人物とその日常を丁寧に描き、実写とは違ったリアリティをもたせることで、観客の心に訴えることができる作品」を目指したそうです。このトトロも、色が塗られてはじめて実在感が与えられているそうです。街灯の下にいることがわかるのは、色の塗り分けのためだとわかります。
色によって表現されたものとは?
今回の展示では、アニメーション映画の中で "色によって何が表現されたのか" が語られていきます。 アニメーションの中で塗られた色は、色そのものだけでなく、キャラクターに立体感を与えたり、心情や距離、状況なども表しているそうです。
時刻によって変わるサツキとメイの色指定
こちらは『となりのトトロ』の登場人物の色指定を解説しているコーナー。
"サツキ・メイ夏服"をノーマル色とし、夜にかけての時間の流れに応じてキャラクターの肌や影の色が細かく指定され、時間の経過が表現されたそうです。
解説パネルを挟んで、壁一面まで広がるサツキとメイの展示。
どのパネルでも登場人物の色は一見すると同じに見えますが、時間帯毎に変わる背景に合わせて肌や影などの色が塗り分けられているため、自然な色合いに見えるそうです。
宮崎監督が参考にした表現のテクニック
こちらはロシアの絵本作家による挿絵を紹介したパネル。
宮崎監督は「長くつ下のピッピ」の制作準備中だった1971年頃にこの絵本(著:イワン・ヤコヴレーヴィッチ・ビリービン)に出会い、色の塗り分けや少ない線による描き方などの参考にしたそうです。
また、ここで学んだテクニックは後の映画の制作時にも活かされているそうです。
水の映り込みを解説したパネル
こちらは水面に映ったキャラクターの塗り分け方が解説されたパネル。
通常、水面に移るものは暗く塗られるそうですが、映画『魔女の宅急便』では、黒猫のジジのように黒い色のキャラクターは逆に明るくする事で、より現実らしく表現されているそうです。
映像による解説コーナー
「キャラクターの色を決め、セルを完成させるまで」と題されたショートムービー。
映画『もののけ姫』を事例に、実際のセルに色が塗られていく作業を見る事ができます。
『もののけ姫』の色数を紹介したパネル
このパネルでは、制作時に使われたカラーチャート(色の見本)が紹介されていました。
セル絵具を使用した作品として最後のスタジオジブリ作品となった『もののけ姫』では、歴代最高の580色が用いられ、『となりのトトロ』(308色)の倍にせまる色数となったそうです。
目で見て感じられる"映画を塗る仕事"
こちらは、映画の制作に使われた580色の絵の具瓶と見張り番のパン種くん。
パネルや映像による解説以外にも、目で見て"映画を塗る仕事"が感じられる展示になっています。
たくさんの人が描かれたシーンでの塗り分け
こちらは映画『魔女の宅急便』の終盤に描かれたシーン。
たくさんの人がいるので一見すると色数が多そうですが、少ない色数で違和感無く見えるように工夫されているそうです。
三鷹の森ジブリ美術館のご案内
三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制です。
毎月10日午前10時より、翌月入場分のチケットを販売しています。
※Web、モバイル、店頭Loppiにて予約、ローソン店頭にて引き換え
【所在地】
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-1-83
三鷹駅南口から徒歩約15分、有料コミュニティバスで約5分
【一般お問い合わせ先】
0570-055777(ごあんないダイヤル 休館日を除く9時~18時)
【ホームページアドレス】
https://www.ghibli-museum.jp/
© Studio Ghibli © Museo d'Arte Ghibli
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