セブンネット読書女子の第2回目は、女優として大活躍中の吉田志織さん。普段から電車の中やカフェで“ながら読み”をするなど習慣となっている読書は、彼女の役作りの上で欠かせないもの。新作映画『チワワちゃん』の撮影を終えて、本の大切さを再認識した彼女の、読書との向き合い方とは。
「今、21歳ということもあって、まだまだ経験値は高くありません。そんな私が役作りをするときに頼るのが、本。これまでに直面したことのないシーンを演じるとき、これまで読んだ作品を思い返して、“こういう感情の表し方があるんだ!”と参考にできます。そうして、自分とは違う女性の人生にふれられるのが、本のいいところですよね。私は、気になるセリフがあると線を引くようにしていて、時間が経ってから見返すと、“このときは、こんな気持ちで読んでたんだ。でも、今ならこうとらえるな”と、違いが感じられて面白い。台本を読んでいると、書かれているセリフと過去に読んだ本のセリフがかぶってくることもあって、読書体験と女優という仕事は、つながっているなぁって思いますね。『チワワちゃん』の原作も、過去に一度、読んでいました。演じるチワワは、昔は、アイコニックだけど何も考えていない女の子だと思ったけれど、最近、読んだときには人間っぽくて欲求に素直だなって。だから、みんなより輝いているんだなと思いました。そんな大きなパワーを持つ彼女を演じるのは、手こずりましたけどね(笑)。でも、「これがチワワだ」と自分のなかで腑に落ちる瞬間や、チワワの気持ちとリンクしたことが気持ちいいと感じることもあったんです。今作を通じて、演技には、あらゆる方面から、いろんなことを吸収していかなきゃいけないとより強く感じました。そのためにも、読書は続けたいです!」
「本を選ぶときは、ジャケ買い派です。タイトルと表紙の装丁を見て、ピンときたものを手に取り、裏表紙に書かれた解説を読んで買うかどうかを決めます。一番、最初に買った小説は、山内マリコさんの『ここは退屈迎えに来て』。女性が踊っている写真の入った表紙に惹かれました。好きなジャンルは特にないのですが、ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』やエマ・クラインの『The Girls』のような、思春期の少女の孤独とか、無垢だけど飢えている気持ちとか、そういう若さゆえの姿が描かれている作品を選ぶことが多いかな。女性の感情があらわになっている様が面白いなって思うんです。岡崎京子さんの漫画作品も、女の子が言ってほしいと思っていることを、かわいいセリフで言ってくれていて。そういう世界観にぐっときます。」
「本は、ながら読みというんですか? 電車やカフェ、仕事の待ち時間に読むことが多いです。一時期に、何冊かを平行して楽しむことも。本特有の匂いや、閉じたときの“パタン”という音も好きで、もしかすると、五感を使って読書を味わうタイプなのかも。BGMも欠かせません。どの曲で読もうか…と選んで、より世界観に浸るようにする。自分でドラマを作っていく感じに近いです! 『ロリータ』のときは、アーティストのチリ・ゴンザレスをおともにしました。今日みたいな和室は、読書がはかどりそうでいいですね。でも、こたつはあったかくて眠くなっちゃいそうだけど(笑)。」
ーおすすめの5冊はポイント10倍ー
ロリータ
ウラジミール・ナボコフ
「本屋さんでタイトルを見た瞬間に、“ん? ロリータ…!? 最高じゃん!”と心を掴まれて、手に取りました。ワンピースとシューズを身につけた少女がいる装丁もステキです。主人公が愛する女の子であるドロレス・ヘイズについて綴っているのですが、少女性に惹き付けられます」
ここは退屈 迎えに来て
山内マリコ
「18歳のときに初めて自分で買った本で、記憶に残る一冊です。表紙の不思議なポージングの女性を見て買うことを決意(笑)。短編集で、とても読みやすい。好きなジャンルや作家さんはないけれど、山内さんの作品は他に『パリ行ったことないの』を、今読んでいるところです」
変身
フランツ・カフカ
「世界中で愛されている有名な物語。私の好きな、少女の心の機微を描いた内容ではないけれど、読んでみたいと思いました。主人公のグレゴール・ザムザは、朝起きると毒虫になっている…! その、他にはない衝撃的な始まりや、展開がすごい。装丁もカッコいいですよね」
The Girls
エマ・クライン
「14歳の主人公・イーヴィーが、憧れの女の子であるスザンヌに認められようと必死に努力をするというストーリー。無理をしながらも周りに溶け込もうとする、女の子の若さ故の純粋さや儚さが描かれている世界観は、まさに私の大好物です。人生に欠かせない一冊です」
そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティ
「テレビ番組でアガサ・クリスティの作品を紹介していたことがきっかけでした。序盤は難しく、なかなか進まず諦めようかと思ったけど、だんだんとハマり、最終的には寝る間も惜しんで読むという…。タイトル通り、最後は本当に誰もいなくなりました(笑)」
吉田志織・女優
よしだ・しおり/1997年、北海道生まれ。岡崎京子さんの漫画が原作となる映画『チワワちゃん』では、周りの人たちを魅了し、かき回す小悪魔的なチワワ役を演じている。2019年1月18日に全国公開予定。
セブンネット読書女子とは?
なんだか知的でスマートな印象がある『読書』。本を一冊読むと、それ以前より、ちょっと世界が広く見える『読書』。移動中のバスや電車、ひとりカフェ、旅の途中…、取り入れ方は人それぞれ。本を通して、自分と向き合う“読書女子”を応援するのが、「セブンネット読書女子」。本がさらに好きになる情報や、お得なキャンペーンをお届けします。
吉田志織 in チワワちゃん ビジュアルブック
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映画「チワワちゃん」公開記念
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映画「チワワちゃん」の公開を記念し、原作者である岡崎京子さんの過去作品のポイント5倍キャンペーンを実施!岡崎京子さんの様々な作品に触れる事で、より世界観に浸りましょう♪