出産祝いに添えるメッセージの文例や
書くときのポイント、マナーについて紹介

赤ちゃんが無事に生まれたご家庭に出産祝いを贈る時、メッセージを添える方も多いと思います。心こもった喜びの言葉が書かれているメッセージは、時に品物以上に喜ばれることもあるかもしれません。ですが、贈る方からの立場としては、いざメッセージを書こうとすると、どんな言葉を書けばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は出産祝いのメッセージを贈る時期やマナー、文例集などを紹介しますので、参考にしてみてください。
出産祝いに添えるメッセージを贈る時のマナー

贈る時期
出産の報告を受けると、すぐにお祝いの気持ちを伝えたくなりますが、まずは母子ともに無事かどうか、母子の状態を最初に必ず確認します。赤ちゃんやママに何かあった状況で、お祝いのメッセージを贈ることになってはいけません。産後から数日は様子を見守り、無事に退院してから1か月を目安に贈りましょう。まだ産後の生活に慣れていないことも考えられるので、自分の気持ちを伝えることよりも、相手への気遣いを優先します。
親しい間柄であればすぐにメッセージを贈ることも多いと思いますが、その後に改めてお祝いを贈る時にも、ぜひメッセージを添えましょう。
贈るのが遅くなってしまった場合
出産祝いのメッセージが遅くなってしまった場合は、シンプルにお詫びの言葉を添えましょう。仕事が忙しかった、身内に不幸があった、などの言い訳になるような言葉は不要です。かなり遅くなってしまった時は、6か月目のハーフバースデーや、1歳誕生日にタイミングを合わせて贈りましょう。
出産祝いに避けるべき言葉
メッセージには、お祝いの言葉に加えて、ママの健康回復を願う気持ちを伝えます。妊娠・出産という大仕事は終えたものの、産後の肥立ちの期間も重要と考えて、出産の忌み言葉である「落ちる」「流れる」「くずれる」「滅びる」「破れる」「薄い」「浅い」「枯れる」などは、不用意に使わないように十分気を付けましょう。
また、励ましの気持ちを伝えようと「頑張れ」と言うのも、産後で不安定なママにはおすすめできません。赤ちゃんの成長具合にも個人差があり、まだ生まれたばかりなのに「早く、大きく、ぐんぐん育て」といった言葉も無神経になることもあります。「大変でしょうが」「心配ですよね」「苦労」「不安」など、相手の気持ちに差し支える可能性がある言葉も避けましょう。また、句読点は「お祝いごとには終止符を打たない」といった意味合いからお祝いのメッセージには不要と言われています。
出産祝いに添えるメッセージ文例

【贈る相手別】出産祝いに添えるメッセージ文例
一般的な例①(友人、近しい方など)
「ご出産おめでとうございます。安産で母子ともにお元気とのこと、何よりですね。近くならさっそく赤ちゃんのお顔を見に伺いたいところです。
別便にてささやかなお祝いの品を贈らせていただきました。どうぞお受け取りください。
赤ちゃんの健やかなご成長を心からお祈り申し上げます。」
一般的な例②(上司、付き合いの浅い方など)
「このたびは無事かわいい赤ちゃんをご出産とのこと、まことにおめでとうございます。
初産でいらしたことからもご案じ申し上げておりましたが、母子ともにご健康とうかがい、安堵いたしております。
さっそく、赤ちゃんのお顔を拝見したいところでございますが、ご出産早々のことでゆっくりご養生いただきたく、まずは書中にてお祝い申し上げます。
別便にてお祝いのしるしに、心ばかりの品をお贈りいたしましたので、ご笑納くださいませ。
まずは、取り急ぎお祝い申し上げます。」
親族へ
親族との付き合いの程度はそれぞれであることが多いと思います。自分の兄弟や親しい間柄のいとこの場合は、そこまでかしこまる必要はありません。また、親族は出産報告を受けとるタイミングが早いので、遅れないようにメッセージを贈りましょう。
例①
「○○さん、ご出産おめでとうございます。
新たに親戚が増え、とても嬉しいです。
お正月に会えることを今から楽しみにしています。」
例②
「元気な赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます。
写真も拝見しました。
○○ちゃんに似ていますね!
落ち着いたら家族で会いにいきます。」
例③(贈り物と一緒に)
「無事にご出産、おめでとう!
大変だったと思いますが、これからまた赤ちゃんとの新生活ですね。
ささやかですが、お祝いを贈ります。
何かあればいつでも相談に乗るので、気軽に連絡してください。」
友人へ
気の置けない友人ならストレートにおめでとうの気持ちを伝えれば良いでしょう。親しき仲にも礼儀あり、であることを忘れずに、母子の体調に気を配った内容にしましょう。
例①
「○○ちゃん!おめでとう。
これから忙しくなると思うけど、応援しています。
子ども同士で遊ばせられることを今から楽しみにしてるね!」
例②
「ご出産本当におめでとう!
わたしも未来のために、○○ちゃんと一緒に学んでいきたいと思います。
これから忙しくなると思うけど、いろいろ報告してくれたら嬉しいな。」
例③(贈り物と一緒に)
「出産おめでとう!
よく頑張ったね…!
落ち着いたら○○ちゃんと赤ちゃんの顔を見に行きます!
体を大切にね。
プレゼント、良かったら使ってください。」
会社の上司へ
上司や目上の方には、もし親しい間柄でも、あえてかしこまった文章にするのがマナーです。男性に贈ることになる場合は、奥様への気配りも必要です。
例①
「赤ちゃんのご誕生、心からお慶び申し上げます。
お子さまの健やかなご成長とご家族のご多幸をお祈りしています。」
例②
「ご出産誠におめでとうございます。
しばらくはゆっくりと赤ちゃんとの時間を楽しんでください。
お話をうかがえる日を楽しみにしております。」
例③(贈り物と一緒に)
「この度はご出産、おめでとうございます。
ささやかではありますが、お祝いの品をお贈りします。
○○ちゃんの健やかなご成長をお祈りしております。」
会社の先輩・後輩・同僚へ
会社で一緒に働いている間柄なら、基本的に丁寧な内容であれば問題はありませんが、産後のプレッシャーを感じさせないよう、仕事に関係する文言は控えましょう。
例①
「○○さんご出産おめでとうございます。
母子ともにお元気とのこと、とても嬉しく思います。
赤ちゃん、かわいいでしょうね…!
ますます明るいご家庭になりますように。」
例②
「ご出産おめでとうございます。
これから忙しくなると思いますが、お二人で力を合わせて頑張ってくださいね。
○○ちゃんの健やかな成長を祈っています。」
例③(贈り物と一緒に)
「赤ちゃんのご誕生おめでとうございます。
ご家族が増え、ますますにぎやかになりますね。
まずは無理せずゆっくりと過ごして下さいね。
心ばかりの品を贈ります。皆さんのご健康を心より願っています。」
2人目以降の出産だった方へ
初産ではない方へのお祝いメッセージは、少しだけ目線を変え、にぎやかさ、楽しさが増えるといった内容を加えると幸せな雰囲気が出ます。
例①
「ご出産おめでとうございます。
○○ちゃんもきっといいお姉さんになりますね!
さらに賑やかになったご家庭での赤ちゃんのご多幸をお祈りしています。」
例②
「この度はおめでとうございます。
子育ては大変になると思いますが、幸せも二倍になりますね。
ご家族の皆様が健やかで幸せに過ごせるよう祈っています。」
例③(贈り物と一緒に)
「ご出産おめでとうございます。
心ばかりの品をお贈りします。
これから何かと大変なママに喜んでもらえると嬉しいな。
無理せず楽しい毎日になるよう願っています。」
遅くなってしまったとき
お祝いを贈るタイミングが遅くなってしまった時は、下記のような文例を相手に合わせて変更しつつ、参考にしてみてくださいね。
例①
「前略
可愛い赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます。
母子ともに無事で健康とのこと、何よりの幸せですね。
お祝いが遅れて、本当に申し訳ありません。
最近評判の品を別便で送りましたので、どうぞ受け取ってください。
落ち着いたら赤ちゃんの顔を見に行きます。
草々」
例②
「○○さん、ご出産誠におめでとうございます。
直接お会いしてお祝いをお渡ししたかったのですが、タイミングがなかなか合わず、遅くなってごめんなさい。
産後、数か月たちましたが、体調はいかがですか?
何かと大変な日々だと思いますが、無理はなさらないでくださいね。
○○さんの毎日に少しでも役に立つように、贈り物を選んでみました。
使ってもらえたら嬉しいです。
赤ちゃんの健やかな成長と、ご家族の皆様のご多幸をお祈りしています。」
例③(初節句と兼ねて)
「○○くんの初節句、おめでとうございます。
無事に出産されたご報告をいただいたのに、お祝いが遅れましたこと、大変申し訳なく思っています。
新しい家族が増え、にぎやかで楽しい毎日をお過ごしのことと思います。
直接お会いしたかったのですが、遠方のため伺うことができません。
ささやかですがお祝いの品をお贈りしましたので、お受け取り下さい。
大空にたくましく泳ぐ鯉幟のように、○○くんが健やかにご成長されますよう願っています。」
出産祝いのメッセージを書くときのポイント

赤ちゃんの誕生はとてもうれしいことですが、両親になる方からすれば、親になることへの責任や不安も出てくるのが自然です。新米パパ、ママの気持ちが明るく上向きになるような言葉をメッセージに入れましょう。「幸せ」「嬉しい」「楽しい」や、「ふわふわ」「きらきら」など緊張感を和らげられるような擬音語、「のんびり」「ゆっくり」など、「マイペースに子育てをすればよいのかな」と思えるような言葉を選びます。逆に不安やプレッシャーを与えるような言葉はNGです。
贈る相手の家族が、読んだら笑顔になれるようなメッセージを
出産祝いに限らず、メッセージを贈る機会は意外に少ないのではないでしょうか。いざ書こうとしても、贈る相手やその家族に失礼のないような文面を考えるのは、なかなか難しいかもしれません。大切なのはお祝いの気持ちを伝えることであり、贈る相手を思い遣る気持ちを忘れないことです。ご紹介した内容を参考に、ぜひ自分らしいメッセージを考えてみてくださいね。
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笹西 真理
株式会社 トゥルース代表取締役
社団法人 日本マナーOJTインストラクター協会 創設者会長
マナースクール「Grace」主宰元国内系国際線CAとして5年半実績を積んだ後、大手コンサルティング関連会社において、飲食・小売関連の販促・広告戦略を主とするコンサルタントとして活躍。2005 年に株式会社 Truth を設立。飲食・物販・SC・各種団体・大学など、マナー・接遇・コミュニーションを中心とした社員教育、人材育成に携わる。また、2010 年一般社団法人日本マナー OJTインストラクター協会を立ち上げ、代表理事に就任。現在、約 400 名の講師と共に「サービス業の未来を輝かせる」をミッションに全国を飛び回る。
▼著書
『どこまでOK?がすぐわかる! 冠婚葬祭の新マナー大全』(成美堂出版・2019年2月出版)、『気くばりの教科書』(泰文堂)
『いつもうまくいく人の習慣』(リンダパブリッシャーズ)