司法が原発を止める

井戸謙一/著 樋口英明/著

発売日:2025年6月

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  • 司法が原発を止める
ページ数
188p
ISBN
978-4-8451-2103-8
著者情報
樋口 英明(ヒグチ ヒデアキ)
1952年三重県生まれ。京都大学法学部卒業。1983年4月福岡地裁判事補任官(三五期)。以後、静岡、大阪、名古屋など各地の地裁や高裁に勤務し、福井地裁の裁判長として2014年5月21日に大飯原発3、4号機の運転差し止め判決を出した。この判決は、福島原発事故後初めての運転差止判決となった。そして、2015年4月14日に高浜原発3、4号機の運転差止の仮処分決定を出した。この決定は原発訴訟において初めての運転差止仮処分決定となった。2017年8月に定年退官

井戸 謙一(イド ケンイチ)
1954年大阪府生まれ。東京大学教育学部卒業。1979年4月から裁判官。関与した著名判決:神戸まつり事件判決(神戸地裁、1981年)、参議院定数訴訟違憲判決(大阪高裁、1993年)、指紋押捺国賠訴訟判決(大阪高裁、1994年)、即位の礼・大嘗祭訴訟判決(大阪高裁、1995年)、浮島丸訴訟判決(京都地裁、2001年)、住基ネットワーク違憲判決(金沢地裁、2005年)、志賀原発2号機運転差止判決(金沢地裁、2006年)。2011年4月から弁護士(滋賀弁護士会)

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商品説明

「裁判官は事件を裁くことによって自らが裁かれる」との覚悟と、「この判決を出せたら、僕はもうそれで死んでもいい」との思いで、原発の運転差し止め判決を言い渡した二人の裁判官が語りつくす。

裁判官の責任とは、矜持とは!? 「裁判官は事件を裁くことによって自らが裁かれる」との覚悟と、「この判決を出せたら、僕はもうそれで死んでもいい」との思いで、原発の運転差し止め判決を言い渡した二人の裁判官が語りつくす。

3.11福島第一原発の事故以前に、原発の運転差止めの判決を言い渡した井戸氏と、福島原発事故後に原発の運転差止め判決、原発再稼働差し止め仮処分の判決を言い渡した樋口氏という、二人の元裁判官の対談。

◎内容紹介

日本の裁判官のありようについては、社会の各層から様々な批判がなされている。「ヒラメ裁判官」(市民を見ないで、上、すなわち最高裁ばかりを見ているという趣旨)、「事なかれ主義」「国策に抵抗できない」云々。私は、裁判官のOBとして、これらの批判を否定できないことを悲しく思う。しかし、裁判官の具体的な事件処理について圧力がかかることは、外部からも内部からも、私が経験した限りでは、ない。裁判官も人の子であり、任地、ポスト、給与を最高裁が一元的に支配するという現在のキャリアシステムは、裁判官が自由に仕事をすることの足かせにはなっているが、裁判官が独立の矜持さえ持てば、法律と良心に従って仕事をすることができる。その環境は維持されている。
市民が裁判所の高い壁を感じている訴訟類型の一つが原子力発電所の運転差止め請求訴訟であろう。私は、福島原発事故前の2006年3月、金沢地裁裁判長として、北陸電力志賀原子力発電所2号機の運転を差し止める判決を言い渡し、樋口さんは、福島原発事故から3年後の2014年5月、福井地裁裁判長として、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の運転を差し止める判決を言い渡した。福島原発事故後の最初の運転差止め判決だった。その判決文は、わかりやすく、格調が高く、「樋口判決」として市民の感動を呼んだ。
私と樋口さんは、ほぼ同世代であるが、現役裁判官時代、ほとんど接点がなかった。私は、全国裁判官懇話会等、裁判官の統制に抵抗する裁判官運動に加わり、その末席を汚してきた。他方、樋口さんは、そのような裁判官の運動とは一線を画し、職人肌の裁判官として裁判官生活を全うされた。そのような二人が、原子力発電所の運転差止めを命じた数少ない元裁判長として接点を持つことになった。
樋口さんとの長時間にわたる対談は、刺激的なものであった。官僚制が完成形にあると思われる今の日本の裁判官の世界で、それでも自らの自由を保って裁判官の仕事に取り組もうとした樋口さんと私のアプローチは、方法は違うけれども、裁判官の世界に触れることのできない市民の人たちには、興味深く受け止めていただけるのではないだろうか。そして、私は、事件処理に追われる厳しい裁判官生活の中でも自分なりのやり方で、あるべき裁判官像を追求しようとした先輩がいたことを、是非、現役の裁判官の皆さんに知ってほしいと思う。(「はじめに」より)

目次

◎詳細目次

はじめに 井戸謙一
第一章 二つの判決
 志賀原発の運転差し止めと大飯原発運転差し止め
 原発訴訟担当裁判官を集めての2013年「協議会」
 一年半で書き上げた大飯原発差し止め判決
 伊方最高裁判決の解釈
 規制基準の意味
 樋口判決の衝撃
第二章 知られざる裁判官の仕事
 新人裁判官時代の思い出
 裁判官の窮状
 裁判官生活と事件の思い出
 活動家裁判官と実務派裁判官
 刑事司法の闇
 無罪判決の記憶
 裁判官退官後の選択
第三章 どうして原発を止めなければいけないのか
 原発を止めなければいけない理由・その1
 帰還困難区域は名古屋市と同じ広さ
 原発を止めなければいけない理由・その2
 放射性物質の危険性
 原発を止めなければいけない理由・その3
 2022年6月17日最高裁判決批判
第四章 裁判官の可能性と覚悟
 福島第一原発事故賠償訴訟における裁判官の態度
 最高裁人事の問題
 裁判官の覚悟と可能性 若い裁判官へのメッセージ
キーワード
おわりに 樋口英明

商品詳細

出版社名
旬報社
サイズ
19cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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