密会「改版」
発売日:2019年8月
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商品説明
二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉……。
逃れられない。ますます深みにはまっていく、「蟻地獄的吸引現象」を。
ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。
二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。
本文より
どこかでヘリコプターが飛んでいた。人声らしいものは、しかしまったく聞えない。二人は普通の声など必要としないほど、くっつき合い、声をひそめて、囁き合っているのだろうか。さもなければ、すでに妻は口をふさがれ、会話どころではない状態におかれているのかもしれない。医者があんなふうに、スパゲッティ屋で落着きはらっていられたのも、妻がもはや時間に左右されない物体になり切っていたせいかもしれないのだ。……(本書67ページ)
本書「解説」より
営利目的をもって煽り立てられ、常時鼻先に突きつけられ、増産され薄利多売されている性は、公娼制度以上に管理と統制の色を濃くし、社会全体の神経をピンク漬にしている。社会が煽り立てるから個人の欲望が沸き立つ。だが、個人が色情狂となるから、社会も性を前面に押し立てる。安部公房の『密会』が描いているのは、そうした悪循環がエスカレートした果てに現出する、色欲地獄という逆ユートピアなのだ。
――平岡篤頼(仏文学者)
商品詳細
- シリーズ名
- 新潮文庫 あ-4-17
- 出版社名
- 新潮社
- サイズ
- 16cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 文庫
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