交易する人間(ホモ・コムニカンス) 贈与と交換の人間学
発売日:2016年5月
- ISBN
- 978-4-06-292363-7
- 著者情報
- 今村 仁司(イマムラ ヒトシ)
1942年岐阜県に生まれる。京都大学経済学部卒業。同大学経済学部大学院博士課程修了。東京経済大学教授。専攻は社会思想史、社会哲学。暴力論と労働論を中心に社会理論の構築にとりくむ。2007年没
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商品説明
ヒトはなぜ交易するのか?いったい誰と、なにをやりとりし、それはいかなる意味をもつのか?ポトラッチ、歓待、クラ交易、供犠…。人間存在の根源をなす「負い目」と「贈与」の心性による相互行為が解体したとき、はじめて市場と資本主義が動きだす。マルセル・モースの独創的な着眼に学び、人間学に新地平を切り拓いた今村理論の精髄。
本書の主題は、具体的事例に則して言えば、贈与と交換の社会哲学である。より正確に言えば、本書は、贈与と交換を峻別する。そうすることで、近代に出現した市場経済、そして特殊近代的な資本主義経済の歴史的位置づけ、ひいてはそれらがかかえる歴史的限定性を明らかにできるからである。近代以前の「非経済的または非交換的」な贈与体制との対比的研究のなかで、近代の経済自身の由来、それがかかえる諸問題が一層みえるようになる。
要するに、本書は、人類が歴史的に経験してきた種々の相互行為を観察することを通して、社会存在としての人間の根源に迫る試みである。
(中略)
……市場的交換ならびに資本主義的交換の社会が登場する決定的条件は、いっさいの贈与体制の崩壊である。言い換えれば、市場的交換と資本主義は、贈与体制を全面的に解体しないでは歴史の上に登場することができなかった。市場と資本主義は、その歴史的生成の流れに即していえば、贈与体制ならびに贈与心性とのたえざる闘いを通して出現するのであり、ある意味ではいまもなおそうである。そして贈与体制がほぼ完全に歴史的敗北をみるのは、たかだか十九世紀の中葉でしかない。しかし同時に、近代社会は、全面的に交換体制一色に染め上げられることで、制度をこえて相互行為の絆をなしてきた贈与的倫理を崩壊させるという重大な、そして致命的ともいえる代価を支払わなくてはならなかった。まさにそこから現代世界の困難な事情(相互行為の空虚化、貨幣換算的功利主義の蔓延、等々)が生まれるし、またそこに現代の思想的課題がつきつけられてくるだろう。(「プロローグ」より)(「近刊情報」より)
目次
第1章 「“社会的”なもの」とは何か
第2章 交易の構造
第3章 交易としての労働―聖俗論の彼岸
第4章 交易としての贈与―共有される負債
第5章 神話的想像の動学―贈与と所有
第6章 人間学の基本問題―贈与と威信
第7章 「人格的所有」論―譲渡と非譲渡
第8章 資本主義の誕生―贈与から交換へ
商品詳細
- シリーズ名
- 講談社学術文庫 2363
- 出版社名
- 講談社
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 文庫
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