天皇の結婚 皇統を背負った女性たち

井上 亮/著・文・その他

予約発売日:2026年11月12日

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ISBN
978-4-06-545540-1

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商品説明

万世一系一二六代、推古や皇極、持統らの女性天皇もいたが、男系男子の系譜をつないでいったのは、歴史の表舞台には決して現れぬ、配偶者たる女たちであった――。
母系社会が慣習であり男系女系双方が重視されていた律令以前、素性が明確ではない一〇代崇神天皇は二代前の孝元の孫娘を正妻にし、いわば入り婿婚の女系で皇統を繋いだともいわれる。中国に倣った律令制が導入された天武朝以降は宗族制の男系思想も輸入されるが、日本古来の男女双系観念は維持され、多数の女帝が即位した。唐制化を強く進めた平安期の桓武天皇の代には、男系というよりも「天皇は女性であるべきではない」との観念が一気に定着していく。大きく影響したのは神道のケガレ観念、仏教、儒教の女性差別思想だった。
そして鎌倉時代以降、武士の支配が確立すると、武家社会の男尊女卑観念が皇室にも影響し始める。江戸時代には儒教が勢いをさらに強め、「結婚前は父に、結婚後は夫、夫の死後は子に従う」という女性の三従思想が日本社会、皇室をも呪縛することに。かつての摂関家が子女をキサキに送り込み閨房を権力闘争の場とした時代にも増して、天皇の後宮の女性たちは「生む道具」とされていった。
近代以降も、男子を生む「道具」としてのキサキの位置づけは変わらなかった。美子皇后との間に子が生まれなかった明治天皇は、九人の側室を持ち十人以上の子をなした。しかし、成人した男子は大正天皇一人だった。昭和天皇の良子皇后は四人連続で女児出産の末、ようやく明仁親王(現上皇)を生むに至った。
戦後、皇族の配偶者供給層だった旧皇族・華族は消滅し、皇族の結婚が難しくなった時代に、「民間」から皇室に入った美智子皇后、雅子皇后は、皇室にとってきわめて幸運であり、例外的だったといえる。
しかし、一人の女性が男子を生まなければならない重圧は雅子皇后に至って深刻な問題を表出させることとなった。雅子皇后の不調と皇位継承資格のある男子の枯渇危機から、皇室典範を改正し、男女双方の継承を認めようという議論が始まった。しかし、男系継承こそ天皇の原理と主張する保守派の巻き返しも強く、紆余曲折を経て、令和八年、女性・女系天皇への道を塞ぐ改正皇室典範が成立した――。
歴代天皇キサキを辿ると見えてきた真の問題点。天皇制をまったく新たな視点から読み解く画期的試み。
[本書の内容]
第1章 婿入り「女系継承」と近親多妻婚――神話~奈良期
第2章 生んだ子によって価値が決まる――平安~鎌倉期
第3章 女官の妾妻化――南北朝~幕末期
第4章 家父長制が生んだ男系原則――明治~大正期
第5章 「恋愛」への願望と旧制度――大正~昭和期
第6章 アレンジ婚から自力婚へ――昭和~平成期
終章 配偶者枯渇で皇室が終わる日――平成~令和期

商品詳細

シリーズ名
講談社選書メチエ
出版社名
講談社
フォーマット
文庫

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