隔離の文学 ハンセン病療養所の自己表現史「増補新装版」

荒井裕樹/著

発売日:2026年1月

  • 隔離の文学 ハンセン病療養所の自己表現史「増補新装版」
  • 隔離の文学 ハンセン病療養所の自己表現史「増補新装版」
版数
増補新装版
ページ数
375p
ISBN
978-4-907078-52-2
著者情報
荒井 裕樹(アライ ユウキ)
1980年東京都生まれ。二松學舎大学文学部教授。文筆家。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。2022年、第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。2025年、第47回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞

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商品説明

サントリー学芸賞作家の原点。生命の砦か 隔離の檻か。閉ざされた世界の抑圧された人々が描きだす近現代日本―。刻々と消えゆく、美しくも痛ましい作品に寄り添いつつ、文学は生命の重みを描き得るのかを問う意欲作。新資料から療養所の性的少数者への考察を加えた増補新装版。

ハンセン病者への隔離政策が確立する1930年代から、軍靴響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する1950年代まで――この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した10章に、新たに1章を増補しました。
ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。
本書は、終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという問いに挑みます。

目次

はじめに 短くて長い助走のために
1、「文学」の資格
2、「隔離の文化」
3、各章の構成

第1章 隔離する文学ーー「癩予防協会」と患者文学の諸相
1、はじめに
2、療養所における文学の誕生
3、患者を誘う言葉
4、隔離の自画像
5、結びにかえて

第2章 「断種」を語る文学ーーハンセン病患者の文学にみる優生思想
1、はじめに
2、園内結婚と「断種」
3、「癩予防協会」募集原稿に見られる「断種」観
4、戦後文学に見られる「断種」観
5、結びにかえて

第3章 〈身振り〉としての「作家」――北條民雄の日記精読  
1、はじめに
2、二冊の日記
3、療養所の変化と知識人
4、〈身振り〉としての「作家」
5、強くて弱い自己 
補節、「相談所患者」という存在


第4章 「癩」の「隠喩」と「いのち」の「隠喩」――北條民雄「いのちの初夜」と同時代
1、はじめに 
2、「癩文学」の季節
3、「文学そのもの」という価値観
4、「いのちの初夜」読解
補節、戦後から見た北條民雄

第5章 御歌と〈救癩〉――近代皇族の文学はいかに問い得るのか  
1、はじめに
2、両大戦間期の皇室変容と隔離政策  
3、貞明皇后と〈救癩〉 
4、御歌と神格化
5、患者たちの御歌
6、結びにかえて 

第6章 「病友」なる支配――小川正子『小島の春』試論  
1、はじめに
2、長島愛生園と「家族主義」 
3、隔離政策と天皇制
4、小川正子と「病友」
5、結びにかえて

第7章 ハンセン病患者の戦争詩(前編)――近くて遠い詔勅  
1、はじめに
2、「十二月八日」の自画像 
3、ハンセン病患者の語り

ほか

商品詳細

出版社名
書肆アルス
サイズ
19cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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