芝居狂役者・加藤健一

中村義裕/著

発売日:2025年12月

  • 芝居狂役者・加藤健一
  • 芝居狂役者・加藤健一
ページ数
254p 図版16p
ISBN
978-4-490-21117-7
著者情報
中村 義裕(ナカムラ ヨシヒロ)
1962年、東京都生まれ。1986年、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。演劇評論家。日本文化研究家。著述家。国際演劇協会日本センター会員。早稲田大学エクステンションセンター講師。雑誌・新聞などに連載多数。また、演劇・日本文化関係の講演、講義などを精力的に行っている。2024年5月、韓国・ソウルの慶熈大学の招聘により、「日本の伝統芸能」などの特別講義を行う

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商品説明

劇団つかこうへい事務所での盟友・風間杜夫、平田満との鼎談、共演歴40年の高畑淳子との対談をはじめ、加藤健一と芝居を創ってきた天宮良、綾田俊樹、上杉祥三、小田島恒志、熊谷真実、清水明彦、竹下景子、西山水木、畠中洋、一柳みるなどの仲間たちからのメッセージ、子息・加藤義宗、教え子・加藤忍へのインタビューも収録。

加藤健一。今年、令和七年(二〇二五)で役者生活五十五周年、事務所創立四十五周年の節目を迎えるという。私が彼の舞台を観始めたのは三十年と少し前のことになる。以来、すべてを見尽くしたわけではないが、かなりの数の舞台を観ている。演劇界での評価も高く、批評家としての私の評価も同様だ。今回、二つの「記念」が重なり、今までにこうした書籍が出ていないこともあり、一人の批評家が観てきた舞台や、本人との対話、共演者との座談など、さまざまな角度から「加藤健一」という役者(あえて俳優とは呼びたくない)を眺め、記録をすることにした。
十時間を超える対話や、過去の舞台を振り返り、自分で書いた劇評を読み、加藤が演じた戯曲を読み直した中で気づいたことがある。いろいろな意味で、加藤健一は、稀に見る「大いなる異端」ではないのか、ということだ。これまでの役者人生、演じた作品、演技論、物の考え方……。今までに何人かの役者論を書いてきたが、こうした感覚の持ち主には出会ったことがない。すべての考えに諸手を挙げて賛成というわけではないにしても、「なるほど……」と肯く部分も多かった。(中略)
加藤の事務所は特別で、「プロデューサー」「演出家」「俳優」の一人三役をこなしている。(中略)加藤の場合は、いろいろな事情で始めた「加藤健一事務所」の旗揚げ公演が一人芝居で、多くのスタッフを必要とせずにほとんど自前でこなしたこと、公演を打った劇場が定員七十人程度の小劇場だったこと、好評で黒字が出て、次へつなげられたことなどの幸運も手伝ったスタートだった。本人の獅子奮迅の努力と渾身の演技があってこそだが、失敗すれば無一文の可能性もあり、まさしく「神の見えざる手」の救いだったのだろう。加藤が持てるすべてを注ぎ込んだ公演に、演劇の女神が微笑んで、この世界で生きるチャンスを与えてくれたのだろう。それを次に活かせたのは、本人の才気であることは言うまでもない。
とはいえ、それ以降、年に三本から四本の芝居を自らのプロデュースで演じ続け、今までに百四十回を超えるプロデュース公演を行った例を、私はほかに知らない。(中略)
これだけの年数、回数を重ねるためには、ただ芝居が巧いだけでは成立しない。プロデューサーとして、いかに面白い芝居を見つけるかという感性のしなやかさと、それを実行に移す能力が必要だ。質の良い戯曲を探すには、自分で読んで丹念に探すしかない。若い頃は年に二百本以上、今でも百本以上の戯曲を読むという。虚心坦懐で見知らぬ芝居に向き合い、砂漠の中で宝石を探すような作業を延々と続けられる力は、才能でもある。
(本書「序にかえて」より抜粋)

目次

カラー口絵16頁
序にかえて―小論・加藤健一
開場 事務所誕生前の若き日々〜つかこうへい、そして仲間たち
開演 それは『審判』から始まった
第一幕 所属俳優たった一人の事務所
幕間 鼎談「嬉しく楽しい仲間たち」加藤健一vs.平田満vs.風間杜夫
第二幕 筆者が選ぶカトケン・ワールド
幕間 共演者からのメッセージPARTI
第三幕 加藤健一と話す、聴く
第四幕 旅日記『滝沢家の内乱』
幕間 共演者からのメッセージPARTII
第五幕 映像の仕事について
大詰め 対談 加藤健一vs.高畑淳子
アンコール 公演年表「あしあと」

商品詳細

出版社名
東京堂出版
サイズ
20cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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