社会学教育の意義と実践 人を育てる社会学

片桐新自/著

発売日:2025年9月

  • 社会学教育の意義と実践 人を育てる社会学
  • 社会学教育の意義と実践 人を育てる社会学
ページ数
423p
ISBN
978-4-87354-800-5

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商品説明

本書は、43年の社会学教師としての経験を凝縮した書籍である。27歳という若さで、大学生を教える社会学教師となり、そこから試行錯誤しながら、社会学とは何か、どういう学問であるべきか、どう伝えるべきかを考え、実践し続けてきた、ひとりの社会学者の情熱と経験が興味深い読み物として提示されている。
 よい社会学教育をするためには、教える人間がまずは社会学とはどういう学問かということをしっかりつかまないといけない。著者は、社会学教師として経験を積む中で、社会学をどう捉え、どう伝えていくべきか、そして社会学を学ぶことは非常に意義のあることだということを、40歳頃に確信するようになった。
 本書には、その頃から著者が様々な場面で語ってきた文章を整理分類して掲載されている。第1部では、著者が社会学をどのような学問であるべきと捉えているかが語られる。著者は、100人の社会学者がいれば100の社会学があるといった言説を否定し、社会学にはちゃんと共有されるべき社会学的思考があると主張している。そうしたしっかりした社会学的パースペクティヴなくしては、社会学教育は行いえないとも主張する。
 社会学的思考のひとつの大事な要素が、現代社会の動きに敏感であり続けることだが、著者は「片桐ゼミのホームページ」というウェブサイトで、まさにそうした現代社会の分析を四半世紀以上にわたって行ってきている。大量に書かれてきたその現代社会分析のほんの一部を第2部で紹介している。四半世紀以上の時間は、やはりいろいろな状況が変化する長さなのだということが実感できるだろう。
 こうした社会学観、現代社会分析をベースに、著者がどのような社会学教育法を構築し、実践してきたかが第3部で示されている。社会学を通して人育てができるのだということを示すために、この第3部では教え子たちによる文章が数多く掲載されている。そこには、社会学を著者のゼミで学べてよかったという声がたくさん見出される。社会学という学問の魅力と著者のコミュニケーション好きがあいまって、そこには社会学教育を通して教師と学生によるユートピアのような世界が生み出されている。
 社会学の専門書は数えきれないほど出ているが、社会学教育を冠した本は、本書が初めてだろう。社会学の教科書もたくさん出されているが、そういうものを読むだけでは、社会学教育の本質は理解できない。社会学教育とはどのようなものであるべきかを正面から問う本書のような書籍がもっと出てくるべきだろう。社会学という魅力的な学問が、より多くの人に生きていく上で有意義な学問だと広く認識されるようになることを著者は強く願っている。

目次

はじめに

第一部 社会学論
 第一章 『社会運動の中範囲理論』と私の社会学観

 第二章 現代社会の危機と社会学の役割 ―素朴な社会学者の呟き―
  第一節 現代社会は危機か?
   一― 一 社会の危機とは?
   一― 二 社会と国家
   一― 三 幸福とは?  ほか
  第二節 社会学は役に立つのか?
   二― 一 社会学は役に立たない?
   二― 二 個人レベルでの社会学の有用性
  第三節 社会学の再生を求めて
   三―一 現在の社会学の問題点
   三― 二 マクロな視野
   三― 三 量的データの重視  ほか

 第三章 まちづくりの現場で社会学に何ができるか
  【補足一】 鞆の浦 架橋・埋め立て「中庸を」
  【補足二】 二〇二五年五月時点の鞆の浦の状況

 第四章 現代社会学再考
  第一節 社会学と実践
   一― 一 社会学の実践性
   一― 二 政策科学としての社会学
   一― 三 「住民の立場」に立つ心地よさ?
  第二節 社会学の重要性
   二― 一 社会学的想像力の必要性
   二― 二 「虫の眼」と「鳥の羽」
   二― 三 学問研究は何のためにするのだろう?
  第三節 社会学の対象
   三― 一 三十秒でわかる社会学
   三― 二 社会学の研究対象とその発見
   三― 三 固有名詞の社会学は難しい
  第四節 社会学の分析
   四― 一 社会学における客観的認識
   四― 二 実感主義とミクロ社会学
   四― 三 社会学的価値相対主義の潜在的逆機能  ほか
  第五節 社会学と言葉
   五― 一 概念へのこだわり
   五― 二 専門用語を学ぶことの重要性
   五― 三 比喩の魅力と危険性  ほか
  第六節 社会学の分裂
   六― 一 連字符社会学の発展と社会学の危機
   六― 二 文化へ走る都市社会学、環境に入れ込む村落社会学
   六― 三 大学院生のレベル低下を憂う
ほか

商品詳細

出版社名
関西大学出版部
サイズ
21cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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