実体概念と関数概念 認識批判の基本的諸問題の研究「新装版」
発売日:2025年6月
- 版数
- 新装版
- ページ数
- 448,18p
- ISBN
- 978-4-622-09792-1
- 著者情報
- カッシーラー,エルンスト(カッシーラー,エルンスト)(Cassirer,Ernst)
1874‐1945。ドイツの哲学者。1874年旧ドイツ領ブレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1‐3巻、1906‐1920、4巻、1950〔邦訳『認識問題』全4巻・5冊〕)や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923‐1929)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで没
山本 義隆(ヤマモト ヨシタカ)
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、韓国語訳、2005、英語訳The Pull of History,World Scientific,2018:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)、『近代日本一五〇年』(岩波新書、2018、韓国語訳、2019、中国語訳、2020:科学ジャーナリスト賞受賞)、『小数と対数の発見』(日本評論社、2018:日本数学会出版賞受賞)
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商品説明
〈本書に収められた研究は、もともとは数学の哲学のための研究によって促されたものである。論理学の側から数学の基礎概念への橋渡しを得ようと試みたさいに、何はさておき、「概念機能それ自身」をさらに詳細に切開しその前提にまでさかのぼることが必要となった。しかしそこですぐさま、ある特有の困難に直面した。つまり、概念についての伝統的な論理学の学説は、そのよく知られた基本的特性においては、数学の原理論がもたらす問題を単に遺漏なく「言い表わすこと」さえおぼつかないことが判明したのである。〉ドイツの哲学者カッシーラーによる『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』に結実する著作のなかで、その哲学の出発点とも言うべき書。プラトン、アリストテレス、ライプニッツ、ケプラー、ガリレイ、ニュートンほかをたどり、数学的・自然科学的思惟構造の形成過程を、「実体概念」から「関数概念」への発展として跡づけ、近代科学の認識論的基礎づけを試みる。
近代科学と哲学の歴史的・実証的研究にすぐれた業績を残したエルンスト・カッシーラーの名は、すでに十指に余る邦訳者の刊行によってわが国でも広く知られている。しかし、近代科学の認識批判から出発したその独自の哲学体系の中軸をなす主要な著作は必ずしも十全に紹介されてきたとは言いがたい。本書『実体概念と関数概念』は、『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へと結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作である。昭和初年の抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。
カッシーラーの本領は科学史研究にあると言える。ケプラー、ガリレイからニュートン、19世紀の物理学者からアインシュタインまでを物理学史、思想史の両面において生き生きとよみがえらせうる哲学者としてカッシーラーは他の追随を許さない。その意味で、数学的・自然科学的思惟構造の形成過程を〈実体概念〉から〈関数概念〉への発展として跡づけ、近代科学の認識論的基礎づけを試みた本書は、カッシーラーならではの先駆的業績である。
近年、科学の認識批判が問題視されるなかで、カッシーラーの主要著作は根本的な見直しを迫られている。本書の英訳普及版(1953年)が版を重ねる一方、原著復刻版(1966、1976年)、仏訳版(1977年)があいついで出版されるなど、本書は新しい視点からの注目を集めている。
目次
まえがき
凡例
第一部 事物概念と関係概念
第1章 概念形成の理論によせて
アリストテレス論理学における概念――類概念の課題と本性――抽象の問題――アリストテレス論理学の形而上学的前提――論理学と形而上学における実体概念
概念の心理主義的批判(バークリー)――抽象の心理学――抽象と再生――ミルの数学的概念の分析――心理主義的な抽象の理論の欠陥――系列形成の形式――要素と関数――論理学的基本関係の体系における事物概念の位置
「抽象」の否定的手続き――数学的概念とその「具体的普遍」――抽象の理論の批判(ランベルトおよびロッツェ)――「第一次の」対象と「第二次の」対象――対象的「志向」の多様――系列形式と系列項
第2章 数の概念
I 感覚論的導出の欠陥――算術の体系――フレーゲの『算術の基礎』――数と「表象」――表象内容と表現作用
II 純粋数概念の論理学的基礎づけ(デデキント)――関係の論理学――進行の概念――序数としての数――ヘルムホルツとクロネッカーの理論――唯名論的な導出の試みの批判
III 数概念とクラス概念――ラッセルの基礎の理論――濃度と対等――「クラス」理論の批判――0と1の論理的定義――クラス概念の前提――類概念と関係概念
IV 数概念の拡大――負数と虚数についてのガウスの理論――幾何学的基礎づけと算術的基礎づけ――デデキントによる無理数の説明――「切断」の概念――順序形式および系列形式の表現としての数
超限数の問題――濃度の概念――超限序数の創出――数の二つの「産出原理」(カントール)
第3章 空間概念と幾何学
I 概念と形態――古代幾何学の方法――空間概念と数概念――形概念と系列概念――解析幾何学の基本原理――無限小幾何学――量と関数
II 位置の幾何学――位置の幾何学の原理における直観と思惟――シュタイナーとポンスレ―――幾何学的諸形態の依頼――「相関」の概念――ポンスレーとシャスレによる連続性の原理――帰納と類推――幾何学における虚なるもの――幾何学的諸要素の存在価値と統合価値
計量幾何学と射影幾何学――複比の概念――シュタウトの構成――射影計量(ケイリーとクライン)――空間概念と順序概念――幾何学と群論
ほか
商品詳細
- 出版社名
- みすず書房
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
- 原題
- 原タイトル:SUBSTANZBEGRIFF UND FUNKTIONSBEGRIFF
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