島崎藤村と創作の論理 一九二〇-三〇年代の〈社会〉と「役」の思想

栗原悠/著

発売日:2025年6月

  • 島崎藤村と創作の論理 一九二〇-三〇年代の〈社会〉と「役」の思想
  • 島崎藤村と創作の論理 一九二〇-三〇年代の〈社会〉と「役」の思想
ページ数
304,6p
ISBN
978-4-908672-83-5

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商品説明

父・島崎正樹や姉・高瀬その、そして畏友・北村透谷。島崎藤村の近傍には自らにとって固有の「人生の意味」を求めながら、さまざまなしがらみによって叶わずに死んでいった人びとが少なくなかった。己の私生活や身のまわりの出来事を小説のなかに描いてきたとされる藤村だが、〈社会〉とそこに生活を営む大衆の存在へと目が向けられるようになった一九二〇年前後から、その創作観にはある変化が見られる。本書ではこの変化を、自分とは異なる何者かを演じる「役」の思想としてとらえ、これまで見えていなかった藤村文学と同時代の社会思想の交渉に光を当てる。

目次

序章 〈社会〉のなかで振る舞う創作者
第一部 模範的国民詩人・松尾芭蕉
 第一章 子供というモチーフの創出――媒介としての津田左右吉の文学・文化史観――
 第二章 中年・芭蕉の発見――太田水穂主宰『潮音』という材源(リソース)――
 第三章 〈ロマン〉の退潮――寿貞言説と「新生」の試み――

第二部 描き直される女性たち
 第四章 一夫一婦制への疑問――「涙」と掲載誌『解放』の論調との交差――
 第五章 治される信仰――「ある女の生涯」と森田正馬の〈患者〉認識――
 第六章 「三人」における地方の知識階級女性の苦悩――読まれざる学都・松本と女子教育――

第三部 そして〈親〉になる
 第七章 恐るべき血潮――「伸び支度」における人形と月経の表象――
 第八章 〈ユーモア〉の志向とその帰趨――「嵐」における演じられた松尾芭蕉――
 第九章 〈親〉の経世済民――「分配」と早川三代治/ヴィルフレド・パレートとの共振――

第四部 「役」の思想とその帰結
 第一〇章 新生する〈詩人〉――岩波文庫『藤村詩抄』における編集の意味――
 第一一章 〈素人〉の旅行記――「山陰土産」の方法論――
 第一二章 〈代表〉欠格――「夜明け前」と行政改革としての幕末-明治維新期――
終章 「役」という思想のゆくえ

商品詳細

出版社名
有志舎
サイズ
22cm
フォーマット
単行本

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