戦後文学案内 105人の作家を読む
発売日:2025年6月
- ページ数
- 299p
- ISBN
- 978-4-333-02940-2
- 著者情報
- 黒古 一夫(クロコ カズオ)
1945年12月、群馬県に生まれる。群馬大学教育学部卒業。法政大学大学院で、小田切秀雄に師事。1979年、修士論文を書き直した『北村透谷論』(冬樹社)を刊行、批評家の仕事を始める。文芸評論家、筑波大学名誉教授
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商品説明
敗戦からの復興と混乱、高度経済成長と若者の反乱、狂乱のバブル景気、人権と民族、そして大災害と原発事故。文学は時代を映す鏡として、常にわれわれのそばにあった…戦後80年。昭和〜平成文学イッキ読み105選!
日本近現代文学評論の大御所による渾身の「戦後文学の読書ガイド本」。全部で 105 人の作家と、その作家を象徴する文学作品1点を取り上げ、2ページで解説する。作家の生い立ちや思想形成、作品が執筆された社会背景などを踏まえながら、作品を端的に読解し、一冊を通して 80 年の戦後日本の歩みと実像を浮き彫りにするとともに、「昭和から平成の文学が果たした役割と、未来への可能性」を考えさせるものとなっている。特に平和・反核・人権などを考えさせる作品に着目し、被爆者や在日韓国朝鮮人、沖縄の人々などの「小さな声」「声なき声」を文学によって記録した作家たちの作品を敬意を込めて取り上げられている。
読書離れが言われて久しい昨今、その理由の一つには、「何を読んだらいいのか分からない」という悩みがあるかと思われる。そこで本書は、「今こそ読まれるべき秀作」を厳選し、若い世代の読者には戦後文学作品との出会いを、壮年から戦後世代の読者には「あのころ読んだ、あの作品」との再会をもたらしてくれる。
ところで、なぜ「現代日本文学」ではなく「戦後文学」なのか――。それについては、のちにノーベル文学賞を受賞する大江健三郎氏が、1986 年に行った講演「戦後文学から新しい文化の理論を通過して」の中で次のように語っているところに、その答えがある。
〈文学の役割は――人間が歴史的な生きものである以上、当然に――過去と未来をふくみこんだ同時代と、そこに生きる人間のモデルを作り出すことです。日本において、近代・現代の文学は 100 年を越える実績を持つわけですが、個々の文学者の、時代から突出した達成ということはあるにしても、一群の作家たちが、あきらかな文学的潮流として、日本の近代・現代文学の歴史に、同時代とそこに生きる人間のモデルをはっきり提出したのは、戦後文学とわれわれが呼ぶ一時期においてでした。〉
本書で取り上げられている戦後文学作品( 105 作品)は、著者の 50 年にわたる近現代日本文学研究者および文芸批評家としての経験を基に選んだものであり、本書もまた、「生きる人間のモデル」が満載された一冊である。
目次
はじめに
1 戦後文学の出発
(1)石川達三『生きてゐる兵隊』(執筆:一九三八年 刊行一九四五年)
(2)坂口安吾『白痴』(一九四六年)
(3)梅崎春生『桜島』(一九四六年)
(4)野間 宏『暗い絵』(一九四七年)
(5)武田泰淳『蝮のすゑ』(一九四七年)
(6)椎名鱗三『深夜の酒宴』(一九四七年)
(7)島尾敏雄『出孤島記』(一九四九年)
(8)三島由紀夫『仮面の告白』(一九四九年)
(9)井上光晴『書かれざる一章』(一九五〇年)
(10)堀田善衞『広場の孤独』(一九五一年)
(11)大岡昇平『野火』(一九五二年)
(12)遠藤周作『海と毒薬』(一九五七年)
(13)安部公房『砂の女』(一九六三年)
2 高度成長期の文学
(1)井上 靖『闘牛』(一九五〇年)
(2)小島信夫『アメリカン・スクール』(一九五四年)
(3)吉行淳之介『驟雨』(一九五四年)
(4)深沢七郎『楢山節考』(一九五六年)
(5)五味川純平『人間の條件』(全六部 一九五六〜五八年)
(6)松本清張『点と線』(一九五八年)
(7)安岡章太郎『海辺の光景』(一九五九年)
(8)司馬遼太郎『梟の城』(一九五九年)
(9)水上 勉『雁の寺』(一九六一年 四部作の決定版は一九七五年)
(10)高井有一『北の河』(一九六五年)
(11)丸谷才一『笹まくら』(一九六六年)
(12)黒井千次『時間』(一九六九年)
(13)辻井 喬『彷徨の季節の中で』(一九六九年)
(14)古山高麗雄『プレオー8の夜明け』(一九七〇年)
(15)古井由吉『杳子』(一九七〇年)
3「焼跡(闇市)」世代の文学
(1)小田実『明後日の手記』(一九五一年)
(2)石原慎太郎『太陽の季節』(一九五五年)
(3)開高健『裸の王様』(一九五八年)
(4)倉橋由美子『パルタイ』(一九六〇年)
(5)真継伸彦『鮫』(一九六三年)
(6)佐木隆三『ジャンケンポン協定』(一九六三年)
(7)大江健三郎『個人的な体験』(一九六四年)
ほか
商品詳細
- 出版社名
- 佼成出版社
- サイズ
- 19cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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