唐代都城中枢部の考古学的研究

城倉正祥/著

発売日:2025年3月

  • 唐代都城中枢部の考古学的研究
  • 唐代都城中枢部の考古学的研究
ページ数
493p 図版10p
ISBN
978-4-86445-185-7
著者情報
城倉 正祥(ジョウクラ マサヨシ)
1978年長野県生まれ。2019年〜早稲田大学文学学術院/教授。専門は、東アジア考古学(墳墓・寺院・都城)

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商品説明

本書では、唐王朝(618‐907)が造営した都城を「唐代都城」と定義し、その歴史的意義を考古学的に追及することを目的とした。唐王朝が造営した長安城(京師)・洛陽城(陪京)は、同時代の東アジア諸国に大きな影響を与えたが、その歴史性を考究するには、広い視野で唐代都城を相対化する作業が不可欠である。そのため、唐長安城・洛陽城を中国都城の通時的発展史の中に位置付ける(第1章)とともに、同時代の地方都市との比較(第2章)、東アジア周辺国の都城との比較(第3・4章)を試みた。

本書では、唐王朝(618-907)が造営した都城を「唐代都城」と定義し、その歴史的意義を考古学的に追及することを目的とした。唐王朝が造営した長安城(京師)・洛陽城(陪京)は、同時代の東アジア諸国に大きな影響を与えたが、その歴史性を考究するには、広い視野で唐代都城を相対化する作業が不可欠である。そのため、唐長安城・洛陽城を中国都城の通時的発展史の中に位置付ける(第1章)とともに、同時代の地方都市との比較(第2章)、東アジア周辺国の都城との比較(第3・4章)を試みた。
その成果は、以下の通りである。
 第1章では、秦〜清までの都城の変遷・発展の中で、唐長安城・洛陽城を位置付けた。唐王朝の造営した都城は、7世紀中葉〜 8世紀中葉にかけて国際的に高い影響力を保持していたが、国内において後世の都城に強い影響を与えたのは、北宋東京開封城で成立した新しい様式だった。
 第2章では、唐の安西四鎮の1つである砕葉城を分析対象とし、西域シルクロード都市の特徴を明らかにした。唐の国内においては、皇帝権力の中枢である京師・陪京を頂点とし、東では揚州城などの海港型、西では砕葉城など内陸型の交易商業都市が、それぞれ異なる機能と構造を持って展開した点を論じた。
 第3章では正門、第4章では正殿の遺構に注目し、唐王朝が造営した都城と渤海・日本などの周辺国が造営した都城との国際的な比較を行った。分析によって、唐王朝の国家的儀礼の舞台であった宮城正門、正殿の構造が周辺国に強い影響を与えた点が明らかになった。これは、唐皇帝の主催する国家的儀礼に各国使節が参加することで得た情報に基づき、その舞台空間が模倣対象となった点を示唆している。特に、唐帝国の国内支配や国際秩序が1年に1度更新される儀礼、すなわち「元会」の舞台が主要な模倣対象となり、各国の支配体制に合致する形でその空間が二次的に再現された点が重要である。本書では、この現象を「儀礼(空間)の連鎖」と呼称した。外交使節を通じて取得した情報に基づく各国独自の選択的な模倣こそが、東アジアにおける都城の伝播の実態だと考える。
 以上の分析を通じて、唐代都城の歴史性を考究した。発掘された遺構の考古学的な分析に基づく東アジア都城の研究は、文献史学・建築史学などの隣接分野とは異なる角度から、都城の歴史性を浮かび上がらせる作業に他ならない。

目次

序章 研究の課題と目的
第1 章 中原都城から草原・明清都城へ 都城通史からみた唐代都城の位置
 第1 節 中国都城の通時的研究と今後の課題
  1. 中国都城研究における通史的視点
  2. 都城研究の考古学的展望 外郭城研究の重要性と将来性
  3. 分析対象、分析方法、概念定義
 第2 節 中原都城(秦漢・魏晋南北朝・隋唐・宋)の平面配置
  1. 秦漢の都城
  2. 魏晋南北朝の都城
  3. 隋唐・宋の都城
 第3 節 草原都城(遼・金・元)と明清都城の平面配置
  1. 遼の都城
  2. 金の都城
  3. 元の都城
  4. 明清の都城
 第4 節 中原都城から草原・明清都城へ
  1. 中原都城の構造的特色と周辺国への影響
  2. 中原都城から草原都城への変化とその意義
  3. 都城の完成形 明清都城の構造的特色
  4. 唐代都城の歴史的位置
第2 章 唐砕葉城の歴史的位置 都城の空間構造と瓦の製作技法に注目して
 はじめに
 第1 節 唐砕葉城の調査研究史と課題
  1.アク・ベシム遺跡の位置・歴史と平面配置
  2.文献に記載される唐砕葉城
  3.アク・ベシム遺跡に関する調査研究略史
  4.アク・ベシム遺跡の発掘された主要遺構
  5.論点と課題
 第2 節 唐砕葉城の空間構造とその特色 西域都市・中原都城との比較から
  1.衛星画像の分析に基づく唐砕葉城の平面配置
  2.唐代西域都市の空間構造と砕葉城
  3.北庭故城と砕葉城の設計原理
  4.唐代都城の階層性とその展開
 第3 節 唐砕葉城出土瓦の製作技法とその系譜
  1.対象資料と用語の整理
  2.砕葉城出土板瓦の製作技法
  3.砕葉城出土瓦当の年代と系譜
  4.西域都市の瓦生産とその系譜
 第4 節 唐砕葉城の歴史的位置

ほか

商品詳細

出版社名
六一書房
サイズ
31cm
フォーマット
単行本

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