能火野人、佐藤春夫 「のうかやじん」は「くまのびと」の謂いなり
発売日:2025年1月
- ページ数
- 383p 図版15p
- ISBN
- 978-4-7576-1108-5
- 著者情報
- 辻本 雄一(ツジモト ユウイチ)
佐藤春夫記念館館長。1945年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学第一文学部国文科卒業。和歌山県立学校に勤務、新宮市の「みくまの養護学校」校長を最後に定年退職。1989年新宮市の佐藤春夫記念館開館に伴い、展示計画から係わり、同記念会の理事を歴任、2007年9月から館長
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商品説明
「能火野人」とは、佐藤春夫晩年の号であり、土地の歴史や文化に根差した「熊野人」を強く意識した号である。熊野の地で培った春夫の“反骨精神”の原点は、中学時代の三年次の落第、最終学年の講演会飛び入り演説での波紋、さらに中学ストライキに至る経過他にも窺えるが、その春夫が当時最先端の「自然主義文学」に共鳴し文学者として自立してゆく過程を追う。また上京後の「大逆事件」の衝撃、それは父豊太郎をも巻き込んで、その後の父子関係をも束縛してゆくことを指摘。父親の春夫に与えた影響の大きさ、懸泉堂の人脈への気づきの重要さと、多くの人達との交流が、春夫の“視界”をさらに押し拡げ、批評精神を醸成してゆく。昭和初期の文化状況は、“春夫文学”の純粋性の担保を揺るがすものになってゆき、春夫も危機感を募らせてゆく。
「能火野人」とは、春夫晩年の号であり、土地の歴史や文化に根差した「熊野人」を意識した号である。春夫が熊野の地で培った〈反骨精神〉の原点を辿り、当時最先端の自然主義文学に共鳴し文学者として自立してゆく過程を追う。また上京後の大逆事件の衝撃は父豊太郎を巻き込み、父子関係をも束縛してゆく。父親の春夫に与えた影響、懸泉堂の人脈への気づき、多くの人達との交流が、春夫の〈視界〉を拡げ、批評精神を醸成してゆく。
目次
口絵
懸泉堂(佐藤家)系図
〔通史〕
佐藤春夫、〈反骨精神〉の誕生―その少年時代、上京まで―
一、春夫の誕生と父と母との系譜
・春夫の誕生
・父親の系譜―〈懸泉堂〉
・父の医学修業と新宮での開院
・母方の系譜と春夫の〈初めての旅〉など
二、春夫の小学校時代から中学校へ
・春夫の小学校時代
・春夫の高等小学校時代から新宮中学入学へ
・日露戦争に鼓舞される少年
・第五回内国博覧会をめぐって
・春夫の英語学習とクリスマスのこと
・日本基督教新宮教会のこと
・春夫入学の頃の新宮中学校―〈熊野大学〉といわれた
・春夫の新宮中学学生生活から―海外出稼ぎ子弟と通学路探索
・新宮中学生の投稿熱
・春夫の新宮中学生活あれこれ
・初恋の人、大前俊子との出会い
三、〈反骨少年〉の誕生
・〈反骨少年〉の誕生―三年次での落第
・奥栄一との交友
・沖野岩三郎、春夫の家族を描いた短編「自転車」
・〈俳句〉から〈短歌〉へ―熊野新宮の文化状況の変遷
・春夫の〈自我意識〉の象徴―「佐藤春夫殿下小伝」
・思索の場としての徐福墓畔
・下村悦夫と富ノ澤麟太郎
・復刊『はまゆふ』とその挫折
・春夫らの明星調からの離反
・春夫の「革命に近づける短歌」
四、新宮中学最終年の〈反骨〉
・春夫の講演会登壇事件
・春夫、生田長江に同行
・春夫への無期停学処分
・『熊野実業新聞』への投稿
・春夫の試作、戯曲「寝ざめ」
・与謝野寛の作品掲載
・新宮中学ストライキへの展開とその余波
・春夫不在の新宮中学ストライキ
・生田春月との関係
・「若き鷲の子」の詩の解釈と〈危機〉からの脱出
・ストライキ事件の余波と〈大逆事件前夜〉
・春夫の上京
・〈反骨〉から「日本人ならざる者」の自覚へ
・神田須 ほか
商品詳細
- シリーズ名
- 近代文学研究叢刊 77
- 出版社名
- 和泉書院
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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