談 Speak,Talk,and Think no.130(2024)「特集トライコトミー……二項対立を超えて」
発売日:2024年8月
- 巻の書名
- 特集トライコトミー……二項対立を超えて
- ページ数
- 106p
- ISBN
- 978-4-88065-569-7
セブン-イレブン受取り(送料無料)
発送目安
発売日(発売日以降は当日)~2日で発送
宅配(送料¥550税込)
発送目安
発売日(発売日以降は当日)~2日で発送
交通状況・天候の影響や注文が集中した場合等、お届けにお時間をいただく場合がございます。
商品説明
特集 トライコトミー…二項対立を超えて
二元論や二項対立の克服もしくは調停という課題は、そもそも東洋の思想的営為においても古くから問われていました。
西洋の形式論理では、古代ギリシャ以来矛盾率(「Aは非Aではない」といった論理)による議論、二元論的なロジックはむしろ常套でしたが、インドで発達したのはテトラレンマ(四区分別)と呼ばれる独自の論法です。たとえばインドのナーガルジュナ(龍樹)が『中論』で駆使しているテトラレンマは、1すべては真実(如)である、2すべては真実(如)ではない、3すべては真実(如)であり、かつすべては真実(如)でない、4すべては真実(如)であるわけでなく、かつすべては真実(如)ではないわけでもない、といったものです。
二項対立の調停という分脈のなかで、なぜ4を必要としたのでしょうか。それは、端的に「多即一」、「一即多」の世界観に超出するためだといわれています。このテトラレンマに、東洋の思想的営為の極限を探ります。
目次
〈西洋哲学と東洋哲学〉
「二項対立を調停する」
清水高志(東洋大学教授、井上円了哲学センター理事)
「主体と対象」「一と多」に、さらに「内と外」(ないしは「含むと含まれる」)という二項対立を加える。二項対立の種類を限定しつつも増やすことによって、構造をより直感しやすくするわけです。このように三種類の二項対立を組み合わせることによって、媒介と縮約の循環的構造をつくり、原因となる始点がどこにもないあり方を示す方法が、トライコトミー(trichotomy)です。西洋的発想の基底にある二項対立をいかに回避するか、トライコトミーから考察します。
〈アニミズムとメビウスの帯〉
「縁起あるいはアニミズムの他力性」
奥野克巳(立教大学異文化コミュニケーション学部教授)
自己の非=存在性を説く仏教の観点から見れば、マルチスピーシーズ民族誌は、人類学が長らく無意識のうちに想定していた、固有性・単一性・実体性・普遍性をもった人間的自己を、複数種の絡まりあいのなかへと投げ入れて、瞬間瞬間に生成する、個体としての本性をもたない自己のイメージを再提起したといえるでしょう。その意味で、複数種のエンタングルメント=絡まりあいとは、相依相関する「縁起」のことです。「縁(よ)って生起すること」を意味する縁起とは、精神的・物質的な要素としての法(ダルマ)が、他の法に依存して生じるという道理を指しています。民族誌において、文化や社会といった枠組みのなかで語られてきた、ある事物と他の事物との「関係性」とは、まさしくこの縁起的な働きを別の言葉で置き換えたものです。むしろ、仏教の最も基本的な思想ともいえる縁起の道理は、「関係性」として描かれるメカニズムを、より深層から理解するための糸口となるのです。
一方アニミズムは、自分と自分の周囲の世界の連絡通路をつねに開いておく、言い換えれば、モノや他生にも注意を払うことで、モノや他生や世界の側から働きかけに対しても私が応じるという機序で成立するようにも思われます。だとすれば、自力のみに頼るのではなく、あちら側からもたらされる他力を感じて、あるがままの自然を受け入れるアニミズムと「縁起」は、近傍に位置する二種の思想的営為といえそうです。
商品詳細
- 出版社名
- たばこ総合研究センター
- サイズ
- 26cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
注意事項
- 本の帯に関して
- 帯つきでの出荷はお約束しておりません。
商品ページに、帯のみに付与される特典物等の表記がある場合でも、確実に帯つきでの出荷はお約束しておりません。
また、帯は商品の一部ではなく「広告扱い」のため、帯の有無・破損による交換や返品は承っておりません。 - 版・表紙について
- 版・表紙(カバー)のご指定は承っておりません。ご注文いただくタイミングによっては、お届けする商品の版や表紙が商品ページ上のものとは異なる場合がございます。
また、初版にのみにお付けしている特典(初回特典、初回仕様特典)がある商品は、商品ページに特典の表記がされている場合でも、無くなり次第終了となります。