その猫の名前は長い

イジュヘ/著 牧野美加/訳

発売日:2024年6月

  • その猫の名前は長い
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ページ数
286p
ISBN
978-4-907497-21-7

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商品説明

「何がしきりにわたしたちを臆病者にさせるのだろう。わたしたちを絶えず孤立させ、ああはなりたくないと人に思わせ、軽蔑されやすい顔に変貌させ、何かを証明しなければと常にみずからを追い立てる。この病の名は何だろう。」(本文より)

子育てと家事の合間を縫って育んだ中年女性の友情に入る亀裂を描く「今日やること」、妻の外見を愛し内面を見ない夫の視点で描く「夏風邪」、女の惨めな学生時代を美化して記憶し同級生の男が映画を撮る「水の中を歩く」、冴えない女性社員が先輩社員に抱く淡い恋心を描く「その猫の名前は長い」など、生活のリアリティが滲み出る繊細な物語9作品。
主婦をしながら英米文学の翻訳家となり、アドリエンヌ・リッチやエリザベス・ビショップらに影響を受け小説を書いた著者の初邦訳。牧野美加の美しい翻訳文、大阿久佳乃による英米文学作品と本書の関わりを解き明かす大充実の解説(20P)付。

海が隔てる隣同士の国に暮らすあなたはわたしじゃない、でも、あなたはわたしでもある。社会の常識や家父長制に押しつぶされる痛み、その中でだれかと視線を交わし手を取りあうことの心強さとありがたさ。確かな細部と繊細な記憶を積み重ね描かれる本書は、正気を保つのが難しい世界に生きるわたしたちのための1冊だと思う。
小山田浩子(小説家)

「わたしたち」は単純ではない。それどころか、差異を抑圧する危険性もはらむ。「わたしたち」にならなくては「あいだの差異」をなくすことはできないが、「内なる差異」を抑圧しないため、「内なる差異」を意識的に見つめることを怠ってはならない。リッチも、ビショップも、イ・ジュヘも私もそれぞれの「位置」をもつ。差異を探るため、そしてその上でなぜ「わたしたち」を「わたしたち」と呼べるのか、呼ばなければならないかを見極めるため、彼女たちを読まなくてはならず、知識以上のものに面と向かわなくてはならない。
大阿久佳乃(解説より)

目次

「今日やること」
「誰もいない家」
「夏風邪」
「わたしたちが坡州に行くといつも天気が悪い」
「その猫の名前は長い」
「水の中を歩く人たち」
「花を描いておくれ」
「春のワルツ」
「その時計は夜のあいだに一度ウインクする」

作家のことば
訳者あとがき
解説「わたしたち」になることに関する覚え書き(大阿久佳乃)

商品詳細

出版社名
里山社
サイズ
19cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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