移動する地域社会学 自治・共生・アクターネットワーク理論

伊藤嘉高/著

発売日:2024年3月

  • 移動する地域社会学 自治・共生・アクターネットワーク理論
  • 移動する地域社会学 自治・共生・アクターネットワーク理論
ページ数
317p
ISBN
978-4-86285-404-9
著者情報
伊藤 嘉高(イトウ ヒロタカ)
1980年愛知県生まれ。2007年、東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。新潟大学人文学部・同大学院現代社会文化研究科准教授。社会学担当

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商品説明

本書は、社会的現象が様々な存在の連関により生み出されるとするアクターネットワーク理論の視点から、地域社会の多様な動態を描き出す“移動する地域社会学”の理論と実践を結んだ研究成果である。第1部「理論と方法」では、アクターネットワーク理論の方法が有する社会学における意義を初めて体系的に明らかにする。提唱者ラトゥールの訳者でもある著者は、その理論をいかに調査に活かすかを詳細に論じ、社会学のあり方そのものをも問い直す。第2部「ケーススタディ」では、アジア各地のフィールドワークから、アクターネットワーク理論で地域社会を記述する意義を具体的に探究する。仙台市柳生地区ではモノを媒介とした新旧住民の相互変容から生まれる共同性を、バリ島では観光開発に伴う慣習や儀礼の変容と刷新を、そしてマカオでは中国返還による住民組織の連関を歴史と現在からたどる。さらに山形における災害支援NPOの活動観察や、青森の自治体病院再編の調査では、地域社会の組み直しの可能性を探る。社会学の新たな研究法に挑むと共に、町づくりや防災の取り組みにも豊かな着想を提供する画期的業績である。

生活の場である地域の繋がりは,普段は目に見えないが災害時には命をも救う重要な役割を果たす。制度の変化や住民構成の変遷によりコミュニティは常に組み替えられ,テクノロジーの進展でヒトやモノは脱領域的に移動し繋がり,相互変容をし続ける。そこに構築される出来事としての地域社会はどのように記述できるか。
本書は,社会的現象が様々な存在の連関により生み出されるとするアクターネットワーク理論の視点から,地域社会の多様な動態を描き出す〈移動する地域社会学〉の理論と実践を結んだ研究成果である。
第I部「理論と方法」では,アクターネットワーク理論の方法が有する社会学における意義を初めて体系的に明らかにする。提唱者ラトゥールの訳者でもある著者は,その理論をいかに調査に活かすかを詳細に論じ,社会学のあり方そのものをも問い直す。
第II部「ケーススタディ」では,アジア各地のフィールドワークから,アクターネットワーク理論で地域社会を記述する意義を具体的に探究する。仙台市柳生地区ではモノを媒介とした新旧住民の相互変容から生まれる共同性を,バリ島では観光開発に伴う慣習や儀礼の変容と刷新を,そしてマカオでは中国返還による住民組織の連関を歴史と現在からたどる。さらに山形における災害支援NPOの活動観察や,青森の自治体病院再編の調査では,地域社会の組み直しの可能性を探る。
社会学の新たな研究法に挑むと共に,町づくりや防災の取り組みにも豊かな着想を提供する画期的業績である。

目次

序論――移動する地域社会学に向けて

第I部 理論と方法

 第1章 創発の社会学からアクターネットワーク理論へ
  1 モバイルな空間変容と地域社会
  2 創発の社会学
  3 創発の社会学からアクターネットワーク理論へ
  4 移動する地域社会学の条件

 第2章 アクターネットワーク理論の基本概念をたどる――調査者と被調査者にとっての「移動の自由」
  1 はじめに――ANTの基本概念の出自をたどる
  2 パリ学派記号論+エスノメソドロジー=ANT
  3 アクターとアクタン――テクストによる報告の構成要素
  4 中間項と媒介子――アクターとネットワークの等価性
  5 強度の試験――「強く」実在するアクターの誕生
  6 下方推移/上方推移――参照フレームの移行
  7 循環する指示,不変の可動物――物質と記号の果てしない指示の連鎖
  8 科学としてのANTの意義――中間項を媒介子にして連鎖させ組み直す

 第3章 アクターネットワーク理論と記述的社会学の復権――社会学者が説明しないための「理論」
  1 自然なモノの歴史性――ANTの実在論的態度
  2 連関の社会学としてのアクターネットワーク理論
  3 陰謀論に手を貸さない社会学的批判の条件――「批判的に近づく」,「足し算の批判」
  4 コスモポリティクスに資する科学としての社会学

 第4章 アクターネットワーク理論と岸政彦の「生活史」――地域社会の歴史と構造をめぐって
  1 事実の構築――問題意識をつなぐ
  2 「寛容の原則」と「翻訳の社会学」をつなぐ
  3 一般化,理論化――「ディテール」と「失敗と隣り合わせの報告」をつなぐ
  4 「偶然と必然」と「媒介子と中間項」をつなぐ

第II部 ケーススタディ

 第5章 文化遺産と地域社会――仙台市柳生地区の町内会と柳生和紙
  1 緒論――地域の共同性を構築する事物の連関に目を向ける
  2 柳生地域の歴史と構造
  3 地域社会をめぐる制度的連関
  4 地域社会をめぐる非制度的連関
  5 結論 ほか

商品詳細

シリーズ名
新潟大学人文学部研究叢書 19
出版社名
知泉書館
サイズ
23cm
フォーマット
単行本

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