読書装置と知のメディア史 近代の書物をめぐる実践
発売日:2024年2月
- ページ数
- 400p
- ISBN
- 978-4-409-24162-2
- 著者情報
- 新藤 雄介(シンドウ ユウスケ)
1983年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。博士(社会情報学)。現在、福島大学行政政策学類に勤務。専門は、メディア史、社会学
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商品説明
明治から昭和戦前まで「読書」は、人々の知の伝達にどのような影響をもたらしたのか。また、読まないが知っているという「潜在的読書」の存在をどう理解するべきか。それは「書物―読む」という特権的な関係性を解除することで可能となる。書物をめぐる様々な行為と、これまで周縁化されてきた読書装置との関係を分析し、書物と人々の歴史に新たな視座を与える力作。
社会において「読書」の意味と機能とは何か
明治から昭和戦前まで「読書」は、人々の知の伝達にどのような影響をもたらしたのか。また、読まないが知っているという「潜在的読書」の存在をどう理解するべきか。それは「書物-読む」という特権的な関係性を解除することで可能となる。書物をめぐる様々な行為と、これまで周縁化されてきた読書装置との関係を分析し、書物と人々の歴史に新たな視座を与える力作。
しばしば、ピケティの『21世紀の資本』は、マルクスの『資本論』になぞらえられた。その書名の対応関係だけでなく、二つの書物が資本主義における経済的な格差を取り扱っている点において、結び付られた。しかし、本研究においては、むしろ、『21世紀の資本』と『資本論』の関係は、読む/読まないの間に存在する、読んでいないが知っている、という関係において重要なのである。『21世紀の資本』においても、『資本論』においても、その社会的な影響力は、実際に読んだ人や発行された部数を遥かに超える範囲にまで波及した。こうした点こそが、書物と私たちの日常的な関係を、深く反映していると考えるからである。(「序章」より)
◎目次
序章 問題の所在と本研究の方法
第一部 読書装置の黎明
第一章 明治民権運動における声と活字と書籍館――集会条例による政治/学術の区分の発生とその間
第二章 明治後期の巡回文庫と地域組織――図書閲覧所から巡回文庫へ
第二部 読書装置の普及
第三章 大正期における文庫の遍在――蔵書の多様化する形態と施設
第四章 大正期における図書館の爆発的増加――簡易図書館と小学校と地域組織
第三部 蔵書なき読書装置の普及
第五章 大正期におけるパンフレット出版と社会主義知識の大衆的浸透――社会運動における学習会・研究会
第六章 昭和初期の社会運動と読書会・研究会
第七章 戦時下の読書運動と読書会
終 章 読書装置と書物をめぐる実践の構図
目次
序章 問題の所在と本研究の方法
一 問題の所在
1 明治三〇年生まれと書物の関わり/2 図書館の歴史の中での位置づけ/
3 『資本論』の読書史の中での位置づけ/4 現代の中の過去と過去の中の現代
二 先行研究の知見
1 先行研究の方法と知見I――図書館史/2 先行研究の方法と知見II――読書史
三 本研究の視座
四 本書の構成
第一部読書装置の黎明
第一章 明治民権運動における声と活字と書籍館
――集会条例による政治/学術の区分の発生とその内外領域
一 書物を読むこと・集めること・語ること
二 集会条例施行以前の演説
三 集会条例の施行と「政談/学術」という区分の芽生え
四 政談演説の回避としての懇親会と学術演説
五 政談としての新聞解話会
六 非政治空間としての学校の成立
七 教育令に依らない教育=文化の場と書籍館
八 問題化しない存在としての書物
第二章 明治後期の巡回文庫と地域組織――図書閲覧所から巡回文庫へ
一 書店と書物が遠かった時代
二 日露戦争期における図書閲覧所と地域社会
1 地域社会にとっての小学校と教員/2 青年会と書物をめぐる協同行為
三 明治四〇年代の巡回文庫と地域組織の再編
1 巡回文庫導入の経緯と仕組み/2 巡回文庫運営の実際/3 巡回文庫による地域組織の再編
四 書物と場が交錯する条件
第二部 読書装置の普及
第三章 大正期における文庫の遍在――蔵書の多様化する形態と施設
一 忘却された文庫の浸透
二 文庫の遍在を要請する社会的要因
1 明治末期における非進学小学校卒業者の問題/2 担い手としての青年団と実行としての読書装置
三 遍在する文庫の大正期
1 青年団の常設文庫の設立/2 文庫の数量的把握/3 文庫の生活圏への内進化と多種多様性
四 社会的蔵書としての ほか
商品詳細
- 出版社名
- 人文書院
- サイズ
- 20cm
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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