否定神学と〈形而上学の克服〉 シェリングからハイデガーへ

茂牧人/著

発売日:2024年1月

  • 否定神学と〈形而上学の克服〉 シェリングからハイデガーへ
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ページ数
244,23p
ISBN
978-4-86285-398-1
著者情報
茂 牧人(シゲル マキト)
1958年京都市生まれ。1980年上智大学文学部哲学科卒業。1986年上智大学大学院哲学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。2013年京都大学大学院文学研究科思想文化学専攻より博士号取得。博士(文学)。1987年青山学院大学国際政治経済学部専任講師、1992年同助教授、2003年同教授、2008年から青山学院大学総合文化政策学部教授。現在に至る。日本基督教学会専務理事、実存思想協会理事長、日本シェリング協会理事などを歴任

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商品説明

本書ではシェリングの考察からハイデガーのシェリング解釈をへて、ハイデガーの真理論を論じる。中でも特にシェリングの無底(Ungrund)の理解から、ハイデガーの真理論における深淵/脱根底(Abgrund)の働きを導出し、理性では理解できない否定神学的省察により“形而上学の克服”を遂行した。著者はシェリング『人間的自由の本質』を読みなおし、神の中の根底や無底の働き、つまり神の中の自然や外部性・異他性の働きこそが、自由と悪の問題の端緒であり、解決のための鍵であることを見出した。さらにシェリングの無底の働きは、ハイデガーの深淵/脱根底の働きへと継承されていると解釈した。

前著『ハイデガーと神学』では,ハイデガーの思索と省察を初期から後期にかけて,否定神学あるいは隠れたる神の神学を伝統の中に位置づけ,そこから〈形而上学の克服〉を論じた。それに対し読者からは「ハイデガーをキリスト教思想で理解するのは,ヨーロッパの思想家なのだから当たり前である」などとの批判を受けた。しかしハイデガーはルターから強い影響を受けたが,後期の言語論,ヘルダーリン論,シェリング論,真理論,また,深淵/脱根底を通して哲学的な思索を展開した。
それらの批判を受けて,本書ではシェリングの考察からハイデガーのシェリング解釈をへて,ハイデガーの真理論を論じる。中でも特にシェリングの無底(Ungrund)の理解から,ハイデガーの真理論における深淵/脱根底(Abgrund)の働きを導出し,理性では理解できない否定神学的省察により〈形而上学の克服〉を遂行した。
著者はシェリング『人間的自由の本質』を読みなおし,神の中の根底や無底の働き,つまり神の中の自然や外部性・異他性の働きこそが,自由と悪の問題の端緒であり,解決のための鍵であることを見出した。さらにシェリングの無底の働きは,ハイデガーの深淵/脱根底の働きへと継承されていると解釈した。
ハイデガーはルターの〈十字架の神学〉から着想を得て,さらにパスカル,キルケゴールを踏まえつつ,シェリングの無底と自己の深淵/脱根底の省察から,神を最高存在者とする存在・神・論としての形而上学の批判と克服を遂行したのである。

目次

序 文

第I部 シェリングの否定神学的省察

第一章 テュービンゲン時代のパウロ解釈
 第一節 テュービンゲン時代のカントの影響
 第二節 シェリングのパウロ解釈
  1 パウロの自己理解としての使徒像
  2 当時の論争の中のパウロの姿
  3 シェリングのパウロの神学解釈
  4 シェリングのキリスト教の解釈
 結び

第二章 神の神秘と人間の自由
 第一節 シェリングの自由
 第二節 人間の自由の根拠としての神の構造
  1 実存と根底
  2 無底(Ungrund)の働き
 第三節 神の生成
 第四節 神の創造の時間性
 結び

第三章 悪の問いと弁神論
 第一節 〈善の欠如〉としての悪の原理批判
 第二節 流出説からシェリングへ
 第三節 ポテンツ論
 結び

第四章 叡智界の創造論――シェリング『諸世界時代』を中心にして
 第一節 叡智界の創造――創造論と自由論の交叉するところ
 第二節 二元論と汎神論との組み合わせとしての三元性の構造
 第三節 統一原理としての「何ものも意欲しない意志」
 結び

第五章 哲学的キリスト論と聖書解釈
 第一節 シェリングの思索の前提
 第二節 三一性の神の構造について
 第三節 哲学的キリスト論
  1 受肉
  2 十字架に至るまでの従順
  3 復活の命――否定神学的考察
 結び

第II部 ハイデガーの神学への影響とシェリング解釈

第六章 ハイデガーの神学への影響とシェリング講義
 第一節 ハイデガーの思索のプロテスタント神学への影響と批判
  1 ブルトマンの流れ
  2 バルトの流れ
  3 バルトの弟子ノラー
 第二節 ハインリッヒ・オット
 第三節 アルフレッド・イェーガー
 結び

第七章 ハイデガーの無底解釈をめぐって――「シェリング演習」(一九二七/二八年)をもとにして
 第一節 自由論講義(一九三六年)について
 第二節 「シェリング演習」(一九二七/二八年) ほか

商品詳細

出版社名
知泉書館
サイズ
22cm
フォーマット
単行本

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