神武天皇の歴史学
発売日:2024年1月
- ページ数
- 263p
- ISBN
- 978-4-06-534464-4
- 著者情報
- 外池 昇(トイケ ノボル)
1957年、東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士(後期)課程単位取得修了。調布学園女子短期大学日本語日本文化学科専任講師等を経て、成城大学文芸学部教授。博士(文学、成城大学)
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商品説明
伝説の初代天皇は、幕末・明治期にその存在感を高めた。江戸幕府が定めた神武天皇陵は、孝明天皇の意志で改められるが、本居宣長の異説には支持者が多く、疑念はくすぶり続ける。水戸藩主・徳川斉昭の嘆きと、幕末の能吏・川路聖謨の解釈。文人画家・富岡鉄斎が描いた「御陵図」の心象風景。橿原神宮の創建に尽力し、決裂した民間勤王家・奥野陣七。お雇い外国人は、「神武天皇祭」に冷徹な眼を向けた―。現代にいたる「神武天皇」と日本社会をとらえ直す。
天皇の初代とされる神武天皇は、生没年はもちろん、その実在さえ定かではない。しかし、伝説上の重要人物として、日本の歴史に大きな影響を与え、論争を呼び起こし、時に政治問題となってきた。天皇陵をめぐる近世・近代史の研究者である著者が、「神武天皇陵」の所在地論争と、橿原神宮の創建を軸に、「歴史学の主題」としての神武天皇に迫る。
初代天皇の墓所「神武天皇陵」は、実は江戸時代になるまで定かではなかった。元禄時代の江戸幕府の調査で、奈良・四条村の塚山に「定められた」のである。しかし、当初からこれには異論があり、幕末期には孝明天皇の意思により、その300メートルほど南の「神武田」に改められ、ここが、現在も天皇が参拝を行う神武天皇陵となっている。一方、国学者の本居宣長らは、畝傍山中の丸山を主張して根強い支持を得ており、明治期になっても「疑念」はくすぶり続けた。さらに、水戸学の巨頭・徳川斉昭、寛政の三奇人・蒲生君平、幕末の能吏・川路聖謨、明治大正の文人画家・富岡鉄斎らの見解もみていく。
また、神武天皇を祀る橿原神宮の創建と隆盛に尽力し、のちに決裂した民間勤王家・奥野陣七の生涯や、明治期に「神武天皇祭」に冷徹な目を向けたお雇い外国人にも注目し、「紀元節」から「建国記念の日」へと、現代にいたる「神武天皇」と日本社会をとらえ直す意欲作。
目次
序章 現代の神武天皇
第一章 三ヵ所の神武天皇陵
第二章 攘夷の気運と幕末動乱
第三章 奈良奉行所与力の結論
第四章 文久の修陵
第五章 明治天皇の親祭
第六章 橿原神宮と民間結社
第七章 消えない疑念
終章 紀元節から「建国記念の日」へ
目次
序章 現代の神武天皇
1 歴史学のなかの神武天皇
2 歴史教科書にみる神武天皇
3 神武天皇陵と橿原神宮
第一章 三ヵ所の神武天皇陵
1 元禄の修陵
2 本居宣長と蒲生君平の説
第二章 攘夷の気運と幕末動乱
1 徳川斉昭の建議
2 奈良奉行・川路聖謨の宣長批判
3 孝明天皇の「叡念」
第三章 奈良奉行所与力の結論
1 中条良蔵の報告書
2 本居宣長・蒲生君平への反論
3 結論は「神武田」(ミサンサイ)
第四章 文久の修陵
1 宇都宮藩戸田家の「建白」
2 孝明天皇の「御達」と神武天皇陵の「成功」
第五章 明治天皇の親祭
1 神武天皇陵前での「告文」
2 富岡鉄斎・津久井清影の疑念と大沢清臣
第六章 橿原神宮と民間結社
1 勤王家・奥野陣七の奮闘
2 橿原神宮の鎮座と確執
第七章 消えない疑念
1 白野夏雲の危惧
2 お雇い外国人の視点
終章 紀元節から「建国記念の日」へ
あとがき
註
文献目録
索引
商品詳細
- シリーズ名
- 講談社選書メチエ 794
- 出版社名
- 講談社
- サイズ
- 19cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 文庫
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