武州小頭甚右衛門の世界
発売日:2023年12月
- ページ数
- 204p
- ISBN
- 978-4-7592-4235-5
- 著者情報
- 松浦 利貞(マツウラ トシサダ)
1941年生まれ。東京都立の高等学校で同和教育に取り組み部落史を研究する。現在東日本部落解放研究所副理事長
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商品説明
関東における被差別部落の暮らしを見る。差別に屈せず誇りを持って生きた部落の人々の生活史。
「武蔵国横見郡和名村鈴木家文書」を読み解き、武州和名村の長吏小頭十一代甚右衛門の一生を描くことにより、近世関東の「えた」と呼ばれた人々がどのような生活を送っていたか、またそこに生きた誇り高い一人の人間像を明らかにしたい。
近世(江戸時代)は身分制の下、きびしい差別社会であった。あらゆる面で身分が重視され支配階級である武士身分においても上下の秩序(差別)は絶対的であった。とりわけ身分制の下、もっとも下位に位置づけられた「えた」「ひにん」などの被差別身分の人々に対する差別はきびしかった。しかし、被差別身分の人々が差別を我慢し、差別に呻吟していたかというとそうではなかったのではなかろうか。江戸時代は差別を当然とする社会であり、人々はそれに不満を持ち、時に抵抗しながらも受け入れざるをえなかった。しかし、その中で最も差別を認めず闘っていたのは被差別身分の人々であったのではなかろうか。
十一代甚右衛門は信仰心の厚い知識人であり、経済力もあり地域の村民からも一目おかれていた。彼は若い頃から父の小頭を助け、小頭役を息子に譲ってからも小頭の仕事をサポートし続けた。甚右衛門家は代々薬屋を営み、土地を持って農業もしていたことから経済的には比較的裕福だったと思われる。
日常的な斃牛馬の処理や行刑の仕事とともに長吏小頭としての仕事は忙しく、弾左衛門役所や村の領主、名主との関係、配下の長吏組下や非人手下との関係、さらには旦那寺との関係など日常的に連絡・調整の仕事に追われていた。一方彼は信仰心が厚く、毎日神仏への拝礼を忘れず、たびたび全国の社寺巡礼の旅にも出ていた。彼の一生を追うことにより、これまでとは違ったたくましく豊かな「長吏(えた)」と「長吏(えた)」村の生き方、生活の姿が浮き上がってくる。
目次
はじめに
第I部 関東の「むら」と弾左衛門体制
第1章 身分制社会と差別
第2章 関東の「むら」と弾左衛門
第3章 武州和名の「むら」
第4章 きびしい差別があったが
第II部 武州小頭甚右衛門の世界
第1章 諸国巡礼の旅人
1 伊勢参りの旅
2 東日本の観音巡り
3 大山道中記
第2章 千助から甚右衛門へ
1 父助命のため駆け込み訴え
2 所払い源六一件
3 大願成就を願い
4 千助、「ちょうり」小頭となる
5 差別は許さない
第3章「 ちょうり」小頭として
1 御回状記録を作る
2 組下証文、手下証文をとる
3 元右衛門とまつの欠落
4 駆け落ちは許せない
5 四回も書き直す病死届け
6 大山唐銅灯籠寄進
7 「ちょうり」祈願差し留め一件
8 百姓村で「ひにん」がなぐられ殺されそうになる
9 百姓村との交流
10 ゆらが来た
第4章 広く知られた薬屋と日常生活
1 家秘相伝神通散
2 甚右衛門家の学問・教養と実名取得
3 活発な金銭貸借と土地の取得
4 家族ぐるみの田畑耕作
5 父の死
6 三男の出生と早世
第5章 家督を譲って
1 磔御仕置
2 息子が心配
3 忙しかった
参考文献、資料
11代甚右衛門略年表
あとがき
商品詳細
- シリーズ名
- 東日本部落解放叢書
- 出版社名
- 解放出版社
- サイズ
- 19cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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