人はどう老いるのか

久坂部羊/著

発売日:2023年10月

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ページ数
234p
ISBN
978-4-06-533693-9
著者情報
久坂部 羊(クサカベ ヨウ)
1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院の外科および麻酔科にて研修。その後、大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で麻酔科医、神戸掖済会病院で外科医、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(幻冬舎)で2003年に作家デビュー。2014年『悪医』(朝日新聞出版)で第3回日本医療小説大賞を受賞

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商品説明

誰も書かなかった新しい「老い方」の教科書。誰もが初心者。大事なのは予習です。老いの現実を知る。医療への幻想を捨てる。健康情報に踊らされない。あきらめが幸せを生む。直球勝負の老い方指南!

「老い」と「死」は誰にとっても初体験。われわれは例外なく「初心者」である。
慌てふためかないためには、老いの現実を予習することだ。多くの死を看取ってきた医師で小説家の医師が、楽に老いるコツを本音で語る。安易な老い方本ではわからないアドバイスが満載。

「まえがき」より
老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。(中略)
イヤなことばかり書きましたが、これが老いるということ、すなわち長生きということです。
にもかかわらず、長生きを求める人が多いのはなぜなのか。それは生物としての人間の本能であり、長生きをすればいいこともいっぱいあるからでしょう。
世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれています。曰く、「八十歳からの幸福論」「すばらしき九十歳」「人生百年!」「いつまでも元気で自分らしく」「介護いらず医者いらず」等々。
そのことに私は危惧を深めます。そんな絵空事で安心していてよいのかと。
思い浮かぶのが、パスカルの言葉です。

我々は絶壁が見えないようにするため、何か目を遮るものを前方に置いた後、安心して絶壁のほうに走っているのである。

下手に老いて苦しんでいる人は、だいたい油断している人です。浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たちです。
上手に老いて穏やかにすごしている人は、ある種の達観を抱いています。決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません。いつまでも元気にこだわると、いずれ敗北の憂き目を見るのは明らかです。
老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。あくせくしても仕方がないし、それで得られることもたいしたものではないとわかりますから。そういう智恵が達観に通じるように思います。

多くの高齢者に接してきて、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見ていると、初体験の「老い」を失敗しない方法はあるような気がします。それをみなさんといっしょに見ていきたいと思います。

第一章 老いの不思議世界
第二章 手強い認知症高齢者たち
第三章 認知症にだけはなりたくない人へ
第四章 医療幻想は不幸のもと
第五章 新しいがんの対処法
第六章 「死」を先取りして考える
第七章 甘い誘惑の罠
第八章 これからどう老いればいいのか

目次

はじめに

第一章 老いの不思議世界
 上手に老いる方法 たまたま飛び込んだ高齢者医療 重症度と苦悩の深さが一致しない 94歳のアイドル ほのかなロマンス 99歳の心配事 高齢自慢 根強い死にたい願望 「死ね」ではなく「死ねない」という意地悪 海より深い高齢者のうつ ネガティブ思考の女王 排泄、この悩ましい必然

第二章 手強い認知症高齢者たち
「老人性痴呆」から「認知症」へ お笑い「認知症判定スケール」 認知症診断のあいまいさ 認知症の種類と特徴 「多幸型」と「不機嫌型」 「怒り型」には困惑 「泣き型」「情緒不安定型」にも困惑 「笑い型」は楽しい 困る「意地悪型」 高齢者の「徘徊」は徘徊にあらず? 徘徊高齢者はまるで風 行方不明者発見の美談のその後 認知症高齢者に論破される 有効な徘徊抑制法 まるで「暴君」のように君臨 認知症介護の裏ワザ

第三章 認知症にだけはなりたくない人へ
 なりたくない病気No.1 認知症予防で有効なものは 認知症治療薬のズルさ 明晰であり続けることの悲劇 認知症は自然の恵み? 自分が認知症になるだけではない 認知症介護の極意1 認知症介護の失敗パターン 認知症介護の極意2 敬老精神のない時代

第四章 医療幻想は不幸のもと
 医療幻想とは何か コロナ禍に見る医療幻想 認知症の早期発見・早期治療への疑問 リハビリ幻想 奇跡の復活もある おむつはずし運動・美談の弊害 「医は仁術」とは言えないシステム 迷える子羊をさらに迷わせる 「先生のおかげです」のウソ 医療と宗教

第五章 新しいがんの対処法
がんとは何か なぜがんで死ぬのか がんの四大治療法 代替療法とインチキ治療 がん告知のメリット・デメリット がん検診のメリット・デメリット 治らないけれど死なないという状況 がん患者さんの看取り方

第六章 「死」を先取りして考える
 上手に死ぬ準備 あのとき死んでいれば・その1 あのとき死んでいれば・その2 胃ろうとCVポートの悩み 臨終間際の人工透析 穏やかな死を阻むもの 安楽死禁止の国

第七章 甘い誘惑の罠
 欲望につけこむビジネス 欲望肯定主義の罠 スーパー元気高齢者の罠 優秀な人ほど ほか

商品詳細

シリーズ名
講談社現代新書 2724
出版社名
講談社
サイズ
18cm
対象年齢
一般
フォーマット
新書・選書

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