評伝良寛 わけへだてのない世を開く乞食僧
発売日:2023年5月
- ページ数
- 555,12p
- ISBN
- 978-4-623-09434-9
- 著者情報
- 阿部 龍一(アベ リュウイチ)
東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒(経済史)。ジョンズ・ホプキンス大学上級国際関係論研究所(SAIS)修士(国際関係論)。コロンビア大学宗教学部哲学修士、同大学哲学博士。現在、ハーバード大学東アジア言語文化学部教授、同大学ライシャワー日本研究所日本宗教専任教授
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商品説明
これまでの良寛の伝記は、少青年時代の学業に対する真摯な努力、深い学識ゆえに家業を捨てるに至った葛藤、道元の禅を深く学びつつも曹洞宗門と訣別した理由、そして越後に帰郷して乞食僧として生きるという選択、これらの実態と重要性を見逃している。本書は、良寛の詩歌を自伝的に捉えることでこれらを読み解き、江戸時代後期の厳しい格差社会・差別社会のなかで、わけへだてなく人々に寄り添い、癒し、慰め、幸福を共有した生涯を再発見する。
仏教を深く修めただけでなく、儒教・道教の知識にすぐれ、詩歌や書を2000以上も生み出した良寛。彼に生家を捨て、曹洞宗門とも決別する決断をさせたものは一体何だったのか。他者の救済に気を配るようになったのはいつで、帰郷へと誘ったものは何だったのか。書や詩歌の制作と仏教の実践は彼の内面でどう結びついていたのか。地位も名誉も財産も捨て果ててどのように人々に幸福を与えようと考えたのか。本著では従来の伝記類が見落としていた点を軸として洗い出し、全く新しい良寛像を描き出す。
目次
はしがき
序 章 大正五年春の良寛??良寛の近代性を求めて
1 相馬御風の新潟帰郷と良寛
御風の文学の方向転換
御風が発見した「良寛」
良寛の越後帰郷と御風の糸魚川への還元
2 斎藤茂吉の和歌の近代化と良寛
茂吉と万葉集と良寛
茂吉が注目した良寛の写生
3 夏目漱石が良寛の詩と書に見たもの
漱石が良寛に送った賛辞
近代書道の変容と漱石の批判
「守拙」の実践としての良寛の創作
漱石が見た「大愚」の真価
第一章?????良寛の生い立ちと教育
1 良寛を生み育てた時と場
幕府直轄地としての出雲崎
橘屋山本家の名主職と幕府の行政
生家の学問と教養
幕府の治世イデオロギーの破綻
2 良寛の学問の始まり??寺子屋教育の普及と良寛
なぜ良寛は地蔵堂で教育を受けたのか
江戸後期の手習塾の実用的教育法
読み書きと表裏一体の道徳教育
3 良寛の本格的な学問??古文辞学の習得
古文辞学と漢詩
禅僧大舟??古文辞学と禅仏教の接近
大森子陽の江戸での学問
子陽の地蔵堂帰郷とその後
良寛が三峰館で受けた高等教育
体制的儒教と古文辞学の違い
朱子学への批判としての古文辞学
切磋琢磨??良寛詩に示される古文辞学の成果
孔子の「正名」と徂徠の「弁名」と良寛の「戒語」
第二章?????失踪、放浪、出家??良寛の疾風怒濤時代
1 失踪と出家??良寛の転身
良寛の「欠落」と放浪
良寛の禅僧としての出家
2 経世の学としての古文辞学と良寛の人生の選択肢
実学としての古文辞学
徂徠の「旅宿の境界」
旅宿の境界解消への抜本策(一)??土に付く
抜本策(二)??礼法制度
3 良寛の生家失踪と出家の原因
一八歳の良寛が見た橘屋山本家の現状
出雲崎名主職を継ぐことを拒絶した現実的な理由
良寛が禅 ほか
商品詳細
- シリーズ名
- 人と文化の探究 18
- 出版社名
- ミネルヴァ書房
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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