日本近代文学における「語り」と「語法」
発売日:2023年3月
- ページ数
- 448p
- ISBN
- 978-4-7576-1062-0
- 著者情報
- 揚妻 祐樹(アゲツマ ユウキ)
1962年、宮城県出身。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得中退。博士(文学)。藤女子大学教授
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商品説明
明治20年代以降の文章を、文章の動態である“語り”と静態である“語法”との両面から論じる。文章を論じる際には、社会的に行われている文章と、個々人が創造する文章とを分けて考察をするのが普通の考えであった。和文体、漢文訓読体などは社会的な文章のスタイルであり、二葉亭四迷、尾崎紅葉などの文体は個人の文体であると見なされるのである。しかしこのように考えてしまうと、明治20年代以降の「表現苦時代」(坪内逍遙)の中で、書き手たちが表現の何に苦慮し、その成果を後進の書き手が受け継ぎ、新たな文体を確立してきたか、見えなくなる。E.コセリウの考える通り、言語の使い手は同時に言語の創造者でもあると考えてこそ、この問題はクリアできると考える。
明治20年代以降の文章を、文章の動態である〈語り〉と 静態である〈語法〉との両面から論じる。二葉亭四迷や尾崎紅葉などの小説家たちが如何なる表現世界を切り開き、言語の創造者となったのかを考察。
目次
序 章 研究の観点と全体の概要
I 言語論としての文章論
II 「語り」と「語法」
III 本書の概要
第1編 文章とは何かについて、及び本書の研究対象と研究方法
第1章 文章論序説(一)
―言語表現における「成り下がり」について―
I はじめに―なぜ、時枝批判なのか?―
II 「成り下がる」ということ
III 〈言語表出―素材〉の可変性と文法カテゴリー
IV 時枝誠記の言語理論とフッサール現象学
V 結び
第2章 文章論序説(二)
―文化としての言語(コセリウに寄せて)―
I はじめに―言語表出論、言語習得、そして「文化」―
II 言語における伝統・文化
III 結び
第3章 文章論序説(三)
―本書の言語観・研究対象・研究方針―
I 本書における言語観・研究対象・研究方針
II 先行研究の紹介と批判
第4章 序論補説 「語り」と文法
―文章研究のために―
I はじめに―「語り」から文法を見ること―
II 三人称の「語り」と文法
III 結び
第2編 尾崎紅葉の語りと語法
第5章 尾崎紅葉の文章観
―〈隠形〉と〈顕形〉の狭間で―
I 尾崎紅葉の文体の彷徨
II 「読者評判記」と『二人比丘尼色懺悔』
III 写実主義と地の文・会話文
IV 地の文における紅葉の彷徨
V 結びと残された課題
第6章 尾崎紅葉『多情多恨』の語りと語法(一)
―語りの性格―
I はじめに
II 語り手とリズム
III 『多情多恨』
IV 結び
第7章 尾崎紅葉『多情多恨』の語りと語法(二)
―ノデアルの文体―
I 本章の目的
II 田山花袋の紅葉批判と『蒲団』
III ノダ類について
IV 『多情多恨』および『蒲団』におけるノデアル
V 結び
第8章 肉声の語り
―尾崎紅葉『伽羅枕』における「地」「心話」「発話」の処理―
I はじめに
II 『伽羅枕』における「地」「心話」「発話」の処理
III ほか
商品詳細
- シリーズ名
- 研究叢書 556
- 出版社名
- 和泉書院
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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