真理の語り手 アーレントとウクライナ戦争
発売日:2022年12月
- ページ数
- 208,45p
- ISBN
- 978-4-560-09475-4
- 著者情報
- 重田 園江(オモダ ソノエ)
1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史
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商品説明
ねじ曲げられる「事実」、心地よい「虚偽」…。「ポスト・トゥルース」、そして全体主義の時代の基底へ。
全体主義の時代の基底へ
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、戦争が始まった。
戦争が始まってから、大量の情報が流れてくる。プーチンの思惑やゼレンスキーの戦略、東西の軍事的分析がその中心にある。
戦争を受けて書き下ろされた本書が注目するのは、『全体主義の起源』を書き、ナチスドイツとソ連の体制の〈嘘〉を暴いたハンナ・アーレントである。
というのも、ブチャの虐殺はじめ、多くの「事実」が〈嘘〉によって歪められているからだ。
こうした事態はいまに始まったことではない。むしろ全体主義体制の本性といえるかもしれない。欺瞞や虚偽は心地よい。圧制下の人々は不意打ちしてくる飾りのない真実より、心地よい嘘を好むのだ。
そして、この戦争をアーレントと同じ眼差しで眺めているのがウクライナの映画監督セルゲイ・ロズニツァだ。彼による『バビ・ヤール』が本書の拠り所になっている。キーウ近郊のバビ・ヤールは「銃殺によるホロコースト」が行われた痛ましい場所だ。
心地よい虚偽にいかに抗していくのか? 本書では、アーレント=ロズニツァに寄り添いつつ、「真理の語り手」の意味を考える。
目次
序章
一 アーレントの時代、ふたたび
二 民主主義 対 権威主義
I アーレントと真理の在りか
第一章 政治が嘘をつくとき
一 陰謀論とでたらめと暴力と
二 ペンタゴン・ペーパーズとロシアのプロパガンダ
三 政治の嘘と人命の軽視
第二章 ハンナ・アーレント?? 真理と政治
一 嘘と強弁と陰謀論の宝庫
二 ヒューム的な「人間の条件」
三 真理と世界の存続
四 「事実の真理」の居場所はどこか
五 嘘が真理を凌駕するとき
六 証拠と証言の近代史における「事実」
七 心霊術における証拠
八 歴史の一回性と真理
九 証言者たちは独りである
II 映画と政治とナショナリズム?? 知られざるロシア=ウクライナ史
第三章 バビ・ヤール:コンテクスト?? セルゲイ・ロズニツァ、映画と政治I
一 政治的映画作家、ロズニツァ
二 アイヒマン裁判と「バビ・ヤール:コンテクスト」
三 バビ・ヤール・ホロコースト・メモリアル・センター
四 ナショナリストを怒らせたもの
五 バビ・ヤールの大虐殺
六 ウクライナ民族主義と「ポグロム」
七 東欧のユダヤ人虐殺と戦後
八 スターリンの反ユダヤ主義政策とバビ・ヤール追悼
第四章 秘密警察への返答?? セルゲイ・ロズニツァ、映画と政治II
一 秘密警察とハイブリッド戦争
二 ナチス、ソ連と東欧諸国
三 謝らない国、ロシア
四 ロズニツァ映画にみる「政治における嘘」
五 暴力について
六 眠るロシア、目覚めるウクライナ
七 ロシアの目覚めはどこへ
第五章 芸術とナショナリズム?? ウクライナ映画人の選択
一 戦争が起きる。そして……
二 セルゲイ・ロズニツァのナショナリズム批判
三 アレクサンドル・ロドニャンスキー と「ロシア映画」というカテゴリー
四 デニス・イワノフとウクライナ映画の苦境
五 オレグ ・センツォフと戦闘への「コミットメント」
六 さまざ ほか
商品詳細
- 出版社名
- 白水社
- サイズ
- 20cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
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