村上春樹〈物語〉の行方 サバルタン・イグザイル・トラウマ
発売日:2022年5月
- ページ数
- 418p
- ISBN
- 978-4-8234-1123-6
- 著者情報
- 山根 由美恵(ヤマネ ユミエ)
島根県出身。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。広島大学、広島国際大学、広島女学院大学等の非常勤講師を経て、2021年10月より、山口大学教育学部講師
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商品説明
本書は、村上春樹が日本を離れ「イグザイル」(故郷離脱)を開始した時期から最新作までの村上文学の全体像および、変遷を捉えることを目的としている。現在村上は「世界文学」作家と評されることも多いが、自らを故郷離脱者と捉え模索した時期がある。この「イグザイル」意識からテクストを逆照射し、村上文学の新たな側面を提示した。また、本書では村上文学における「サバルタン」(下層・従属的・副次的存在)に着目し、村上文学の持つ批評性(とその限界)を捉えていることも特徴である。
目次
はじめに
第一部 「イグザイル」(故郷離脱)期の文学―一九八八〜一九九六
第一章 停滞と復活―「イグザイル」の彷徨い
第一節 「イグザイル」の彷徨い―「ダンス・ダンス・ダンス」
第二節 作家としての復活―「TVピープル」
第二章 「拒む女」たち―「サバルタン」への眼差し
第一節 「拒む女」の闇―「我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史―」
第二節 〈拒み〉〈破壊する〉女・イズミ―「国境の南、太陽の西」
第三章 マトロフォビア・トラウマからの回復―「サバルタン」への眼差し
第一節 妻の〈自立〉を阻む「母」―「レーダーホーゼン」「眠り」
第二節 久美子:マトロフォビアを超えて―「ねじまき鳥クロニクル」
第三節 ナツメグ・シナモン:「二次トラウマ化」「世代横断的トラウマ」からの回復―「ねじまき鳥クロニクル」1
第四章 短編「集」という〈物語〉―『レキシントンの幽霊』と「喪の仕事」
第一節 「曖昧さ」という方法―「レキシントンの幽霊」
補 本心を知ってしまう悲劇―「緑色の獣」
第二節 短編集の最底部―「沈黙」
第三節 絶対的孤独の物語―「トニー滝谷」「氷男」
第四節 「孤独からの回復」の過程―「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」
第二部 Haruki Murakami形成期の〈物語〉―一九九七〜二〇一九
第一章 〈地下鉄サリン事件〉というモチーフの可能性―「サバルタン」への眼差し1
第一節 辺見庸「ゆで卵」―「遭遇者」から見る〈サリン事件〉
第二節 村上春樹「アンダーグラウンド」―〈サリン被害者〉の発見と「喪の仕事」
第三節 重松清「さつき断景」―間接的〈サリン被害者〉の物語
第四節 馳星周「9・11倶楽部」―「第三次被害者化」(家族)の問題
第五節 川上弘美「水声」―〈サリン被害者〉というモチーフの可能性
第二章 〈物語〉の行方―Haruki Murakamiの光と影と光
第一節 生き直される「サバイバー」の生―「海辺のカフカ」
第二節 オウム脱構築の可能性/教祖像と〈家族〉の復権―「1Q84」
第三節 〈メタ・テクスト ほか
商品詳細
- シリーズ名
- ひつじ研究叢書 文学編15
- 出版社名
- ひつじ書房
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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