トナカイの大地、クジラの海の民族誌 ツンドラに生きるロシアの先住民チュクチ
発売日:2022年3月
- ページ数
- 199p
- ISBN
- 978-4-7503-5397-5
- 著者情報
- 池谷 和信(イケヤ カズノブ)
国立民族学博物館人類文明誌研究部教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。狩猟採集民や牧畜民の生態人類学・人文地理学、ビーズでみたホモ・サピエンス史、北東アジア地域およびアフリカ地域研究を専門とする。博士(理学)。北海道大学北方文化研究施設の助手時代にチュクチの研究を開始。これまでに8回、現地を訪問。現在、ツンドラへの人の適応過程に関心を持っている
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商品説明
ロシアのチュコトカという場所は、大分部がツンドラで覆われている地域である。現在、マンモスやケサイのような当時の生き物は絶滅し、存在していない。しかしながら野生トナカイに加えて家畜トナカイ、沿岸の海洋ではクジラ、セイウチ、アザラシなどの海獣類が、季節的にこの地域を回遊する。世界でもっとも海獣資源の豊かな地域の1つなのだ。先史時代の人類は、これら海獣類の回遊路や繁殖地などを見つけ、これらの動物を獲得するのに便利な海岸部に居住していたのであろう。本書は、このようなホモ・サピエンスの歴史に思いを寄せながら、ツンドラの“陸の世界”と“海の世界”に私が滞在したさいの村やキャンプでの生活の記録である。本書では、内陸のトナカイ飼育に従事するキャンプや村のあとに、ベーリング海峡の西側の海岸部に位置するチュクチの村の暮らしを紹介する。両者の経済基盤であるトナカイ牧畜や海獣狩猟をとおして、ツンドラの自然と人とのかかわり方を把握してみたい。
ロシアの北東部に暮らす極北の民チュクチの暮らしを紹介する、本邦初の書。ツンドラの“陸の世界”と“海の世界”に滞在したさいの村やキャンプでの生活、トナカイ牧畜や海獣狩猟の記録から、自然と人とのかかわり方、ホモ・サピエンスの歴史に思いを寄せる。
目次
はじめに――ツンドラに生きる
序論 チュクチの調査に向けて
0.1 チュコトカという地域
0.2 北方地域の生態人類学とチュクチ
0.3 研究の枠組みと現地調査の過程
第1章 日本からロシアのツンドラへ
1.1 成田空港からモスクワへ、そしてチュコトカへ
1.2 調査地の村へ
1.3 中心村落の生活
1.4 村の形成史
第2章 ツンドラの“陸の世界”――トナカイと人
2.1 トナカイキャンプへ:衣食住
2.1.1 衣食住
2.1.2 キャンプの集団構成
2.1.3 移動形態
2.1.4 トナカイの管理技術
2.2 農場経営からみたトナカイ牧畜
2.2.1 トナカイ頭数の変化と経営戦略
2.2.2 トナカイ牧畜の国家管理と牧夫の給料
2.3 放牧テリトリーの変化とチュクチの主体的対応
2.3.1 放牧地の再編(1968〜1997年)とその要因
2.3.2 ブリガーダ構成員の増加:ブリガーダNo.9の事例
2.4 ソビエト崩壊後のチュクチのトナカイ牧畜
2.5 村からペベックに戻る
第3章 トナカイの民のエスノヒストリー――世界最大規模の家畜飼育者の変容
3.1 1900年ごろの“トナカイチュクチ”の地域集団
3.2 チュクチの毛皮交易
3.3 アメリカ人と“トナカイチュクチ”の交易:チャウン地区の事例
3.4 20世紀前半におけるアメリカ人とチュクチとの交易
3.5 20世紀前半におけるチュコトカ・カムチャッカ地域
第4章 変わりつつあるトナカイの村
4.1 近年の政治経済の動向
4.2 チュコトカ自治管区におけるトナカイ牧畜の変化(1927〜2001年)
4.3 チュコトカ自治管区内の地区別の変化
4.3.1 トナカイ飼育頭数
4.3.2 経営体の形成と解体
4.4 ほか
商品詳細
- 出版社名
- 明石書店
- サイズ
- 22cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
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