中東体制の生態学 集権的中東と分権的日本
発売日:2022年3月
- ページ数
- 283p
- ISBN
- 978-4-532-17719-5
- 著者情報
- 立花 亨(タチバナ トオル)
拓殖大学政経学部教授。1981年慶應義塾大学法学部卒業、同年中東経済研究所に入所。2004〜13年日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究理事、04年拓殖大学政経学部助教授、05年より現職
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商品説明
なぜ中東に民主主義が根づかないのか。なぜ日本の権力者は決断できないのか。先史時代にさかのぼる比較によって中東と日本の権力構造の違いを浮き彫りにし、それを支える「古層」的な思考枠組みを大胆に提示する比較文明論。環境と人間の相互作用から権力構造を解明。
中東はなぜ民主主義体制が構築されないのか。中東は、(1)オリエント集権体制の遺産、(2)戦略的重要性・石油資源→集権(強大な軍)体制の必要性→そうした体制に絡む既得権の存在、(3)能力主義の困難といったメカニズムになっており、かつてのオスマン朝のような高度集権的な体制で開放的人材登用でもしなければ現状の打破は難しい。
日本では、このように民主的とはいえない政権が多い現在の中東の状況を、イスラームによって説明しがちだが、それは実は無理筋。他の伝統的な一神教と比較してみても、イスラームの教義自体が民主主義の否定で取り立てて突出しているわけではなく、初期のイスラーム共同体には合議によって指導者を選出した例も存在していた。
現代の中東を理解するに当たっても、イスラーム化以前の中東をも視野に、同様の条件下の他の地域との比較という視点が必要なのではないか。そしてそうした視座を採用したとき、イスラーム自体もまた、古代以降に蓄積された中東の歴史の産物と捉えることができるのではないか。本書は、そうした問題意識によって中東社会のメカニズムを日本と比較して明らかにしようという試みである。
目次
はじめに 中東、イスラーム、環境、人間
I 大仏像爆破と廃仏毀釈、聖像破壊
1.文化財の破壊はイスラームの要請なのか
2.廃仏毀釈と聖像破壊
3.フランス革命後の蛮行
4.平等と同害報復 ――環境適応への営為として
II 沙漠が一神教を生み出したのか 環境と人間行動
1.出発点としての和辻風土論
2.沙漠と一神教
3.異なる社会の相剋
III 集権的権力と分権的権力 その自然・社会環境的起源
1.東洋・西洋二分法史観と梅棹忠夫
2.生態史観とは何か
3.本書の視点――生態史観からみた中東と日本
IV 気候の寒冷化と古代国家の成立
1.古代の気候変動と中東・日本
2.都市国家の起源
3.シュメール都市国家――土地の制約と帝国化
4.エジプト初期王朝――ナイルとサハラと
5.古代日本――ムラからクニへ
V オリエント集権体制の形成
1.権力は環境適応の繰り返しから形成される
2.古代オリエントの統一――アッシリア帝国
3.富に支えられた帝国支配――ハカーマニシュ朝
4.高度中央集権的枠組みとその限界――サーサーン朝
5.ゾロアスター教の国教化とマーニー教、キリスト教
6.国教ゾロアスター教の制約――階級制度と最近親婚
7.イスラーム勢力の勃興とサーサーン朝
VI オリエント集権体制の完成
1.イスラーム帝国の誕生
2.正統カリフ時代とその終焉
3.ウマイヤ朝の成立とムアーウィヤ、アブドゥルマリク
4.アッバース朝――文化的隆盛と形骸化するカリフの権力
5.オスマン朝――組織の大帝国とその衰退
VII 中東の集権体制は変化するか 分権的日本との比較において
1.集権的中東と分権的日本
2.中東集権体制変化の条件
商品詳細
- 出版社名
- 日経BP日本経済新聞出版本部
- サイズ
- 20cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
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