占領期ラジオ放送と「マイクの開放」 支配を生む声、人間を生む肉声
発売日:2022年2月
- ページ数
- 506,25p
- ISBN
- 978-4-7664-2802-5
- 著者情報
- 太田 奈名子(オオタ ナナコ)
1989年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、メディア史、批判的談話研究。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、東洋大学・東京大学非常勤講師
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商品説明
玉音放送から街頭録音へ―。「人間宣言」をしたのは誰だったのか?GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。
「人間宣言」をしたのは誰だったのか?
GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。
大本営発表を放送しつづけていたラジオは、敗戦後、連合国の占領下におかれてからは民衆の声を流しはじめた。日本の放送史ではこれを「マイクの開放」といい、戦後に達成された「思想・言論の自由」の結実だと評価している。
ところが、この「マイクの開放」が、誰に対してなされ、民衆が実際に何を語っていたかはこれまで明らかにされてこなかった。
本書は、NHKの未公刊一次資料やGHQ文書を用いながら、批判的談話研究(CDS)の枠組みに依拠して、占領期のラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』における民衆の声の分析を行い、「マイクの開放」の内実を検証する。ラジオからの声を、GHQによる支配構造を強化するために発信される〈声〉と、占領下を生きる民衆間の共鳴を喚起した〈肉声〉として捉えなおすことで、アメリカの占領政策、天皇の戦争責任、戦後日本の民主化を再考する。
目次
はじめに
1 支配のなかで共鳴を生むラジオ――本書の問題意識
2 「マイクの開放」を問い、〈声〉に〈肉声〉を聴く――本書の目
的と分析視点
3 声をことばから探究する――本書の理論的・方法論的枠組み
4 占領期ラジオ放送がもつ可能性――本書の特色
5 時を超え流れだす数多の声――本書の構成
第一部 マイクに拾われた声を聴きなおす
第一章 占領期ラジオ放送の批判的談話研究──理論と方法
1 ラジオに関する先行研究
2 批判的談話研究(CDS)とは何か
3 ディスコースの歴史的アプローチ(DHA)とは何か
4 支配の〈声〉に抗う〈肉声〉を聴くために
第二章 「マイクの開放」からみるラジオ史──本放送開始から占領開始まで(1925〜1945年)
1 いきものへの「マイクの開放」
2 ラジオドラマへの「マイクの開放」
3 臣民への「マイクの開放」
4 天皇への「マイクの開放」
5 占領下の「マイクの開放」
6 CIEと情報番組
7 日本人意識変革のためのキャンペーン
8 ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムと民衆の声
9 CIEとPPBによる指導・統制
10 戦後ラジオ放送への戸惑いと非難
第二部 支配を生む〈声〉
第三章 「真実」が進軍を始める〈声〉――『真相はこうだ』(1945年12月)
1 『真相はこうだ』とは何か
2 分析手法と、分析する放送内容
3 太郎と文筆家の役割
4 太郎と文筆家の関係性
5 聴取者の位置付け
6 太平洋戦争史観の提示
7 日本占領をめぐるメッセージ
8 占領初期における「真相」・「真実」の意味
9 聴取者の反応
ほか
商品詳細
- 出版社名
- 慶應義塾大学出版会
- サイズ
- 22cm
- フォーマット
- 単行本
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