野生の文法(グラマー) ソロー、ミューア、スナイダー

高橋勤/著

発売日:2021年10月

  • 野生の文法(グラマー) ソロー、ミューア、スナイダー
  • 野生の文法(グラマー) ソロー、ミューア、スナイダー
ページ数
209,4p
ISBN
978-4-7985-0318-9
著者情報
高橋 勤(タカハシ ツトム)
1958年福岡県生まれ。ペンシルヴァニア州立大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。九州大学大学院言語文化研究院教授。アメリカ文学、環境文学専攻

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商品説明

なぜ現代に野生が必要なのか。『森の生活』の隠遁者ヘンリー・ソローが追究した「野生」の思想とは何か。アメリカ文学における野生の想像力の水脈をたどり、環境活動家ジョン・ミューア、現代詩人ゲーリー・スナイダーに与えた影響を考察する。第12回九州大学出版会・学術図書刊行助成対象作。

「野生のなかにこそ世界を保存する力がある」

ソローの野生論「ウォーキング」のもっとも知られた一節である。ソローの野生論は、野生という概念を中心として文化の活力と健全性、そして人間の全き成長について論じたものであった。従来、自然詩人、シンプルライフの実践家とみなされたソローを「野生」という鍵概念に注目して読み直し、さらに環境活動家ジョン・ミューア、現代詩人ゲーリー・スナイダーに与えた影響を考察する。

「わたくしが関心を抱くのは、思想(グラマー)としての「野生」の問題であり、その系譜学である。別の言い方をすれば、ソローは「野生」という概念のなかになにを見出し、どのような意味を読みこもうとしたのか。その思想の発端は何であったのか。またそれを生きた哲学としてどのように統合しようとしたのか。本書が追求するのは、そうした問いへの回答である」(本書「はしがき」より)

目次

はしがき
 凡例

第一章 野生の系譜学

 一 「ウォーキング」の成立過程
  言葉の再定義/思想の形成
 二 思想の水脈
  「プロト・ウォーキング」/ニューヨーク体験/ハーヴァード・エッセイ
 三 影響の不安
  エマソンの亜流/身体という「果実」
 四 野生論の意義
  病の思想/リメディアルな作用

第二章 野生児の帝国 ──「ウォーキング」再読

 一 オオカミ少年少女
  野生の寓話/文化のピラミッド/三つの側面
 二 アメリカ文化論
  詩人のペルソナ/「明白な天命」/ミシシッピのパノラマ
 三 黄褐色の文法
  反知性主義/実践思想
 四 文学における野生
  自然を表現する文学

第三章 背後の自然 ──『ウォールデン』

 一 ウォールデンの森に木はあるのか
  オルコットの絵/風景の記述
 二 <背後の自然>とはなにか
  野生論への傾斜/フロンティアの意味合い
 三 『ウォールデン』における野生願望
  野生化する家具
 四 セルフ・カルチャーの再定義
  根をもつということ/アンタイオスの寓話
 五 文化のプロセス
  文字から音へ/ふたつの方向性

第四章 詩人としての先住民 ──『コンコード川とメリマック川の一週間』

 一 野外の文学
  「青天井」的性質/庭のイメージ
 二 「野生」の同義語
  思想化のプロセス/ワイルドの同義語
 三 先住民をめぐる想像力
  ビラリカ幻想/「アメリカのマンチェスター」/インディアン捕囚記/頭皮狩りの詩学
 四 古典文学論
  文学における先住民性/「ホメロス、オシアン、チョーサー」

第五章 神話の森へ ──『メインの森』

 一 作品の亀裂
  野生のフ ほか

商品詳細

出版社名
九州大学出版会
サイズ
22cm
フォーマット
単行本

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