ゲンさんとソウさん

松下隆一/著

発売日:2021年1月

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ページ数
233p
ISBN
978-4-902055-40-5
著者情報
松下 隆一(マツシタ リュウイチ)
1964年兵庫県生まれ。作家、脚本家。第10回日本シナリオ大賞佳作入選の作品『二人ノ世界』が永瀬正敏主演で同名映画化。著書に第一回京都文学賞受賞作『羅城門に啼く』(新潮社)など

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商品説明

江戸の片隅。捨て子のゲンさんは生きる意味すら知らない物乞い。御家人だったソウさんは視力を失ったことで妻娘と離別、過去を捨てた按摩。二人は掌に画を描き合うことで心を通わせていく暮らしの中、赤ん坊を拾う。一心にその娘を育てる日々の中で見出した希望の光とその行方…。第一回京都文学賞受賞後書下し第一作!

第1回京都文学賞受賞作家の受賞後書き下ろし第一作! 

音のない世界で生きる男と、光のない世界で生きる男。人生を失くした二人が、ある日赤ん坊を拾い、一心に育てあげる暮らしの中でみつけた生きる歓び。
心の聲と灯が、人間存在の深淵を照らす感動作! 涙がとまらない。

<あらすじ>
江戸の下町。生まれつき耳が聴こえず、口もきけないゲンゾウと、眼の見えないソウイチロウはある日出会った。
音を知らず、言葉も知らない、捨て子のゲンゾウは、生きる意味さえ知らず、もの心がついた頃から物乞いをして生きてきた男。ソウイチロウは、元は御家人だったものの、視力を失ったことから妻娘と離別。過去を捨て、按摩を生業とする男。
川で溺れかかったソウさんは命を救ってくれた住む家もないゲンさんを小屋に招き入れ、共に暮らすことを思い立つ。互いの気持ちを掌に画を描き合うことで伝え、心を通わせる日々の中、二人は思いもかけずに赤ん坊を拾う。その子を胸に抱くと、これまで感じたことのない奇妙な力がじりじりと身内から湧いてくるのを覚えるのだった。
そして、生きる歓びを分かち合いながら一心に娘を育てるゲンさんとソウさんだったが・・。

<本文より>
互いに枯れ枝のような手をしっかりと結んで、二人は人混みの中を歩きだした。周りを行き交う人々はゲンさんとソウさんに次々にぶつかり、時に罵って過ぎていく。だがそんなことは気にも留めない。ゲンさんはソウさんの眼となり、ソウさんはゲンさんの耳となったいた。握り合った手が離れれば、はぐれて一生会うことができないかもしれない。二人はしっかりとつないで、覚束ない足取りで歩いて行った。
青空が眼に沁みる。その深い青さを見てゲンさんは「きっと大丈夫だ」と思った。お天道様とソウさんさえいれば生きていけると、それだけを確信した。

商品詳細

出版社名
薫風社
サイズ
20cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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