明治元訳聖書成立攷

吉野政治/著

発売日:2020年10月

  • 明治元訳聖書成立攷
  • 明治元訳聖書成立攷
ページ数
566p
ISBN
978-4-7576-0975-4
著者情報
吉野 政治(ヨシノ マサハル)
1949年福岡県に生まれる。1975年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、同志社女子大学名誉教授。一般財団法人新村出記念財団理事、博士(文学)

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商品説明

「全く国文の修養をおこたれる十数年前においてよくもかかる雅致の文をなししか」と上田敏を驚嘆させた明治の文語訳聖書(元訳)の訳文は、原文に忠実な訳を目指す力と聖典に相応しい文体を目指す力とが調和した名訳である。本書は、文語訳は漢訳の書き下し文にすぎないとする通説を否定し、独自の和漢混交文体に外国語の翻訳によって生まれた表現などを取り込んだ、新しい文体によって書かれたものであることを明らかにする。

明治期の委員会訳聖書(元訳)は聖典の翻訳であるとともに西洋文学の紹介という側面を持っていた。「雅ともつかず俗ともつかず、一種特異の文章」で紹介された聖書の内容は日本文学に大きな影響を与え、その文章は近代的文体の基となった。聖書の日本語訳で今も輝きを放っているのは文語訳であり、聖句は文語の形で日本語の中に生きている。本書は明治の文語訳聖書がどのように成立したかを具体的な分析を通して明らかにする。

目次

凡例
まえがき

前篇 訳文の研究
序 章 ヘボン訳福音書の成立
Iヘボンの翻訳法
1ヘボン訳福音書の成立
2通説への疑問
3ヘボン訳の具体的検討
【ヘボン訳福音書に見える漢語(字音語)一覧】
II訳語と文体の特徴
はじめに
1ヘボン訳福音書全体に特徴的な語・語形・語法
a過去の助動詞「き」の連体形「し」による文の終止
b音便形
c接続詞(論理的関係を示す)
d形容詞連体形の名詞用法
2その他の注目しておきたい語
2―1 奥野の使用語と思われる訳語
aキリシト
bサタナ
2―2 ヘボンの考えによると思われる訳語
aクチアヒ(接吻)
b契約
3新文体の萌芽
 a抽象名詞を擬人化したもの
b「……するところの〜」
まとめ
III 時刻名の改訂
   1原典・英訳・漢訳の時刻表示
2ヘボン以前の和訳聖書における時刻名
3ヘボン訳の時刻名
a『馬可傳』(1872刊)の時刻名
b『約翰傳』(1872刊)の時刻名
c『馬太傳』(1873刊)の時刻名
d『路加傳』(1875刊)の時刻名
4ヘボン訳その後
a明治元訳(委員会訳)の時刻名
b原典主義の時刻訳
おわりに
第一章 委員会訳新約全書の成立
I翻訳委員会での議論
1テキストの問題
2翻訳文体の問題
II 委員会訳福音書とヘボン訳
1委員会訳福音書の刊行
2ヘボン訳と委員会訳との関係
3森岡説への疑問
4委員会訳と漢訳聖書との関係
5委員会訳とヘボン訳との対照
マルコ伝/マタイ伝/ルカ伝
III福音書以外の書の翻訳法
1明治九年(一八七六)刊「希伯来書」(ヘボン)
2明治十年(一八七七)刊「使徒行傳」(ブラウン)
3明治十年(一八七七)刊「約翰書第一書」(グリーン)
第二章 委員会訳旧約全書の成立
I 『旧約全書』刊行までの経緯
1フルベッキの講演
2日本翻訳委員の参加の経緯
3分冊の刊行
4日本翻訳委員の関わり方
II 外国人による草稿の特徴
A「旧約聖書創世記第一

商品詳細

シリーズ名
研究叢書 528
出版社名
和泉書院
サイズ
22cm
フォーマット
単行本

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