電波システム工学

  • 電波システム工学
  • 電波システム工学
ページ数
213p
ISBN
978-4-339-01875-2
著者情報
唐沢 好男(カラサワ ヨシオ)
1977年京都大学大学院工学研究科修士課程修了(電子工学専攻)。博士(工学)(京都大学)。現在、電気通信大学名誉教授

藤井 威生(フジイ タケオ)
2002年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了(電気工学専攻)。博士(工学)(慶應義塾大学)。現在、電気通信大学教授

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商品説明

基礎編では電波伝搬やアレーアンテナ技術を中心に、応用編では電波の役割が現代に生き未来に続く主な六つのシステム技術をまとめている。技術の変遷がめまぐるしい分野にあっても時代に左右されない内容・根幹に横たわる不易の技術を丁寧に解説。

火星基地局と通信をしたい、無線にしますか?有線(光ファイバー)にしますか?という質問にどう答えますか。 “火星と地球を光ファイバーで結ぶことはできっこないのだから有線は無理、無線しかない” という答えは横に置いておいて、もし、物理的にそれができたら、ということで。光ファイバーが低損失(1kmで数%の損失)で、きわめて優れた伝送媒体であることは良く知られている。それが火星まで引けるのなら、可能性もあると思うだろう。

ここにA地点とB地点を結ぶ回線があり、A地点から送った信号は受信点Bで1/1000の電力になるとする。その距離を2倍にして、受信強度を同じにしたいなら、送信電力をどれだけ増やせばよいか。ファイバーは1000倍にしなければいけないのに、無線(電波)は4倍ですむ(フリスの伝達公式)。さらにその2倍の距離にすると・・・。このようにして火星まで結ぶには、光ファイバーであれば、とんでもない数値になり、それゆえ、弱くなった信号を増幅する装置が一定間隔で膨大な数必要になるのに対し、電波の減衰はそれほどでもない。

これは、伝搬メカニズムの違いである。光ファイバー通信路は距離dに対して、10^-αd (α: 媒質に依存する減衰係数)のように、指数関数的に減衰するのに対して、電波ではd^-2で、すなわち、距離の2乗に反比例して減衰する。無限の彼方に情報を伝送するには、すなわち、冒頭の質問の答えとしては、電波が適している(=電波しかない)ということになる。このように、電波は宇宙の果てまでもメッセージを届ける力を持っている。宇宙のどこかに知的生命体がいるなら、そのメッセージを受け取ることができる。電波のチカラである。映画「コンタクト(Contact)」の世界が、まったく荒唐無稽(SF)とも言い切れない。

本書はこのような電波が活躍するシステムを扱っている。基礎固めなくして、応用編に位置づけられる「電波システム」を語れない。基礎編は、レクチャーシリーズの他書で触れられることが少なかった電波伝搬やアレーアンテナ技術を中心にまとめている。応用編では、多岐にわたる電波システムを総花的に紹介することを避け、電波の役割が現代に生き未来に続く主要な六つのシステム技術に絞っている。技術の変遷がめまぐるしい分野にあっても、時代に左右されない内容・根幹に横たわる不易の技術を取り上げ、20年後(2040年代)に学ぶ学生に「この本は内容が古くて役に立たない」と言わせない、と言うのが筆者等の意気込みである。

もう一点。電磁気学を含めて電波技術の発展には、その折々に道を切り開くパイオニアがいて、彼等は総じて意思も個性も桁外れであった。その生き様に触れる意味で、テーマに関連するコラム(談話室)を随所に入れている。学生諸君に、人生はこうありたいと燃えるものを感じて欲しい願いを込めて。

目次

★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承下さい。★

1.電波システムとは
1.1 電波とは
談話室 マクスウェルとキャベンディッシュ
1.2 電波の働き
談話室 マルコーニの挑戦
1.3 無線通信 早わかり
1.4 本書で学ぶこと
本章のまとめ
理解度の確認

【第1部 基礎礎編】
2.無線伝送の基本モデル
2.1 アンテナの概要
2.2 フリスの伝達公式
2.3 通信回線の性能指標
 2.3.1 EIPPとG/T
 2.3.2 受信系における熱雑音の算定
2.4 伝搬モード
2.5 基本伝搬モデル
 2.5.1 直接波伝搬とフレネルゾーン
 2.5.2 大気ガスによる吸収
 2.5.3 平面大地の2波モデル伝搬
 2.5.4 粗面散乱:コヒーレント成分とインコヒーレント成分
 2.5.5 降雨中の電波伝搬
本章のまとめ
理解度の確認

3.マルチパス伝搬
3.1 移動通信の伝搬構造
3.2 レイリーフェージング
 3.2.1 振幅?位相変動とその確率分布
 3.2.2 遅延プロファイルと周波数相関特性
談話室 学校の運動会とワイヤレス通信
 3.2.3 到来角度プロファイルと空間相関特性
 3.2.4 ドップラースペクトル
3.3 仲上・ライスフェージング
 3.3.1 仲上・ライスフェージング環境
 3.3.2 振幅変動とその確率分布
本章のまとめ
理解度の確認

4.アレー信号処理
4.1 アレーアンテナとその働き
4.2 スペースダイバーシチ
 4.2.1 ダイバーシチの分類
 4.2.2 ダイバーシチ合成によるSN比の向上
 4.2.3 最大比合成
 4.2.4 送信ダイバーシチ
談話室 伝言ゲーム
4.3 アダプティブアレー
 4.3.1 構成と機能
 4.3.2 MMSE規範と最適化アルゴリズム
本章のまとめ
理解度の確認

5.MIMO伝送技術
5.1 MIMOとは
5.2 MIMOの

商品詳細

シリーズ名
電子情報通信レクチャーシリーズ D-15
出版社名
コロナ社
サイズ
26cm
フォーマット
単行本

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