ナチス機関誌「女性展望」を読む 女性表象、日常生活、戦時動員
発売日:2020年9月
- ページ数
- 428p
- ISBN
- 978-4-7872-2090-5
- 著者情報
- 桑原 ヒサ子(クワハラ ヒサコ)
1953年、東京都生まれ。学習院大学大学院博士課程修了、敬和学園大学人文学部教授。専攻はドイツ文学、ドイツ現代文化
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商品説明
「女性展望」は、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力なプロパガンダメディアだった。戦後ドイツの記憶から消し去られたナチス機関誌を掘り起こし、ナチス政権下に生きた女性たちの実像に迫る。
1932年から敗戦直前まで発行されたナチスの機関誌「女性展望」は合計282号を数え、最盛期には140万部を記録した。それは、ナチ女性団が編集・発行した女性向けプロパガンダ雑誌として、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力メディアのひとつだった。
誌面では、ヒトラーの指導者像を形作り、敵と味方のイメージを色濃く描き分け、女性を戦時奉仕活動へと動員するための表象を次々に打ち出していった。一方では、性別役割分業と良妻賢母思想を宣伝し、戦時下の窮乏生活を乗り切るための調理方法や物資の倹約法、娯楽を提供する連載小説などを掲載した。
さらに、ナチ女性団と、権力掌握後にナチ化を受け入れたドイツ女性事業団の活動記事からは、彼女たちが母性主義を逆手に取って、家庭に収まることなく女性の社会的地位向上を目指して大規模な社会活動を展開したことを明らかにして、これまでのナチ女性のイメージを覆す。
本書は、官製女性雑誌のために戦後ドイツの記憶から消し去られた「女性展望」を掘り起こし、ナチス支配下に生きた女性たちの全体像を解明する初の研究成果である。300点の貴重な図版を所収する。
※お届け日が変更になりました
9月下旬→10月上旬
目次
はじめに
第1部 「女性展望」が描く女性像と日常生活
第1章 表紙から明らかになるジェンダーとその揺らぎ
1 「女性展望」の表紙と人物像
2 男性表象
3 女性表象
第2章 多様な母親表象とナチ女性団の「民族の母」という概念
1 「聖母マリア」と「地母神」
2 農婦の母と民族、民族上のドイツ人
3 息子を戦場に送り出す母、心配する母、嘆きの母――聖母マリアの運命を背負う農村の母、労働者の母
4 ナチ女性団・ドイツ女性事業団の活動
第3章 連載小説とその作家たち
1 ナチ指導部の文学政策と女性雑誌
2 「女性展望」に掲載された連載小説
第4章 ファッションと料理のページから再構成する第二次世界大戦下の暮らし
1 ファッションと料理のページとその役割
2 節約記事の年度別分布
3 戦時下の暮らし
第5章 広告が描き出す日常生活と女性
1 誌面のなかの広告と広告割合の変遷
2 時期ごとにみられる広告の特徴
第6章 広告ページに掲載された生徒・学生募集広告が伝える女子教育機関――女子寄宿学校、家政学校、女子農業学校、社会教育・福祉学校、語学学校、単科大学、工業学校、看護学校
1 広告ページのなかの生徒・学生募集広告
2 各種教育機関
第2部 イメージ表象と女性の戦時動員
第7章 「女性展望」が伝える味方と敵の表象
1 味方と敵に関わる記事の分布
2 味方の表象
3 敵の表象1
4 敵の表象2
第8章 「女性展望」が伝えるヒトラー像
1 ヒトラー像の構成手段とその分布の特徴
2 ヒトラー像
第9章 ドイツ人女性の戦時活動――銃後から前線まで
1 銃後の構築――戦前に成立した巨大ネットワーク
2 制度的に戦争に組み込まれる母性――人口戦
3 ほか
商品詳細
- 出版社名
- 青弓社
- サイズ
- 21cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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