環状島=トラウマの地政学 新装版
発売日:2018年7月
- ISBN
- 978-4-622-08738-0
- 著者情報
- 宮地 尚子(ミヤジ ナオコ)
一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻・教授。精神科医師。医学博士。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。1989年から1992年、ハーバード大学医学部社会医学教室および法学部人権講座に客員研究員として留学。1993年より近畿大学医学部衛生学教室勤務を経て、2001年より現職。専門は文化精神医学、医療人類学、ジェンダーとセクシュアリティ
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商品説明
著者は「環状島」をモデルに、加害者も含め、トラウマをめぐる関係者のポジショナリティとその力動を体系的に描いた。“内海”“外海”“斜面”“尾根”“水位”“風”などの用語を駆使しながら、トラウマをめぐる全体像とあるべき方向性をしめした初めての試みである。クライアントと日々を共にする医師であり、マイノリティ問題にかかわる研究者である著者自身に必至の課題であった。トラウマに関与するすべての人にとって、本書は実践と倫理のための道標になるだろう。
戦争から児童虐待にいたるまで、トラウマをもたらす出来事はたえまなく起きている。「言葉では表現しようのない」この出来事は、それでも言語化されていった。しかし、言葉にならないはずのトラウマを伝達可能な言語にするという矛盾は、発話者をも聞く者をも揺るがせる。「なぜあなたが(もしくはこの私が)その問題について語ることができるのか」「もっと悲惨な思いをした人はたくさんいるのではないか」にはじまる問いは限りなく、お互いの感情を揺さぶり、自身を責めさいなむ。
「だからここで考えてみたい。トラウマについて語る声が、公的空間においてどのように立ち現れ、どのように扱われるのか。被害当事者、支援者、代弁者、家族や遺族、専門家、研究者、傍観者などはそれぞれどのような位置にあり、どのような関係にあるのか」
前著『トラウマの医療人類学』を継ぐ本書で、著者は「環状島」をモデルに、加害者も含め、トラウマをめぐる関係者のポジショナリティとその力動を体系的に描いた。〈内海〉〈外海〉〈斜面〉〈尾根〉〈水位〉〈風〉などの用語を駆使しながら、トラウマをめぐる全体像とあるべき方向性をしめした初めての試みである。関係者のみならず、クライアントと日々を共にする医師であり、マイノリティ問題にかかわる研究者である著者自身にとっても、本書は実践と倫理のための道標になるだろう。
目次
1 トラウマについて語ること―環状島というモデル
2 “内海”に沈む被害者たち
3 環状島の生成過程―セクシュアル・ハラスメント裁判から1
4 複数の環状島―セクシュアル・ハラスメント裁判から2
5 複数のイシュー化と複合的アイデンティティ
6 脱アイデンティティとアイデンティフィケーション
7 ポジショナリティの問いかけ
8 加害者はどこにいるのか
9 研究者の位置と当事者研究
10 環状島と知の役割
商品詳細
- 出版社名
- みすず書房
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
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