ぼくの兄の場合

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ISBN
978-4-560-09056-5
著者情報
ティム,ウーヴェ(ティム,ウーヴェ)(Timm,Uwe)
1940年ハンブルク生まれ。家業の毛皮製品店を継ぐべく修行をするが、父の死後、店をたたんで大学入学資格を取得。ミュンヘン大学で哲学とドイツ文学を学び、パリのソルボンヌ大学にも留学。戦後の西ドイツで民主主義教育を受けた第一世代にあたり、パリから戻った1967年以降、学生運動にも参加。1970年代から作家活動を始め、1993年の『カレーソーセージをめぐるレーナの物語』(河出書房新社)、2001年の『赤』などの作品で一躍人気作家に

松永 美穂(マツナガ ミホ)
ドイツ文学者、翻訳家。早稲田大学文学学術院文化構想学部教授。主要訳書にベルンハルト・シュリンク『朗読者』(毎日出版文化賞特別賞受賞)など

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商品説明

16歳年上の兄カール・ハインツは、ヒトラーユーゲントの教育に染まり、武装親衛隊のエリート部隊である「髑髏師団」に入隊する。ハリコフ攻防戦やクルスクの戦いにも参加するが、戦闘中に両足に重傷を負い、切断を余儀なくされ、ウクライナの野戦病院で息を引き取った。第一次世界大戦に自ら志願して従軍し、第二次世界大戦でも戦った父は、兄を誇りに思い、その死を深く悔やむ。いっぽう母は、息子が戦争犯罪に加担しなかったと固く信じながら、戦地から届いた兄の遺品を、半世紀にわたり化粧台に入れて大切に保管していた。兄より年長の姉は、娘である自分が兄ほど父に愛されなかったことを自覚しつつ、それでもやはり自分は父に愛されていたと信じようとする。兄の遺した日記や手紙を読みながら、著者は、戦争の記憶をほとんどもたない自身の半生、さらには両親や姉の人生を振り返る。ナチズムと国家による暴力、戦時下の小市民の生活について、短いテクストの集積で語りつつ、読む者に深い問いを投げかける。

兄の人生から浮かび上がる戦争と家族の物語

 ナチズムに疑いをもつことなく戦地に赴き、19歳で命を落とした兄。弟である著者が、残された日記や手紙から兄の人生を再構成しながら、「戦争」とは何か、「家族」とは何かを問いかける意欲作。
 16歳年上の兄はヒトラーユーゲントの教育に染まり、武装親衛隊の「髑髏師団」に入隊、ウクライナで戦死した。戦後民主主義の教育を受けて育った第一世代である著者は、兄の遺した日記や手紙を読みながら、戦争の記憶をほとんどもたない自身の半生、両親や姉の人生を振り返る。そしてナチズムと国家による暴力、戦時下の小市民の生活について、短いテクストの集積で語りつつ、読む者に深い問いを投げかける。
 わずかな手がかりをもとに、亡き兄の人生について考察する本書の書きぶりは、小説というよりも自伝、あるいはノンフィクションの手触りに近い。身近でありながらほとんど知ることのなかった肉親への情、戦争に向き合おうとすることの困難、葛藤が随所に表われ、日本の読者にも考えさせられるところが大きい。
 著者は1940年生まれ。2003年に出版した自伝的な本書は、ドイツにおける記憶の文化とナチスについて社会的な議論を巻き起こした。
(「近刊情報」より)

商品詳細

シリーズ名
エクス・リブリス
出版社名
白水社
対象年齢
一般
フォーマット
単行本
原題
原タイトル:Am Beispiel meines Bruders

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