精神医療 no.88(2017)「特集貧困と精神医療」

  • 精神医療 no.88(2017)「特集貧困と精神医療」
  • 精神医療 no.88(2017)「特集貧困と精神医療」
巻の著者
大塚淳子/責任編集 犬飼直子/責任編集
巻の書名
特集貧困と精神医療
ISBN
978-4-8265-0668-7

¥1,870 税込

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商品説明

21世紀の今、飢餓に苦しむ人々がいる国や地域がある一方で、相対的貧困が深刻さを増す国や地域がある。2012年の相対的貧困率は16.1%、子どもでは16.4%である。餓死や、生活のためと刑務所の入所を希望した人が起こす事件は、社会制度の不備やコミュニティの機能不全など現代社会のあり方が引き起こす貧困の結果と言える。憲法が謳う健康で文化的な最低限度の生活保障の制度は綻びが随所に隠せない。本特集では、精神医療の切り口からみる貧困、精神医療の現場で出会う人々が抱える貧困問題に絞って考えてみたい。
精神疾患を罹患し、貧困の連鎖に絡めとられる人々は、大変に苦しい生活から抜け出すことが困難な現状にある。生活保護費における医療扶助の半分を精神科入院費が占めるのは周知である。精神科病院在院患者の実態(長期化、家族との疎遠や絶縁、収入源の無さ)は貧困の問題と捉えられる。近年増えている受診者には、現代社会における構造的格差により貧困と隣り合わせ、もしくは陥っていく中で精神疾患を病む状況が窺える。彼らの多くが「サイレント・プア」と呼ばれる孤立した状況に置かれ、深刻な事態に陥りかねないことは看過できない。
公助が次第に厳しくなる中、国は「地域共生社会」の実現に向けて、《公的支援の『縦割り』から『丸ごと』への転換》《『我が事』・『丸ごと』の地域づくりを育む仕組みへの転換》を新たな政策理念として掲げて動き出している。生活困窮者自立支援法改正に向けた検討や生活保護基準の検討なども、当該の理念下で着手されている。今回の特集を通して、我々が精神医療の現場で出会い向き合う「貧困」の現状を改めて知り、排除の進行や格差の拡大阻止に向けて、どのような視点を養い、何を成すべきか、読者と共に考える機会としたい。

目次

[巻頭言]貧困と精神医療(大塚淳子)
[座談会]人間性を壊す貧困に精神医療はどう向き合うのか(雨宮処凜+森川すいめい+渡辺寛人+[司会]大塚淳子)
―健康格差―貧困と精神医療(近藤克則・亀田義人)
強要された共依存権関係―いわゆる川口老夫婦強盗殺人事件と学習性無力感(木村一優)
貧困高校生の実態知っていますか(鈴木敏則)
「貧困と精神医療」その周辺の断章(熊谷彰人)
精神疾患や精神障害のある人の貧困問題(辻本直子)
「貧困ビジネス」としての精神医療(原昌平)
[コラム+連載+書評]
[視点―49]「精神保健福祉法」を再考する(田村綾子)
[連載]異域の花咲くほとりに―4 うつ病について(2)(菊池孝)
[新連載]神経症への一視角―1 神経症から不安障害へ―疾患概念の転換に伴う偏見の意識化(1)(上野豪志)
[コラム]ソーシャルワーク実践における今そこにある息苦しさ(鶴幸一郎)
[書評]『シャーマニズムと現代文化の病理精神科臨床の現場から』久場政博著[弘文堂](森山公夫)
[紹介]『精神医療の危機―その背景と新たな道』氏家憲章編著 上野秀樹 増田一世著[やどかり出版](東修)
[投稿]認知症とその周辺と看取りについて(越智裕輝)
[編集後記](犬飼直子)

商品詳細

出版社名
批評社
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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