凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力
発売日:2017年9月
- ISBN
- 978-4-06-258663-4
- 著者情報
- 京谷 啓徳(キョウタニ ヨシノリ)
1969年、香港に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学助手を経て、九州大学大学院人文科学研究院准教授。専攻は西洋美術史。主な著書に『ボルソ・デステとスキファノイア壁画』(中央公論美術出版、第九回地中海学会ヘレンド賞/第二六回マルコ・ポーロ賞)などがある
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商品説明
古代の形に倣うように、ルネサンス期に甦る仮設建築の凱旋門。それは人市式における君主の壮麗な行列を迎える舞台として、またメッセージを伝える大道具として機能し、さらに「生きた人間による絵画」の展示を加えて、壮大な演劇的空間を作り出した。束の間の宮廷祝祭を彩った凱旋門と活人画は、その後、別々の道を歩む。国民国家の記憶装置としての凱旋門、上流社会の娯楽としての活人画、そして明治日本にも伝来し変容してゆく見世物としての歴史をたどる。
古代ローマ時代に戦勝を記念して数多く作られた凱旋門。ローマの衰退とともに姿を消した凱旋門はルネサンス期に甦り、君主入市式に際して仮設建築の形で作られた。
一方、中世の教会で行われた典礼劇に端を発する活人画はその後アルプス以北の君主入市式を飾り、ルネサンス期には凱旋門を舞台に演じられるようになった。
両者は一体となってルネサンス宮廷の一大スペクタクルとして盛り上がりをみせたが、時代が下ると近代市民社会においてそれぞれ別の道をたどることになる。活人画は上流階級の夜会の余興として引き継がれ、凱旋門はやはり戦勝記念として国威の発揚を目的に作られ続けた。
さらにそうした文化は明治期のわが国にも流れ込み、国民統合の象徴として、祝祭の装置として、人集めの見世物として、高尚と下世話あい取り混ぜて浸透することになる。
両者ともエフェメラル(束の間)の存在として、一瞬間現れては消えてゆく。それ故に人々の期待と耳目を集める効果は大きく、その制作のためには美術・演劇はもとより音楽・文学といった芸術家たちの力が要請され彼らの腕の見せ所ともなったのである。
本書では、時を超え、洋の東西をまたいでさまざまなジャンルの芸術と触れあいながら、凱旋門と活人画がスペクタクルの力をいかに発揮してきたのかをたどる。
(「近刊情報」より)
目次
第1章 ルネサンスのハリボテ凱旋門
第2章 ルネサンスの活人画
第3章 ポッセッソ―新教皇のスペクタクル
第4章 「活人画」の誕生―一八世紀後半〜一九世紀前半
第5章 大衆化する活人画―一九世紀後半
第6章 明治の凱旋門と活人画
第7章 新宿帝都座の額縁ショウへ
商品詳細
- シリーズ名
- 講談社選書メチエ 660
- 出版社名
- 講談社
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 文庫
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