殉教者

加賀乙彦/著

発売日:2016年4月

  • 殉教者
  • 殉教者
ページ数
235p
ISBN
978-4-06-219977-3
著者情報
加賀 乙彦(カガ オトヒコ)
1929年東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。67年に刊行した『フランドルの冬』が翌年、芸術選奨新人賞を受賞。73年に『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、79年には『宣告』で日本文学大賞、86年に『湿原』で大佛次郎賞、98年には自伝的長編『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。2012年に『永遠の都』の続編にあたる自伝的大河小説『雲の都』の第四部『幸福の森』、第五部『鎮魂の海』を刊行し、ついに完結、毎日出版文化賞特別賞を受賞した

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商品説明

キリシタン迫害が激化する江戸初期、大分でキリシタンの両親のもとに生まれたペトロ岐部カスイは、エルサレムを目指す。ある時は水夫として海を往き、またある時は駱駝曳きとして隊商に雇われ砂漠を踏破する。それはイエスの奇跡を実感するため、聖書ゆかりの土地を巡礼する旅であった。五年をかけて、ペトロ岐部はついにローマに辿り着き、イエズス会の司祭となる。そして、宣教のため、死の危険が待つ日本を目指し船に乗った。真の殉教者の生涯を描き、信仰の最奥に迫る壮大な物語。構想三〇年、著者のライフワーク書き下ろし小説。

1614年、2代将軍徳川秀忠がキリシタン禁教令を発布した。
キリシタンへの迫害、拷問、殺戮が頻発し、岐部は殉教者の記録を集める。
翌年、28歳の岐部はエスパニア人修道士と共に長崎から船出、40日の航海の後にマニラ港に着く。
そこで入手した地図には、双六のように、マニラを振り出しに、マカオ、マラッカ、コーチン、ゴア、
ポルトガルの要塞のあるホルムズ島、さらにペルシャ砂漠、シリア砂漠、遂にはエルサレムに到達する道筋がこまかく描かれていた。
岐部は自らの信仰を強くすることと、イエスの苦難を追体験することを思い、胸を躍らせた。

ペトロ岐部は1587年に豊後の国東半島で生まれ、熱心なキリシタンの父母の元で育つ。
13歳の時に一家は長崎に移り、岐部はセミナリオに入学を許される。
ここでラテン語を習得し、聖地エルサレムと大都ローマを訪れることを強く決意する。

次に訪れたマカオでは差別に耐えながら志を貫き、何とか旅費を工面して、
ミゲルと小西という二人の日本人とともにインドのゴアに向かう。
途中マラッカまで7500キロ、マラッカからゴアまで1万キロの航海である。

ゴアからローマに向かう船に乗る二人と別れた岐部は、水夫として働きながらホルムズ島に向い、
そこからは駱駝の隊商で働き砂漠を通ってエルサレムを目指す。

1619年、岐部はついに聖地エルサレムの地を踏む。
そこから徒歩で、イスタンブール、ベオグラード、ザグレブを経て、ヴェネツィアに。
祖国を出て5年、岐部はついにローマにたどり着いた。
海路で1万4500キロ、徒歩で2万3000キロ。
乞食のような身なりの岐部に施しをしようとした神父が、流暢なラテン語で話す岐部に驚き、イエズス会の宿泊所に案内される。
そこで岐部は、4日間にわたる試験を受け合格、イエズス会への入会を許された。

ローマとリスボンで2年間の修練を経て、帰国の許可を得た岐部は、キリシタン弾圧の荒れ狂う日本に向けて殉教の旅路についた。

信仰に生きた男の苛酷な生涯が荒廃した現代を照らす、著者渾身の書下ろし長篇小説。

商品詳細

出版社名
講談社
サイズ
20cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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