• 黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神
  • 黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神
ISBN
978-4-905342-04-5

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商品説明

黒田官兵衛の一族は各地を流浪し、住む家もない貧窮の底にあったが、家伝の目薬によって財をなし、その後の飛躍につながる土台をつくった──。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』によって、姫路市の広峯神社を舞台とする黒田家の目薬商いはすっかり有名になりましたが、これが史実かどうかについては賛否両論があります。この話をはじめ官兵衛の所伝には虚実不明の話が多いのですが、眼科医学史、金属考古学、民俗学、地名研究、系図研究など各分野の専門家が伝説の背景から、黒田官兵衛を生んだ歴史的風土とは何かを考えています。

そのひとつは、播磨国における鉄をはじめとする金属の文化です。地名研究者からは、黒田は「鉄」にかかわる地名であり、その居住地を苗字とした一族が黒田氏であるという見解が示されています。黒田氏と鉄の文化とのかかわりを検討することは、本書の柱のひとつです。

黒田家の目薬伝説を信仰という切り口からも探ってみました。
「目」の信仰は「鉄」の文化とかかわり、一つ目で足なえ(片足)の金属神が鍛冶に信仰されていました。この信仰を踏まえると、目薬伝説と官兵衛が足なえと伝わることは関係あるようにも見えます。古代の金属神である一つ目の神は中世において忘却された存在でしたが、戦国時代、金属への需要の拡大を背景として再び、信仰の対象として復活したといいます。没落していた一族の復活を記す黒田一族の目薬伝説と共通する要素があります。

黒田官兵衛の一族は各地を流浪し、住む家もない貧窮の底にあったが、家伝の目薬によって財をなし、その後の飛躍につながる土台をつくった──。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』によって、姫路市の広峯神社を舞台とする黒田家の目薬商いはすっかり有名になりましたが、これが史実かどうかについては賛否両論があります。この話をはじめ官兵衛の所伝には虚実不明の話が多いのですが、眼科医学史、金属考古学、民俗学、地名研究、系図研究など各分野の専門家が伝説の背景から、黒田官兵衛を生んだ歴史的風土とは何かを考えています。

そのひとつは、播磨国における鉄をはじめとする金属の文化です。地名研究者からは、黒田は「鉄」にかかわる地名であり、その居住地を苗字とした一族が黒田氏であるという見解が示されています。黒田氏と鉄の文化とのかかわりを検討することは、本書の柱のひとつです。

黒田家の目薬伝説を信仰という切り口からも探ってみました。
「目」の信仰は「鉄」の文化とかかわり、一つ目で足なえ(片足)の金属神が鍛冶に信仰されていました。この信仰を踏まえると、目薬伝説と官兵衛が足なえと伝わることは関係あるようにも見えます。古代の金属神である一つ目の神は中世において忘却された存在でしたが、戦国時代、金属への需要の拡大を背景として再び、信仰の対象として復活したといいます。没落していた一族の復活を記す黒田一族の目薬伝説と共通する要素があります。
官兵衛は有岡城幽閉のあと、足を傷め、歩行が不自由になったといわれていますが、これが史実かどうかもはっきりしません。武田信玄の軍師・山本勘助も官兵衛と同じく、「大河ドラマ」の主役でしたが、二人には足なえの軍師という共通点があります。死の直前のヤマトタケルも歩行不自由者です。足なえの英雄、足なえの神としての官兵衛も本書の検討対象です。

本書は8人の専門家による語り起こしの論考集です。「目」と「鉄」をキーワードとして、ふだんあまり耳にしない黒田一族にまつわる話を集めました。黒田氏をめぐる現代の説話集のようなもので、このほかの話題は以下のとおりです。

目次

■第一章 戦国時代と眼科医学 奥沢康正
なぜ、尾張は眼科医学の先進地だったのか/眼球鉄症/信仰と医療のあいだ/ヘボン博士の目薬 
[関連資料を読む]
鉄の神は眼病の神/播磨の信仰としての一つ目の神

■ 第二章 鉄の地名としての黒田 浦上宏
きわめて個人的な研究/備前黒田氏の系図に書かれた官兵衛の「兄」/地名から探る歴史的風土?鉄の国としての備前/福岡、黒田は鉄地名/刀工と一つ目の神/浦上氏と黒田氏
[関連資料を読む]
近江から備前へ/出雲の黒田は製鉄神の聖地

■第三章 兵主神社に祈った官兵衛と秀吉 芝本満
失われた中世史料/黒田庄町に伝わる系図?赤松支族としての黒田氏/兵主神社と官兵衛
[関連資料を読む] 
〈兵主〉とは鉄の古語か/〈別所〉も鉄の古語?

■第四章 一つ目の神の復活 神崎勝
九州から来た女神/戦国時代に復活した一つ目の神/山を管理する一族/『播磨国風土記』のなかの“黒田一族”
[関連資料を読む]
渡来人、金属文化、古代の豪族黒田別

■第五章 戦う鋳物師集団 芥田博司
武家商人の一族/官兵衛からの手紙に見える黒田家との交流/埼玉県で見た広峯神社奉納刀
[関連資料を読む]
黒田苗字の鋳物師、鍛冶師、金物商人

■第六章 広峯神社と一つ目の神の系譜 宝賀寿男
系図研究から見た広峯氏/黒田と赤松/豪商鴻池の系図?黒田氏の支流としての山中氏/備前国における黒田氏の系譜
[関連資料を読む] 
山中鹿介と出雲のタタラ経営者/酒の文化との接点

■第七章 鉄のフォークロア 長谷川博美
近江黒田に見える古代製鉄の残照/もうひとつの長者伝説/一つ目のカエルは一つ目の金属神とかかわるか/「黒田節」を聖なる槍の物語として読み解く/近江佐々木氏と金属文化/ヤマトタケルと官兵衛?足なえの英雄伝説として
[関連資料を読む]
佐々木と金属

■終章 鉄の一族の復活 編者
ほんとうに足なえであったのか/小説で描かれた足なえの官兵衛/秀吉の足なえ、目医者伝説/美濃赤坂の鉄鉱石をめぐる秀吉ゆかりの一族/竹中半兵衛の先祖は鉄の商人か/軍師の条件/福岡城と赤坂山?黒田一族に見える「赤」と「黒」の諸相/一文字派と一つ目の神/目薬伝説は鉄の一族の復活を示唆しているのか

■あとがきに代えての補講 目薬の村の記憶 石瀧豊美
福岡藩の目薬はキリシタンの秘伝?/目薬伝説をどう考えるべきか

商品詳細

出版社名
桃山堂
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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