初恋の中国

野崎静江/著 張立志/著

発売日:2010年6月

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ページ数
223p
ISBN
978-4-89491-198-7

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商品説明

2005年晩夏、中国ハルピンで私は日本語教師のスタートをきった。
 その日その日を無事こなそうと努力した。そして生活も授業もどうにか流れて行った。

 60歳の定年を迎えた時、人の良い校長はしきりに嘱託として学校に残ることを薦めてくれたが、大げさに言えば、私は日本の学校に失望し二度と戻りたくはなかった。
 退職後の4月は通勤の無い日々で、朝はゆっくりとお茶を飲み体を解きほぐした。
 自由だと感じた。夫は郷里鹿児島で、娘は都内で、私は一人暮らし。
 そんな時、元同僚の彼女から「中国で日本語を教える?」という誘いの電話があった。「日本語以外は話せない」と私が応えると、彼女は親切にアドバイスをしてくれた。
 私は、ほんの軽い気持ちで、友好交流とボランティアの作文を書き応募した。しかし、名古屋で行われた2週間の研修の開校式に遅刻してしまった。意識の低さが情けない。研修が終了し、元同僚の彼女は私の心を見抜いて、「もう断れないのよ」と釘をさした。
 一人だったら行かずに逃げ出していたかもしれない。一緒に赴任する同期のMと同じ学院に赴任する偶然は、今考えれば、私にとって決定的であったかも知れない。
 ハルピン飛行場に出迎えてくれたのは4年生、二人。ここから始まる驚きと交流。温かい心のふれあい。諸々の事件と学生との日々の生活。名古屋の研修で肝に銘じた言葉。背中に日の丸をしょっているこの私が日本人なのです、という自覚。何が起ころうが決して怒ることなく対処し、仲良く暮らす。生活の大半は心行くまで教材研究をする。誰に遠慮することなく思い通りに授業を展開する。学生が授業に乗るか、マンネリ化するか、それは全て自分の能力。かつて授業をこんなに楽しく展開したことがあったろうか。学生の顔で授業の質が分かり、静寂での気迫が彼らの真剣さを伝える。

 日々の生活体験や驚きの連続の中で嵌ってしまった中国だけれど、決定打は、
 「先生、この学校に残ってください」「ダメです。日本に帰らないで中国にいてください」
 と私に迫る言葉だった。

 ハルピン、青島、黄山の学生達との交流。それから日本にいる娘とのメールをつなぎ合わせ、1冊の本の形を作ったけれど気持ちはなかなか投入できない。
 初恋だから私もとらえどころがなく、言葉にならない。

目次

1 郷愁のふるさとハルピン、夢の青島
2 よちよち歩きの日本語、気長に見守ろう、継続は力かも
3 2008年9月中国・黄山の麓、屯渓で暮らす

商品詳細

出版社名
萌文社
サイズ
19cm
対象年齢
一般
フォーマット
単行本

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