良寛行に生き行に死す
発売日:2010年6月
- ページ数
- 164p
- ISBN
- 978-4-393-13641-6
- 著者情報
- 立松 和平(タテマツ ワヘイ)
1947年、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。在学中に、『自転車』で早稲田文学新人賞受賞。インド放浪などをへて、宇都宮市役所に勤務。1979年から文筆活動に専念。1980年『遠雷』で野間文芸新人賞、1993年『卵洗い』で坪田譲治文学賞、1997年『毒―風聞・田中正造』で毎日出版文化賞、2002年、歌舞伎上演台本『道元の月』で大谷竹次郎賞、2007年、『道元禅師』(上・下)で泉鏡花文学賞、親鸞賞(2008年)を受賞
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商品説明
もはや「国民的作家」と呼ぶにふさわしい作家、立松和平は、その「晩年」近く、良寛に深く傾倒した。大作『道元禅師』を書き上げて以降のことである。小説「良寛」を雑誌『大法輪』に連載しはじめたのも、その現れであった。小説は惜しくも未完のままに終わったが、立松「良寛」がどのような像を結んだのか、興味の尽きないものがある。作家にとって、エッセイは、小説では書き切れない本質的な部分を表出する、貴重な表現の場であった。「良寛」もまた例外ではない。本書において、作家の描く良寛は異彩を放つ。作家にとって、良寛は、なによりも「道の人」であった。「求道者」と言ってもいい。その修行に生きる姿は、憧憬する道元その人の姿と重なるだろう。おおらかな、ユーモアに満ちて見える良寛の姿は、じつは無心にして不器用な、一途な「求道」の姿にほかならない。道を求めて、他者のために生きる、「菩薩」の生き方をこそ、良寛は目指したのである。それは、道元が歩んだ道でもあった。良寛は、そんな「行」に生き、「行」に死んだのである。一途で不器用な「求道」、他者とともに生きる「求道」、それはまた、作家・立松和平の生き方でもあったようだ。作家は、その途上で倒れたのである。ある意味でそれは、作家にとって「男子の本懐」であっただろうと思う。本書の良寛像と重ねてみるとき、そのような思いを禁じ得ない。だがそれこそが、失われた「日本人の生き方」ではなかったか。そんなふうに、一途に不器用に、けれど、やがて成熟していく、そんなふうに、日本人は生きてきたのではなかったか。本書において、そこまで作家は声高に語ることはないが、作家が描く良寛の姿は、日本人が生きてきた、あるひとつの「理想」を示しているように思われるのである。
目次
第1部 旅の良寛(少年時代―青春の彷徨
出家―禅との出会い
修行の日々―玉島の円通寺にて
諸国遍参―父の死、そして望郷
帰郷―空庵に孤独を囲う
五合庵再び―道元思想の実践
乙子神社草庵―無心な子供たちとの感応
老境―貞心尼、現る
入寂―辞世に込められた生死)
第2部 良寛という生き方(食に平等なるがゆえに
夜、正法眼蔵を読む
迦葉の十二頭陀行
月のうさぎと自己犠牲
龍の顎の下の宝珠
臨終の一声
愚の如く
補陀洛山円通寺
蛙声、絶えざるを聴く)
商品詳細
- 出版社名
- 春秋社
- サイズ
- 20cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
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