方代さんの歌をたずねて 放浪編

  • 方代さんの歌をたずねて 放浪編
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ISBN
978-4-89615-357-6

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商品説明

私は、大正三年、山梨の右左口(うばぐち)村という所で、百姓の長男としてひり落とされたのである。
右左口村は甲府寄りで、東南は迦葉山(右左口峠)と滝戸(たきと)山と、大きな富士山に太平洋の暖流をさえぎられ、冬は長く、雪が多くて、田も少なく、畑も石ころばかりの貧しいびんぼう村である。………人間、人と生まれて、一つの仕事を成しとげるつもりなら、一つの事だけを考えて、ほかのことはいっさいやらないことである。と言って、そっとさかづきを伏せたことがあった。
その父も十九年の春、ひとりぼっちでうっちんでしまったそうである。私は兵隊にとられて留守だった。父が死んでいったころは、南方のジャバのスラバヤ沖で空襲に会って、海にほうり出され、鮫といっしょに流れていたころではないかと思っている。父よ、お許しあれよ。
 南方の戦線におくられて、鉄砲だまに右の目玉をとられて、二十二年に日本に還ってきた。
 運がよいのか、とにかく帰って来たのである。骨になっている父の骨壺を抱いて、郷里山梨の七覚山の墓地の母のかたわらに納めて、そして私は東京にもどってきた。 『青じその花』

 このような人生を歩いた歌人、山崎方代。私どもはその生前、「ホーダイさん」と呼んで親しみました。歿後、なぜだか懐かしいこの歌人の足跡を辿ってみたくて、郷里右左口を探り、甲府盆地を走り、とうとう北は鳥海山麓から南は熊本まで飛んだのが、この「放浪篇」。湯川のファインダー、大下の文学フィルターをとおして、人呼んで「放浪の歌人」山崎方代の思いがけぬ発見もありました。ご高覧を願い上げます。

目次

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商品詳細

シリーズ名
Bee Books
出版社名
光村印刷
フォーマット
単行本

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