精神医療 no.58(2010)「特集高齢者の妄想-老いの孤独の一側面」
発売日:2010年4月
- 巻の著者
- 浅野弘毅/責任編集 阿保順子/責任編集
- 巻の書名
- 特集高齢者の妄想-老いの孤独の一側面
- ページ数
- 126p
- ISBN
- 978-4-8265-0522-2
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商品説明
高齢者が妄想を発するのは何故か。認知症と妄想病態の違いはどこにあり、両者はどのように関係しているのか。
総務省が2008年9月15日に発表した統計によると、日本における65歳以上の人口は推定2819万人であり、総人口に占める割合、いわゆる高齢化率は22%となっている。そのうち70歳以上の人口は2017万人であり、初めて2000万人の大台を超えた。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によれば、2055年には日本の総人口は9000万人を割り込む一方で、65歳以上の人口は3646万となり、高齢化率は40%を超えることになると予想されている。
多くの高齢者は家族や故郷から離れ、配偶者と死別し、一人暮らしとなる。退職後は他者との関わり、社会との接点が極端に少なくなり、塞ぎ込む。かつて老人とは蓄積された経験と智識に敬意を払われるべき存在であったが、機械化・自動化・情報化が進んだ現代社会では、過去のものは捨て去られ忘れ去られる遺物でしかない。「現代においては「老い」は排除されるべきものとされ、「問題」として扱われ、介護の対象」となるだけの存在でしかないのである。居場所を無くし存在価値を奪われた高齢者が自己防衛として、意味ある物語を生み出そうとし、そこから高齢者の妄想が現れてくるのである。それを一言で表すならば「孤独」ということになるだろう。
高齢者の妄想をめぐる精神病理学的な議論を中心に、臨床とケア・看護の実例を示しつつ、認知機能障害の有無とは独立に、妄想のなかに生きざるをえない高齢者の実状にスポットをあてる。
目次
巻頭言●「老い」 の居場所(浅野弘毅)
作話と被害妄想――「意味の世界」を護る(大井玄)
花咲くをとめ達(星野征光)
「猫と私と、時々、団地」――デイケアからの報告(岩田明子)
高齢者が妄想を呈する時(高田知二)
一人暮らしの女性高齢者の幻覚妄想状態(粟田主一・櫻田久美)
妄想と高齢者、援助者との関係――認知症を中心に(小野寺敦志)
木陰で老い人の不思議な語りを聴く(西川勝)
高齢者の妄想――統合失調症と認知症の狭間で(浅野弘毅)
虚構と現実が行き交う場所――認知症高齢者の人々が生きている時空(阿保順子)
コラム+連載+書評
視点 21○精神保健福祉政策の行方――「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書、その後(小川 忍)
連載○精神科医療の事件ファイル 6「東金事件メモ」――知的障害・発達障害のある人の事件と日本の現行刑事司法手続の問題点(大石剛一郎)
連載○雲に梯 2ニライカナイに降りたつ(久場政博)
コラム○回復について思うこと(荒井祐子)
連載○引き抜きにくい釘 26外され神の視点 [上](塚本千秋)
連載○老いのたわごと 45社会精神医学外史 [その7]――「生活臨床」(江熊要一一派)の功罪(浜田晋)
書評○『ヒーリー精神科治療薬ガイド』デイヴィッド・ヒーリー著/田島治・江口重幸監訳/冬樹純子訳[みすず書房刊](八木剛平)
紹介○『精神障害のある人々の自立生活――当事者ソーシャルワーカーの可能性』加藤真規子著[現代書館刊](近田真美子)
書評○『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』大熊一夫著[岩波書店刊](石黒亨)
編集後記(阿保順子)
商品詳細
- 出版社名
- 批評社
- サイズ
- 26cm
- 対象年齢
- 一般
- フォーマット
- 単行本
注意事項
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