台所のおと みそっかす
発売日:2003年6月
- ページ数
- 334p
- ISBN
- 978-4-00-114564-9
- 著者情報
- 幸田 文(コウダ アヤ)
1904‐1990。明治の文豪、幸田露伴(1867‐1947)の娘。東京・隅田川のほとりで生まれ育った。幼くして母と姉を失い、のちに二十歳前の弟にも先立たれる。女子学院に学び、1928年に結婚。10年ほどして離婚し、一人娘を連れて実家にもどった。父・露伴の没後、文筆の道に進み、数々の名作を生みだした
青木 奈緒(アオキ ナオ)
1963年、東京生まれ。幸田文は、母方の祖母。学習院大学修士課程(ドイツ文学)修了。オーストリア政府奨学金を得て、ウィーンに留学。89年より、翻訳・通訳などの仕事をしながらドイツに滞在。98年帰国
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商品説明
父・露伴の没後、文筆の道に進んだ幸田文。歯切れのいい文章には定評がある。人情の機微をつづる「台所のおと」「祝辞」、生い立ちを語る「みそっかす」、露伴の臨終を描いて圧巻の「終焉」など、孫娘青木奈緒の編んだ幸田文作品集。中学以上。
【対象】中学生
<絵本ナビ情報 絵本ナビメンバーの声>
著名な作家の子どもが父あるいは母の死後、作家になるという例はさほど珍しくない。才能が遺伝するということもあるのだろうが、親の生き方や生前親からかけられた言葉の数々が子どもに伝わっていくからだろう。珍しくとはないとはいえ、この家系は幸田露伴、文、青木玉、奈緒の四代にわたって作家である。これは稀有なことだと思う。9月20日に急逝した母の遺影を通夜の後、一人見つめながら、幸田文にとって露伴は父であり母であったのだと思った。文の生母・幾美は文が幼い頃に亡くなっている。母に代わり作法や家事に至るまで細かく教えたのが露伴だからだ。父を亡くすのも辛いが、母を亡くすのはもっとこたえる。母は生活の一コマ一コマで子どもと密接に結びついているからである。岩波少年文庫に幸田文作品があるということにある種の不思議さを覚えながら、この本を昨年購入した。幸田文全集もすでにうちにあるのに、買わずに入られなかったのが、収録作品を編んだのが文の孫の奈緒であったからだ。文章から受ける印象をたとえると、露伴が剣の達人なら、文は小太刀の名手はないかと、切れ味の良い文章を読みながら思うことがある。私は母の死を思いながら、文が露伴の死を看取る覚悟をつけた『終焉』を思い出した。私の母は私の覚悟ができる間もなくあっけなく逝ってしまったのだが。父が末期の癌であることを知った時には『台所のおと』を良く読んだことを思い出す。『台所のおと』は、夫が助からない病気と知った妻が夫が気にする台所の音を何も知らなかった頃と同じように保つことに神経を集中させることに感心しながら読んだものだ。優れた文学作品は、実用の書でもあるという言葉を聞いたことがある。幸田文の作品は、正に実用の書という側面も持ち合わせていると思う。人は生きていれば何らかの重荷を抱え、また悲しみも知る。そんな時に支えてくれるのは、生きた言葉だ。書かれた時から年数を経ても生きた言葉であれば、作品を読むたびに読者に新しい発見をもたらす。言霊のある言葉。そんな生きた言葉に出会いたいと思い本を開くのだ。この本は中学生以上向けではあるが、大人にも読んでほしい本である。(はなびやさん 40代・愛知県 男の子8歳)
目次
ひのき(抄)
えぞ松の更新
都会の静脈
救急のかけはし
壁つち
ちどりがけ
かきあわせる
箱
ことぶき
三人のじいさん〔ほか〕
商品詳細
- シリーズ名
- 岩波少年文庫 564
- 出版社名
- 岩波書店
- サイズ
- 18cm
- 対象年齢
- 中学生
- フォーマット
- 文庫
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