吉野弘詩集

吉野弘/著

発売日:1999年4月

  • 吉野弘詩集
  • 吉野弘詩集
ページ数
252p
ISBN
978-4-89456-517-3

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商品説明

<絵本ナビ情報 絵本ナビメンバーの声>
 遠い昔、中原中也が好きだった。 「中原中也の詩だろう」と問われれば、「いや、中原中也その人が」と答えたい。 巷間に知られた恥じらったような美少年の写真といい、長谷川泰子という女性を小林秀雄ととりあったことといい、若くして亡くなったことといい、中也そのものが詩であるような気がする。 まさに「汚れつちまつた悲しみに」だ。 中也そのものがある意味詩人の典型のように思っていた。 それからたくさんの水が橋の下を流れ、中也が亡くなった年齢もとっくに越してしまって、どうもそうではないのではないかと気づいた。 詩人であれ、まっとうな社会人であり、家庭人たりうる。 そんな詩人の一人は、吉野弘であることは間違いない。 吉野弘といえば、「祝婚歌」といわれるほど有名な詩がある。あるいは教科書にも載った「夕焼け」という詩も広く知られている。 この詩集にはそういう代表作も収録されているが、吉野弘の単独詩集であるから、目にしたこともない詩も多いだろう。 例えば、私は「生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい」という節で始まる、「生命は」という詩が気にいった。 その詩の最後はこうだ。「私も あるとき/誰かのための虻だったろう//あなたも あるとき/私のための風だったかもしれない」、そんな虻と風が出会って、「愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」という「祝婚歌」の世界につながっていくのだろう。 もうひとつ、この詩集の特長でいえば、言葉遊びの詩が数多く収録されていることだ。 言葉遊びといえば谷川俊太郎が数々の詩を発表しているが、吉野弘も負けてはいない。 気に入ったのは、「主婦」という詩。「婦」という言葉を分解して、「主(おも)に帚(ほうき)を使う女」と読めることに詩人はそうではないと異議を申し立てる。「主(あるじ)に帚(ほうき)を使う女」。 詩人の目の鋭さと文字に対するセンスの良さを感じないだろうか。 吉野弘に「「汚れつちまつた悲しみ」は隠されているが、もっともっと読まれるべき詩人だ。(夏の雨さん 60代・埼玉県 )

目次

四季
生きる
日常さまざま
言葉いろいろ
漢字遊び
空山海・樹ほか

商品詳細

シリーズ名
ハルキ文庫
出版社名
角川春樹事務所
サイズ
16cm
対象年齢
一般
フォーマット
文庫

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