女優やタレントとして幅広く活躍する市川美織さんが、「セブンネット読書女子」に登場。一昨年までは、お気に入りの本を見つけても、最後まで読み切れず“活字疲れ”してしまっていたというが…。今では、当時が嘘のように読書にのめり込んでいるようだ。独自の読み進め方、読書を習慣化するためのマイルールとは。

「あまり分厚くない本をいつもバッグの中に入れていて、“隙あらば読む!”というのが、今では習慣になっています。今日は、クッキーの生地をコネて、型取りして、オーブンで焼き上がるのを待つ合間に読書。さらに、紅茶を入れて、出来立てのクッキーを頬張りながら、また読書。以前の私からは考えられない時間の過ごし方なんです(笑)以前は、表紙をめくって文字がビッシリ埋まっているのを見ると、それだけで目が回るような拒絶反応を起こしちゃうくらい本が苦手でした(苦笑)。AKB48グループを卒業して、お芝居をするようになってから、舞台の台本を通して徐々に活字に慣れて、読書への苦手意識が薄れていきました。今では読書が趣味って自信を持って言えるくらい本が好きです。読書にのめり込むきっかけが芝居だったので、まずは小説から入りました。小説って、芝居の台本のように人の会話がカギカッコで描かれていますよね。そのセリフを自分だったらどんな風に言うかな…、と想像することでスーッと本の世界に入り込めるようになって。きっと読書って、自分なりの読み進め方を見つけることが大事なんだなと思います。」

「自分なりの楽しみ方を見つけてからは、途中で諦めることなくスラスラと読み切れるようになりました。今では、演技においても、本当にいい影響が表れているな、と実感しています。だって、舞台に立った時に、役に入り込んで自然と目から涙がこぼれ落ちるなんて、もう自分でも嘘みたい(笑)本を1冊、2冊と読破するごとに、以前よりも深いところまで、与えられた役に感情移入できるようになっていて、成長できていると感じられます。それがすごく嬉しくて、また次の本を手に取り、読む!その繰り返しです。次にどんな本を読むかは、表紙に描かれた写真や挿絵、タイトルを見て、そそられたものを手に取ります。それが、日常ではありえないファンタジーだったら、さらにワクワクしちゃいます。以前に読んだ『霧のむこうのふしぎな町』は、霧の先にある町に迷い込んだ主人公が旅する中でたくさんの人に会って成長するストーリーなんですが、現実離れした設定だから、想像も掻き立てられます。たくましくチャレンジする主人公の姿は、大人として学ぶべきことが多かったように感じます。」

「いつも電車移動や舞台の空き時間に読書をしているので、電子書籍って便利でいいなと思うんですが、やっぱり紙がいちばんですね。だって画面をスクロールすると、自分がどこをよんでいたか、迷子になりません!?何回も同じところをグルグルしてしまって、なかなか進まないし、最後まで読み切ってもストーリーが頭に入っていなかったりして。しっかり自分の指でなぞりながら、本を折り曲げてページの端から文章を追いかけながら読む。だから、紙じゃなきゃダメなんです!本の独特の匂いも好きだし、本屋さんで過ごす時間も大好きです。だから、紙の書籍がなくなってほしくないなぁって、ひそかに願っています。」
おすすめの3冊はポイント10倍!

跡を消す
特殊清掃専門会社デッドモーニング
前川ほまれ
「おしゃれでかわいい表紙にそそられました。主人公は亡くなった方のお部屋を掃除する仕事をしていて、作業の一部始終が事細かに書かれています。臭いがすごいとか生々しい描写もあるけど、それは人が生きていた証。きれいにしてあげることで、亡くなった人は幸せになれるんだろうなって…。すごく泣きました」


白いしるし
西 加奈子
「帯に“全女子必読”と書いてあり、気になって手に取りました。彼女がいる人を好きになってしまった主人公の、盲目的で真っすぐに恋をしている姿に、胸がギュッと締め付けられました。この作品を読んでから、すっかり、西加奈子さんの大ファンになってしまいました!」


世にも奇妙な君物語
朝井リョウ
「作家がテレビドラマ『世にも奇妙な物語』のファンということで書いた短編集。最後の『脇役バトルロワイアル』というタイトルが気になって最初に読んだのですが、全作品の伏線を回収するオチが書かれていて、失敗したと思いました。みなさんは1話から読んでみてください!」


市川美織・女優
いちかわ・みおり/1994年、埼玉県生まれ。AKB48、NMB48のメンバーとして活躍後、2018年に卒業。舞台『伊賀の花嫁 その三「ズルい女」編』が2/2〜2/11に公演。フォトブック「なりたいの、わたし。」が好評発売中。広島レモン大使、久喜市くき親善大使を務める。
セブンネット読書女子とは?
なんだか知的でスマートな印象がある『読書』。本を一冊読むと、それ以前より、ちょっと世界が広く見える『読書』。移動中のバスや電車、ひとりカフェ、旅の途中…、取り入れ方は人それぞれ。本を通して、自分と向き合う“読書女子”を応援するのが、「セブンネット読書女子」。本がさらに好きになる情報や、お得なキャンペーンをお届けします。